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電験1種 2次試験の所感・使用した参考書

 3年間の勉強を経て電験1種に合格しました。この経験をもとに、電験1種の取得過程や電験1種 2次試験の所感、使用した参考書などについて整理しました。
 使用した過去問、参考書は以下です。
●過去問20年分
「電験王 電験1種二次試験 過去問徹底解説(電験王殿、山岸健太殿)」
「電験一種 二次試験の完全研究(オーム社)」※2003年~2014年

●電験2種2次試験に引き続き2科目とも使用
「これだけ電力・管理 -計算偏-(電気書院)」
「これだけ機械・制御 -計算偏-(電気書院)」

●論説問題の対策で使用
「これだけは知っておきたい電気技術者の基本知識(電気書院)」
「電力科目 電験二種徹底マスター(オーム社)」



1.電験2種 2次試験での目標得点 / 自己採点

1-1.目標得点

 電験2種のときと同様の目標得点を目指しました。電験2種1次試験の合格基準は「2科目の合計点が6割以上」且つ「2科目ともに平均点以上」です。
 過去問を解いている際、電力・管理で6割以上の得点を確保するイメージが湧きませんでした。一方で、機械・制御は難易度は上がっているものの、電験2種時と同様に得点を期待できるという手応えがありました。

<目標得点>
電力・管理 60/120点以上
機械・制御 50/60点以上
   合計    110/180点以上 (6割は108点)

1-2.自己採点

 公式解答を参照して自己採点を行いました。公式からは合否のみが発表され、正式な得点は開示されません。これはあくまで私の予想得点です。以前の記事『電験1種 2次試験の所感・使用した参考書』と同じ内容です。
 
<自己採点>
電力・管理 55/120点 
( 内訳:計算①10/30点 計算②15/30点 論説①15/30点 論説②15/30点 )

機械・制御 55~60/60点
( 内訳:変圧器25~30/30点 制御30/30点)

合計 110~115/180点 (6.1割~6.38割) ⇒ 電験1種合格

2.各科目の所感

 基本的に取り組んだ内容・考えた内容は『電験2種 2次試験の所感・使用した参考書』の記事で述べたことと同様です。電験1種において新たに追加で実施した内容を、以下に記載します。

2-1.電力・管理

●計算問題
 電験2種 2次試験と比較して、電験1種では計算問題の難易度・計算量が大幅に上がったと感じます。
 始めに「これだけ電力・管理 -計算偏-(電気書院)」を用いて、2次試験 計算問題の知識を復習しました。その次に、過去問に取り掛かりました。最初の1週目ではほとんどの計算問題が解けず、解答を見ながら確認していました。
 
 基本的な考え方は電験2種 2次試験と同様です。私は電力・管理は60点以上を目指し、特に計算問題において以下の目標を設定しました。
・難易度の低い計算問題で20~30点確保
・難易度が標準又は難しい計算問題で、少なくとも半分の15点以上は確保

この目標を達成するために、過去問20年分を5周以上繰り返し、徹底的に行いました。

<試験を振り返って>
 結果として、計算問題の自己採点は「計算①10/30点 計算②15/30点」となり、思うような得点は得られませんでした。しかし、過去問の類似問題が出題され、その問題で確実に点を取れたことは非常に大きかったです。もしこの得点が無ければ、不合格になっていた可能性が高いです。

●論説問題
 電験1種では論説問題の対策に取り組むました (電験2種の際は、勉強期間が短かったこともあり、論説問題の対策は行いませんでした)。といっても、論説問題は知らない内容が出題されると、0点となりリスクが高いです。計算問題よりも得点することが難しいと考えていました。論説問題の目標得点は、20~30点で設定していました。

 私が行った対策は、過去問とその関連知識の整理です。過去20年分の問題を各分野ごとに分け、問題とその解答、関連する知識をルーズリーフにまとめ、ファイルに整理しました。このように分類すると、どの分野が頻繁に出題されているかを把握することができました。本試験では、過去問と同じ問題が出題されることは少ないものの、類似問題が出題される可能性は高いと考えました。そこで、過去問に関連する知識を深めるために、「これだけは知っておきたい電気技術者の基本知識(電気書院)」「電力科目 電験二種徹底マスター(オーム社)」を活用しました。以下に、その一部の内容を掲載します。

