電験3種の所感・使用した参考書
半年間の勉強を経て電験3種に合格しました。この経験をもとに、各科目の(ざっくりですが)勉強方法と所感、使用した参考書などについて整理しました。
参考書は4科目すべてで「完全マスター電験三種受験テキスト(オーム社)」を使用しました。過去問題集は使用していません (正確には、「完全マスター」を徹底的に取り組むため、過去問題集に手をつける時間がなかったという状況でした)。
1.各科目の勉強方法と所感
1-1.理論
<勉強方法>
大学時代(電気系)に電磁気、電気回路、電子回路を学んでいたため、その知識を活かして「完全マスター」を復習のような形で進めました。その分、他の科目に多くの時間を割けました。この方法がすべての人に参考になるわけではないかもしれません。
私は問題を解答した後、次のような記号を付けています。
〇 : 正確に問題を解けた
△ : 一部不明な点があり、勘や直感で正解した
(例:選択問題で2択まで絞り、勘で正解した)
✕ : 不正解だった
「完全マスター」に掲載してある問題を、〇が2つ付くまで繰り返し解きました。これにより、自分の苦手な問題を把握し易くなります。大学で学んだ内容とは言え、問題形式に慣れるために対策をしました。
<所感>
理論は主に”電気数学”の理解が重要だと感じます。オームの法則、鳳テブナンの定理、交流計算の三角関数・虚数・ベクトルなどの内容です。これらは電力・機械科目だけでなく、電験1種、2種の電力・機械及び2次試験にも使用します。逆に、この”電気数学”を理解できれば理論科目以外にも得点を伸ばせることに繋がります。
1-2.電力、機械、法規
<勉強方法>
電力、機械、法規の3科目については初学です。そのために取り組んだことは、「完全マスター電験三種受験テキスト(オーム社)」を各科目ごと徹底的に繰り返すことでした。各科目ごと使用した参考書は「完全マスター」のみです。
①各章ごとにテキストを学習
特に、優先として色文字の重要単語とその意味を覚える
②各章ごと掲載されている問題を解く
ここで重要なことは、問題を正解することではなく、問題を通してテキストの理解を深めること
この①②を繰り返します。最初の1~2週目では、理解が難しいかもしれません。しかし、3~4周目になると徐々に理解度が深まるのを感じられるかと思います。個人的な目標は5周以上です。この方法で、各科目の理解度を高めていきます (私は電験1種2次試験の計算問題対策で、過去問20年分を5周以上繰り返しました)。
理論と同様に、各章の問題に〇、△、✕の記号を付け、自身の理解度を確認します。試験直前には、△や✕が多く付いている問題を再確認します。
ここで大事なのは「①を完璧にした後、②を行う」ではなく、「①②を交互に繰り返す」ことです。
<所感>
半年で電験3種合格を目標にしていました。そこで、あらゆる参考書や問題集に手を出さず、各科目ごと1冊の参考書に集中して取り組んだことが良かったと考えています。
さらに多くの問題に触れて理解度を高めたい方には、過去問(10~15年分を目安)を解くことをオススメします。私は電験1種、2種の勉強では、過去問にて対策を行いました。
電力科目の'原子力分野'は、過去数年にわたり出題されていないと聞いたため、私の電験3種の勉強時には取り組みませんでした。同様に、電験1種・2種の勉強時にもこの分野の対策をしていません。私が電験1種、2種、3種を受験した際、1度も原子力分野は出題されませんでいた(噂として、2011年の福島第一原子力発電所事故の影響で、原子力分野が避けられていたようで…)。
しかし、近年の電験3種過去問を確認したところ、2022年度、2023年度、そして2024年度と原子力分野が出題されています。出題分野が変化している(又は元の出題分野に戻りつつある?)ようです。
2.使用した参考書
理論、電力、機械、法規の4科目とも「完全マスター電験三種受験テキスト(オーム社)」を使用しました。
<「完全マスター」を使用しての所感>
電験1種・2種を目指す方にとって、電験3種の内容をしっかりと理解しておくことは、次のステップへスムーズに進むために重要です (当然かもしれませんが)。その点で、電験3種の参考書において「完全マスター」は細かな内容まで網羅されています。「完全マスター」を徹底的にこなせば電験3種合格は大きく近づくだけでなく、電験2種を視野に入れている方にも有益だと感じます。「完全マスター」はオススメの参考書です。
細かい内容も含まれているため、ページ数も多いです。amazonで見ると電力テキストは596ページあります。
3.さいごに
これらはあくまで私の所感です。勉強方法や参考書がすべての方に合うとは限りませんのでご注意を。ただ、「参考書や問題を何度も繰り返して理解を深める」ことは電験に限らず、あらゆる勉強において共通のポイントだと思います。
ではまた!
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