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毎日?小説 第1日

少し開いた窓から電車が繋ぎ目を踏んで走る音が間近に聞こえる。

窓の外の空の色は秋が近いと言うように、一片の雲もなく見ゆる限り晴れ渡っている。


後ろから照らしている陽の傾いた光は

夏の終わりも近い柔らかさを以てガラス窓に煌めきを与えている。

一昨日までの連日の気が狂うような暑さはここ数日でなりを潜め

まぁ、これくらいならと思える気温の日が戻りつつある。


今年の初め日常の全てを壊した流行病は収まりつつあると発表がなされたが

未だ人々の警戒心は高すぎるほど高くて外出する度、報道を見る度ため息が出る。

そんなことを考えながらも電車は進む、県境のトラス橋をジョイント音を響かせて、車内に影と陽の光のパラパラ漫画を映して。

私以外、殆どの人が帰るのだろう

前ほど混雑しなくなった車内を見ながら電車の走る音に耳を傾けて

家とは真逆方向に向かっていく

行き先は決めてない。遅くなってから帰ろう

列車は終着の駅へと滑り込む、大都市の隣の県の名を冠する駅に。広い駅ナカをフラフラと見ながら少し時間を潰す、どうせ早く帰っても良いことなんてないのだから。


陽は完全に沈みきって、雁金の月が浮かぶ、西の方の空は夕焼けの名残と夜空のせめぎ合う

オレンジと紺のコントラストを微かに残している、この時間の空もまた好きな景色のひとつ。


乗ってきた列車の終着で買った、揚げたてのカレーパンをハフハフと食べながら

家路に着く車窓を、ぼんやりと眺る

そういえば、海が近かったかと思い出したてそちらの方を見つめるけれど
視認できる近さにもなく、諦めてまたぼんやりと流る景色を横目に流してく

夕焼けの残滓も無くなって空は夜の帳が支配する。車内の蛍光灯が反射する窓越しだと月以外の星は1つとして見えない。

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