あかがねミュージアム「なぜ美しさを感じるのか?」
あかがねミュージアムのカフェにて
2024/10/04
愛媛県新居浜市のあかがねミュージアムに行ってまいりました。
ミュージアムに併設されたカフェは開放感があり、ロビーと地続きになっているような空間です。
朝9時40分、カフェが通常営業をはじめる前に哲学対話を2時間行いました。
集まってくださったのは11名の皆さん。
なぜ美しさを感じるのか?
参加者の方々のそれぞれ美しいと思うものについて伺いました。
自然の中の小さな花や赤ちゃんの瞳、馴染ある故郷の海、宇宙、比率、足元の小さな雑草の花から、韓国ドラマの女優さんの涙まで、様々でした。
参加者の皆さんに「美」をテーマに問を作っていただいたのですが、なかなか難しいテーマが選ばれました。
【なぜ美しさを感じるのか?】
哲学対話でなるべく避けたいのは、「人それぞれなんじゃない?」で終わってしまうことです。けれども、なぜ美しさを感じるかについて、人それぞれではなく、多くの人に共通しそうなものをどう考えられるでしょうか。
初回テーマとしてはなかなかに難しい設定でしたが、参加者の皆さんの意見から、もっと考えてみたかった面白い意見がいくつもありました。
自分の中にないものを見たときに、美しさを感じるという意見では、自分のなかにないものを私たちは感知できるのかどうかが気になりました。
美しさを感じる際には、自身の心の余裕や状態が影響することも指摘されました。
日常のなかでささやかな美しさに気がつくときは、少し落ち込んでいたりするという意見もあれば、身体的にも精神的にも余裕がないといけないのでは?という意見もありました。
殺るか殺られるか、食うか食われるか、そんなときには、些細な美しさに気がつく余裕がないと考えについて、もう少し考えてみたかったです。
タイタニック沈没の瞬間まで音楽を奏で続けた人々は、一体何だったのだろう。「美」とは何の関係もなく、単に職業人としてのプロ意識だったのでしょうか。
戦下において、歌を歌うこと、絵を描く事、詩を描くことをやめたかった人々もいるかも知れません。
一方で、「それどころじゃない」瞬間や日々の中で、たとえば、汗だくで、イライラしていて、早くシャワーを浴びたいときに、ふと身近なものの美しさに気がつけるのかというと難しそうだとも思えます。
イライラしていたのに、ふと何かの美しさに気を取られたことがあるか。
どん底の状況、切羽詰まっていた状況だったのに、なにかの美しさをふと感じたことはあるか。
そんな事を考えてみることもできたかもしれません。
最後に、美しさを生み出す側の視点からの意見もありました。こちらの意見も、もっと考えてみると面白そうでした。
次回は、11月1日、なんとてつがく屋の設立記念日ですが、あかがねミュージアムにて「価値」を題材にして哲学対話を行います!もう少しテーマを狭めるために、いくつか問をこちらで用意して向かうつもりです!