バイオメカニクスは反力や関節トルクだけの学問ではない
バイオメカニクスを教えます、と言うと、スポーツバイオメカニクスを思い浮かべる人が多いし、それはもちろんバイオメカニクスの分野のひとつなのだけれど、実は、生体力学、という言葉の英語版であるので、例えば血流の話や腹圧の話なんかも(つまり内臓に関わる何かも)「力」を扱っている以上「力学」の話で「身体の中の力」の話だから「バイオメカニクス」なんですよーというと驚かれたりします。
わたしは最近、お母さんや子どもの運動や姿勢についても少しお仕事で関わることが多いのですが、赤ちゃんの運動発達というのはバイオメカニクス的にも面白いです。最初、背中全体を地面に押し付ける方法しか知らなかった赤ちゃんが、寝返りしてお腹も地面と触れられるようになり、肘をついて重力に抗って、気付いたら四つ這いで四点支持動作を行うようになり、四つ這いで手を伸ばして遊ぶことで三点に、最終的には二点を地面につくようになる・・・つまり支持基底面とその中での重心のコントロールを、徐々に徐々に獲得していっている、ということに他ならないわけです。
先日、以下のような絵を仕事で描きました。
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