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爆熱・マイティー・ヒッツ・インパクト・ホームランダー

オゾン層をなぞらえる光のオーラから、光年遠い宇宙空間に光輝く、ホームランダーの胸の中心に多くの人々のエネルギーが集まっていく。

ホームランダーはじっと身構えている。

地球を脅威に陥れる光年遠く離れた場所にいる、あの真っ黒な巨大な物体に照準を合わせて。

誰が歌を歌い始めたのか、誰がギターを弾き始めたのか、誰がドラムのスティックを回し始めたのか、誰がベースをつま弾き始めたのか。

些細な事はわからない。

ただ多くの地球の人々は、音を通して、力の限りその情熱のエネルギーを彼等に送り続けた。

これは人類史に残る普遍の星の歌。

不滅の惑星の流行歌…。


ー「マイティー・インパクト」(大合奏)ー

…そうあれは1年前…。

夢乃「あ〜、暑っつい!!
        昨日の夜から温度が下がらない!!」

焔・夢乃は明朝4時半に起きて寝付きの悪い白けた夜に毒づいた。

鈴乃「…当たり前でしょ。
        ここの地域は、昔から温度が高いことが
        観光としての売りなんだから。
        しょうがないよ。
        温泉にでも行って、汗を流してくれば
        いいじゃない。
        いつもみたいに。」

鈴乃が長女らしい態度で、今日もうるさい妹の朝をイナしている。

焔・夢乃はあて度もない怒りを、その表情に表していた。

夢乃「お姉ちゃんだって、眠れなかっくせ
        に!!」

鈴乃「…ふん。
        どうでもいいけど、おじいちゃんたちに
        ちゃんと挨拶してきなよ。」

夢乃「わかってるわよ!
        将棋と野球が好きな馬鹿なおじいちゃん
        たちにね!」

そう言うと、夢乃は温泉街のある昭和のおじいちゃんたちの旅館に向かって、体のコンパスの針を定めた。

ここの地域の夏は、本当に暑いことで有名だ。

焔・夢乃が緩やかな坂を下っていくと、海を構えた街全体の景色がよく見える。

おじいちゃんたちがいる温泉街の旅館に近づくと。

トモじい「おいエテ公!!
                また、チョンボしやがったな!?
                お前のやる事は、いつもこすっか
                らいんだよ!!」

音道じい「何言うてんねん!?
                お前が見てるのは、錯覚やん
                け!?
                血圧上がるわ!
                腹立つ〜!!」

トモじい「なにー!!
                この野郎ー!!
                頭さげろ!!」

音道じい「アホ抜かせ!!
                誰がお前なんかに!!」

(ガヤガヤ…ごちゃごちゃ。)

焔・夢乃は変わらないいつもの朝に、肩を落とし、両手であきれたポーズを取りながら、ともかく早く湯船につかることを考え、姉に言われた朝の挨拶を遂行した。
いつものように。

夢乃「おじいちゃん達、おはよう…。」

トモじい、音道じい「おう、夢乃か!?
                                   おはよう。」

肩を落とした孫に、バツが悪い感じで苦笑しながら、2人の初老達はニコリと挨拶を返した。

夢乃は広い大浴場の大好きなヒノキの湯に、つかりながら、しばし鼻歌と一緒に、いつもの空想の旅に出た。

普段は、お家柄もあり黒を基調にした服ばかりを着るのが当たり前なのだが、空想の中では、白いワンピースを着て白い帽子をかぶる清純なごく普通の女の子を演じていた。

それは、夢乃にとって憧れでもあり、これが女の子と言う1つの指針に浸る高尚な時間の使い方だと彼女は思っていた。

焔・家はその苗字の体裁を表すが如く、火に強く関係する家系であり、その心持ちも姉の鈴乃を除いて全部が熱い心構えの人ばかりであった。

しかし、夢乃はまだ年齢的に幼く、自分の心とは裏腹に体力的には、やはりまだ子供。

だからいつも彼女がヒノキの湯で、空想の旅行に意識が傾くと、彼女は必ずと言っていいほど、のぼせて脱衣所で横になる毎日を繰り返すのだった。

しかし、今日の空想の旅行はいつもより、それは長く騒がしかった。

夢乃が脱衣所で意識朦朧とする中、彼女の頭の中に訴えかける無機質な低音の声が、仕切りに夢乃に警告を放っていたからだ。

低音の響き「我をいざなえ。我を導け。
                 その魂を敵に打ちつけろ。
                 我は焔・家姉妹を待ってい
                 る。
                 我はここで待っている。」

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