私がキャプテン・ジャック・スパロウからもらった鍵、『存在と同時に存在しない』


 はーい、テツガク肯定です。

 キャプテン・ジャック・スパロウ――。
 永遠の自由、その象徴である世界三大海賊のキャプテン・ジャック・スパロウについて。
 今の私が何か紹介しなくても、皆様ご存知だと思います。


 代わりに、自分が吸血鬼である事を忘れた愚者の私について少し。
 もう、他の雑談でも明かしていますが。
 私が人生で初めて訪れたトウキョー・ディズニーランド。(正確には千葉県浦安市舞浜のディズニーランド)

 そこで乗った記念すべき乗り物は――カリブの海賊。

 まあ、その、入り口に近かったはずですし。
 幼稚園の遠足にはちょうどよかったのでしょう。


 あの時は、まだ――キャプテン・ジャック・スパロウは。
 この世にいなかったのかもしれない。
 デイヴィ・ジョーンズの海の墓場、白い異世界にいた。
 (ディズニーの関係者、あるいはウォルト・ディズニーさんは会っていたかもしれませんが。私は知りませんでした)

 そこから、随分と過ぎ去ってから。
 高校の時、英語の先生が目をキラキラと星のように輝かせて言うんです。

 『パイレーツ・オブ・カリビアン』、凄かった。

 今でもそうですが、私は英語が苦手で、英語の授業が嫌いだったのですが。
 この時の映画を語る先生の口調が、授業のそれとは全く違ったんです。
 英語を教えるより、名作映画の紹介の方がピッタリだったかも。
 『24』の時も凄かったです。

 ジャック・バウアー、凄かった。『24』。

 何が? とはあまり語らず。
 休みの日に一気見した、くらいしか伝えずに授業に入ってしまうので。
 授業中、私の頭の中ではキャプテン・ジャック・スパロウ、ジャック・バウアーが踊っているわけです。


 まさか、観ないつもりじゃないよな?
 今日という日を忘れるな。
 俺の名前を、知った日を!


 それで、ありがたい事にテレビ局までもが道を用意してくれるわけです。
 カボチャの馬車まで用意して。
 (昔から私は妙に洋画に愛されていました。『グリーンマイル』とかも観れちゃいましたし)

 日曜洋画劇場、パイレーツ・オブ・カリビアン!

 『グーニーズ』のチャンクさんと同じくらい痺れてしまって、もうデラブンブンなわけです。
 あの聡明かつ誠実で、思慮深く気立てもいい。
 責任感の塊と同時に品のある、最も頼りになる模範的な海賊の勇士に。

 まさに、彼こそが海賊。


 信じないと思ったら言うだろうな


 そういう運命的な出逢いをした。
 だなんて、退屈な話で済まないのがキャプテン・ジャック・スパロウなわけです。
 ココからが本題、私が託された鍵、存在と同時に存在しない。
 この言葉、キャプテン・ジャック・スパロウの台詞だと思っていました。

 2作目、『デッドマンズ・チェスト』あたりで使われたと。
 観直した結果はなし、1作目、3作目、4作目、5作目もなし。

 まだ読んでいない小説が10冊以上ありますが。
 おそらく、そのどれにもない。

 私の勘違い……そう一般的な一般論にすり替えた時期もありました。
 でも、私がつくったにしては、あまりに出来過ぎた鍵。

 存在と同時に存在しない。

 これを博識の友達に明かした時。
 (もちろん、キャプテン・ジャック・スパロウから聞いた、だなんて言わずに)
 顔を真っ赤に冷たく笑われました。

 言葉が間違っている。

 存在するのと同時に存在しない。
 存在と同時に不存在。

 ならわかる。
 だけど、お前は常に間違っている。
 という具合に取り合ってもらえませんでした。


 取り合えるはずもありません。
 あの時は、私ですら、この鍵の使い方を知らなかったのですから。
 でも、今なら――わかります。


 この鍵はキャプテン・ジャック・スパロウから託されたもので。
 ちゃんと使い方もある。

 3作目、『ワールド・エンド』のようにひっくり返すんです。

 存在しないと同時に存在――。

 この先の空白が重要。
 言葉には空白があるものです。
 3作目でもあったように。

 海図の言葉。

 海原の果てを もう一度
 日の出が沈む 緑の閃光

 この鍵の意味を理解したキャプテン・ジャック・スパロウ。
 要約すれば、(こちらの)日の出が(あちらでは)沈む。

 あちら、デイヴィ・ジョーンズの海の墓場、白い異世界。
 あそこの日没に合わせて船を沈めたら。
 こちらの日の出と共に浮かぶ時間だ。


 それで私に託してくださった鍵は。
 全ては存在しない、それだけが揺るがない唯一の事実。
 だけど、存在――するように思える無二の影を信じている。
 存在してほしいから、存在すると信じている。

