効率化で私が滅びるところだった話

私は「科学的根拠」が好きだ。なんせ格好いい。
「時間がない」「面倒くさい」が口癖になっていたある日、
私には効率化が必要だと気付いた。

私は本やYoutubeで情報を集め、仕事も趣味も取捨選択しまくった。
そして行き着いた考えは、
オシャレ・素敵な食器・ドライフラワーが無くても生活はできるぞ!
だった。

ムダなことしないと滅びるゼ

認知神経科学者の中野信子氏によると(参照:「働かざるもの食うべからず社会」は持続しない 脳科学者が説く”無駄”の意味)
私たちの祖先って食用にならない貝拾ってたんだって
しかも居住地から数十キロ離れた場所で採集!そんなに歩きたくねえ・・・
この食べられない貝ってのが象徴品だったらしい。お金とか装飾品とか。
でもネアンデルタール人はそんなもん拾わなかった
食べる貝だけ集める効率的な生活!

結果:滅びたのはネアンデルタール人

「美しい」という感性を価値として持っていた方が生き延びた。

好きに理由なんてあるかよ!

小見出しが恥ずかしい。書いたのは私。
私は仕事、私生活問わず「効率化」を求めていた。
その結果マルチタスクをしすぎて「時間がない!」と時間欠乏症になり、
服はたんすの引き出し手前がレギュラーメンバーとなった。
ミニマリズムという格好いいワードが私を応援してくれたけど、
ある日気づいた。

「私の好きなものが分からない」

今日は素敵な服を買っちゃうぞ~!というときに自分の好みがよくわからないことに気付いた。

ぶっとびーーーーーー!ショックだったし困惑した。
かつて森ガールとして白いワンピースをこよなく愛したり、
タイダイ柄の布を頭に巻いてフェスの雰囲気を醸し出して通学した私はどこへ行った。思い出せ!かわいいバッタのトレーナーを見つけたときの感動を!

タイダイ柄の布は頭に巻かなくても生きていけるし、
バッタの柄がないトレーナーでもカジュアルになれる。
でも、楽しくはない。
効率的だと思ってた無難な「無地」は、私のセンスまで奪っていった。

「これたまらなくかわいい!」「これロックだな!」という感覚を取り戻したいと本気で思った。

好きって言えない私・・・ポッ(照)

私は趣味を答えるのが苦手だった。
小学校で爆流行りしたプロフィール帳を思い出してほしい。・・・知らなければ歴史の勉強だと思ってググってほしい。

Q. 趣味は?

私の脳みそ
「服のコーディネートが好き!・・・でも私あの子よりおしゃれじゃないな。じゃあ・・・歌!・・・ナルシシストとか思われるかな。無難な『映画』にしよう。映画見たことあるし。」

A. 映画

思い出して悲しくなったわ。なんだよ。好きって言えよ!
ショックのあまり「月刊りぼん」のイケメンみたいな言葉出た。
当時の私ってば、「相手のことをよく考えて思いやりをもって行動しよう。」という思想はイケてるけど、他人と比較して自分を蔑むのはよくなかった。

私にとっての「貝殻」はなんだ?

人目を気にして「趣味は映画鑑賞です。」と答えていた私も大人になった。
私の趣味なんぞ誰も気にしていないことを確信した。
それと共に「好き」という感覚も失ったことに気付いた。
なんだよ。ひどいじゃないか。

でも自分の好きなものなんてググっても出てこない。
ため息つきながら久しぶりに今週のしいたけ占いを読んでみた。
・・・・おもしろい
そういえば「占いを信じる人はうんちゃらかんちゃら」みたいな話を聞いてから読むのをやめてたなと思い出した。
うんちゃらかんちゃらかもしれないけど、たまにこれ読もうと思った。
私これ好きだ。

まとめ:好きってのは自分にしかわからないから自分を信じよう。

科学的な根拠の話は好きだし効率化も目指したいけど、
少しずつ「好き」を取り戻したいなと思う。

そういえば子どもの頃「これ桜貝だよ。きれいでしょ。」とシンデレラママ(母の自称)に教えてもらった。
それから桜貝を集めてはシンデレラママに見せに行ってたけど、
私は砂浜に打ち上げられた空気を含んだ海藻の方が好きだったな。
ぷくっとしていてかわいかったし、潰すのが楽しかった。

オシャレも食器もドライフラワーも
まずは見てみようかな。
自分の「好き」を楽しもうと思う。
あー滅びる前に気付いてよかった。


今日もテツガクは続く。


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