研究者的海外と日本の違い
どうもテキサス猫です。
私がアメリカにポスドクとして来てもう3年が経ちました。そこで今まで私が感じてきた日本との違いについて書きたいと思います。
まずは日本に比べて良いことから
研究費の規模が圧倒的
アメリカは科学大国だけあって研究費の額が日本とは比べ物になりません。
私が日本で所属していた研究室もかなり裕福なほうだったと思いますが、アメリカで所属しているラボと比べると悲しくなるほどです。
アメリカではお金があるので些細な実験でも外注に出しますし、基本的に何でもお金で解決しようとする傾向にあると思います。研究遂行上、高頻度で必要になる実験は専門のCore facilityがありお金を払ってやってもらいます。
このままだと日本に帰ることになったときにダメ人間になりそうです。
プライベートの時間が作りやすい
研究費が潤沢にあると言うことは人件費に割けるお金もあるということで雇用できる人数も増えます。また日本のように雇用の枠が決まっているわけではないのでお金があるならあるだけ人を雇えます。
人が多いということは一人当たりが行う仕事が減りますし、実験も専門のスタッフに任せることができる部分もあるので。
またアメリカ人はプライベートを大切にするので日本人のように遅くまで働くことはしません。5時になったら皆が帰宅します。
プライベートの時間が増え人間らしい生活ができます。
良いことがあれば悪いこともあります。
働かない人が多い
日本人に比べて特にアメリカ人は働きません。事務仕事にかかる時間は日本の数倍です。
また実験を任せても結果が出てくるに時間がかかります。
急ぎの実験や結果を最速で出さないといけないプロジェクトに関わっているときにはフラストレーションが溜まります。
お金の面でシビア
アメリカでは研究費は莫大だと書きました。その代わりに研究者の数が多いので研究費の競争率も高くなっています。
研究費が取れない状況が続くと人が雇えなくなり、実験もできないので結果がでなくなり、研究費に採択されないという悪循環に陥ります。
お金が取れなくなった研究者は大学からするといらない人材なので最悪の場合、ラボがなくなります。
文化的な違いが難しい
日本人とそれ以外では文化的な背景の違いにより働き方に対しての考え方が違ってきます。仕事と個人は別と割り切っている人が多いので責任感がない人が多いです。
またアメリカでは人種問題もあり、これは非常にナーバスな問題です。一歩間違うと訴えられかねないので気を付けなくてはいけません。
実際に私も一度訴えられかけました。この件についてはまた詳しく書きたいと思います。
良いことも悪いこともありますが、私個人の意見としては研究をするのは日本の方がやりやすいことが多いです。各々が責任感を持って働いてくれるので。
ただ研究費の額に大きな差があるので、自分のやりたい研究をするにはアメリカの方がいいかもしれません。
自分も今後アメリカで研究者として生き抜いていけるかどうか分かりませんがやるだけやってみようと思います。