 それが本当に存在するのか、しないのか。
 それを決めるのは誰か?
 自分一人だけだ。


 きっと、誰かはキャプテン・ジャック・スパロウは存在しない。
 そう決めるかもしれない。
 ジョニー・デップさんが演じているだけだと。

 だけど、愚者の私にはジョニー・デップさんはいるし。
 もちろん、ジョニー・デップさんが確かにいるように。
 キャプテン・ジャック・スパロウも確かにいる。

 まだそれを知るイエスタデイは来ていないけど。
 愚者の私の中ではそう決まっている。

 クリス・チェンバーズだっているし。
 テディ・ドチャンプ軍曹もいる。
 リッチー・トージアもいるし、ビル・デンブロウだって。
 彼らがいるって事は、あえて名を出さなかった彼らもいる。

 存在と同時に存在しない。

 デッドマン・ウォーキング。
 死人が、死人が歩いている。
 歩けるはずのない、いつかの死人が今に歩いている。


 生きとし生けるものは信じた未知へ進む。

 これはアメリカが誇る、ホラーの帝王。
 スティーヴン・キングさんから盗んだ言葉。

 重要なのは、今、信じる未知ではなくて。
 かつて信じた未知へ進んでしまう事。
 人はイエスタデイの中にいるから。

 そうやって盗んだ言葉。
 ITらはハッキリと覚えているのですが――。
 この言葉だけは覚えていません。

 2017年(2016年だったかも)頃に、とっさに出た言葉。
 そして、すぐにこう思いました。
 キャプテン・ジャック・スパロウの台詞だ。
 先にも言いましたが、他の確認したい事と一緒に探してもなかった。
 その事実を前に、うっかりとすり替えようとしましたが。
 今ではそうしなくてよかったと。

 確かに、キャプテン・ジャック・スパロウから託された鍵です。
 ただ、ハッキリしないのが睡眠中の夢の中で託されたのか。
 白昼夢で託されて、その白昼夢を忘れているのか。

 もはや、儚い夢だなんてものではなくて。
 本当の本当にキャプテン・ジャック・スパロウから手渡しで託された。
 ところが、興奮し過ぎて気絶でもしたのでしょう。

 それで意識が戻った時に鍵も持っていた。

 存在と同時に存在しない。

 博識の友達の事は大好きだし尊敬もしている。
 だけど、この鍵ばかりは変えちゃダメ。
 全く使い物にならなくなる。
 ただの退屈な言葉に成り下がる。

 存在と同時に存在しない。

 本当は全てが存在しない。
 何も今には存在しない。

 その事実が悲しく感じるか、希望に思えるか。
 それぞれだろうけど、愚者の私には確かな希望に思える。
 脱獄王が恐る恐る伝えたITと同じ希望に。
 この鍵だからこそ意味があるITに。


 存在しないと同時に存在――。

 ただのピエロか。
 白い異世界だって抜け出した。
 永遠の自由の象徴から託されたとなると――独り占めはできませんね。
 ありがとう、キャプテン・ジャック・スパロウ。



 でも、きっと誰も信じないでしょうけど。
 何かを信じるには勇気がいりますから。
 何もしていない日本人に信じる勇気などあるわけがない。

 人類を滅ぼすようにプログラムされて。
 未来から送り込まれたターミネーター。
 プログラム通り、全てはお神の言う通りでないと何も決められない。
 そういうスカイネット・チルドレン。

 永遠に岩の中にいてくれ、臆病者のか弱い独裁者、邪神天照よ。


 こういう時、なんというのでしたっけ?
 ああ、これです。

 信じないと思ったらベラベラと言うだろうな。

 信じると思ってもハッキリと言いますよ。
 伝わらないと意味がありません。


 そうでした、現代に生きるシンデレラ。
 それについては話しました?

 これは極秘情報、機密事項なんですがね。
 日出ずる世界に広がるアメリカ、そこにはなんだっているんです。
 人魚のアリエルさんにアダムスファミリーにバーナバス・コリンズさんも。

 当然、シンデレラさんもいるわけで。
 現代に生きる、その名は――ハンナ・モンタナことマイリー・サイラスさん。
 『Best of Both Worlds』を歌った、今と昔のいいとこどりの夢を歩く。
 ハンナとマイリー、二つのガラスの靴を履いているのが現代のシンデレラ。

 スーパーマンだって本当にいるわけです。
 テディ・ドチャンプ軍曹にバーン・テシオ少佐だって。
 そう、アメリカならね。


 となれば、当然、もう一人シンデレラがいるわけで。
 我が愛しの相方、ワガママ・クイーン様が見つけたシンデレラを来年以降にご紹介できたら――。(速ければ早いほどいいのですが)
 すみません、現在、愚者のエニグマ暗号受信解読器の調子が悪くて。
 それで果たしたい事を終えたら、すぐに掴まえます。


 汝、自身を知れ、アンダーソン君。
 全てが報われるイエスタデイを迎えるために。



 それでは、また次の機会にお会いしましょう。













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