過去20年分の問題を各分野ごとにファイルへ整理
過去問とその解答
左ページ:過去問の解答   右ページ:関連知識の整理


<試験を振り返って>
 自己採点では「論説①15/30点 論説②15/30点」となり、計算問題よりも論説問題の方が得点出来たと思います。選択した2つの論説問題が、運良く"業務に関連する問題"と"過去問の類題"が出題されたため、得点することができました。この点でも、過去問に取り組んでいたことが役に立ちました。
 計算問題と論説問題の合計得点は、55点と予想しています。目標の60点(5割)は届きませんでしたが、機械・制御に繋がる最低限の得点は確保できたと思います。

2-2.機械・制御

●計算問題
 電力・管理と同様に、電験2種 2次試験と比較して、電験1種では計算問題の難易度・計算量が上がったと感じます。
 始めに「これだけ機械・制御 -計算偏-(電気書院)」を用いて、2次試験の知識を復習しました。その次に、過去問に取り掛かりました。

 基本的な考え方は電験2種 2次試験と同様です。私は機械・制御で50点以上を目指していました。
・「自動制御」問題は必ず選択、本試験時には最初に解答
・「自動制御」以外は「変圧器」「誘導機」「同期機」を選択
    (※「直流機」「パワーエレクトロニクス(パワエレ)」は捨てる)

「自動制御」では現代制御も出題されます。この現代制御は電験2種のときは勉強していませんでした。しかし、現代制御は出題パターンが似ているため、過去問を繰り返すことで対策しました。

<試験を振り返って>
 機械・制御の自己採点は「変圧器25~30/30点 制御30/30点」であり、目標通り50/60点以上を達成することが出来ました。実際の本試験では、過去問演習をしっかり行っていれば得点出来る問題が出題されました。
 自己採点の結果、2科目合計は110~115/180点(6.1割~6.38割)です。もし1つでケアレスミスがあれば、恐らく不合格ではないでしょうか。

●論説問題
 
過去問20年分にて、機械・制御の論説問題は出題されていないため、対策はしませんでした。

3.使用した参考書

●過去問
 電験1種 1次試験のときと同様です。完全研究(オーム社)は絶版であるため、入手が困難、且つ定価よりも価格が高い状態です。電験王殿の書籍やHPにて過去問を参照する方法が最適です。
 私が受けた本試験でも、過去問から出題されたものがあります。過去問に集中して取り組んだことは、非常に効果的だったと感じています。まずは過去問演習が必須です。
「電験王 電験1種二次試験 過去問徹底解説(電験王殿、山岸健太殿)」
「電験一種 二次試験の完全研究(オーム社)」(絶版のためメルカリで購入)


●2次試験 計算問題の復習
 計算問題の基本事項を忘れないように、取り組みました。Amazonのリンクは『電験2種 2次試験の所感・使用した参考書』の記事に掲載します。
「これだけ電力・管理 -計算偏-(電気書院)」
「これだけ機械・制御 -計算偏-(電気書院)」


●論説問題の対策で使用
題の対策をしました。過去問の内容だけでなく、それに関連した知識も併せて勉強していきました。
「これだけは知っておきたい電気技術者の基本知識(電気書院)」
「電力科目 電験二種徹底マスター(オーム社)」


<書籍の購入>
 過去問や参考書など専門書の価格は数千円とします。何冊も購入すれば数万円となります。それ加えて、電験受験料、交通費、遠方の方は宿泊代も必要になり、かなりの出費となります。しかし、試験合格となれば一生自分の財産となり、それ以上価値が得られる信じていました。そのため、必要と感じた書籍は迷わず購入しました。

4.さいごに

 これらはあくまで私の所感です。勉強方法や参考書がすべての方に合うとは限りませんのでご注意を。

ではまた!

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