株式会社リストラ

『リスとトラのマークの株式会社リストラはあなたの鬱憤晴らします！』
画面の中で着ぐるみ達が大きな剪定ハサミを振り回している。
パッと見は引っ越し業者のCMに見えるが、これはリストラ代行の宣伝だ。
≪この世からリストラ≫することもできるという。

「課長、佐々木がいるとチームが乱れます。ここからリストラしてください！」
昼休みと同時に山下から申し出があった。
佐々木。どんな奴だっただろうか。
「課長の許可さえ頂けるなら、僕が株式会社リストラに連絡しておきますよ」
「いいぞ。プロジェクトに支障がある、いらない奴リストラしとけ」
「範囲はどこまでにしましょう」
「チームから。いや、見えないところまでにしようか」
山下は依頼してくると言い、意気揚々とその場を去っていった。
さて、蕎麦でも食べに行くか。

「ね、なんで課長って死んだの」
「佐々木くんと山下くんが依頼したらしいよ。僕らの見えないところまでって」
「家も会社も近いのに？そりゃ死ぬよねぇ…」