セブ ロックダウンと貧困
フィリピン・セブ。ロックダウンに伴い数多くの労働者が労働できない環境であり、再開したとしても元のように戻る保証もない。もちろん休業補償なんてない。貧困層やローカルの人々にとっては生死にかかわる。
貧困層の若いシングルマザーや家族の為に働く若い女性はKTV(キャバクラみたいな場所)や各種、夜の飲み屋系で働いている。大学を卒業してもまともな企業に採用されることは少ないのに、高卒や中卒なんて。
しかし、ロックダウンが解除されたとしても夜の飲食店の再開は無理だろう。日本人経営の優良なKTVも死活問題だと思う。
強固なロックダウンをしたフィリピンでも感染は日々広がっている現状。地方に仕事が無いから都市に出稼ぎに来ていたのですから、地方で働き先を探すのは至難の業だ。
友人のシングルマザーから連絡があった。来年まで出稼ぎで働くことは出来ない、地元でスモールビジネスを行うと言ってきた。
私は上手く行かないから、やめた方が良いと提言。若い友人のシングルマザーは出稼ぎに行く前、地元で魚や果物を売っていた(行商)らしい。バランガイ(村長的な人)にも登録はしてある。
今スモールビジネスを再開しないと食料は尽き、家族は皆大変になると。
過去に行商を行っていたのなら、少し安心。現地の貧困層やローカルだから出来る商売。何せ売り上げから次回の仕入金額を差し引いたって、その日の食事代になるかどうかの稼ぎだ。
うまく売れなければ、すぐに資金がショートするだろう。仕入れや初期の道具を揃えるのに大した金額はかからない。日本人からしたら、お小遣い程度で始められるのだ。もちろん、大きく儲けることは出来ない。
ここで疑問に思う、皆さんは気が付くだろうか?日本人から見たら初期投資が多くても1万ペソ(約2万円)で始められるビジネス。皆が始めるのではないだろうか?競争が激化?本当に売れるのか、買う人なんているのか?
貧困家庭や大家族の多くは数万円の貯蓄も無いのです。一時的に収入があり行商を始めたとしても、彼らはとても数字に弱いのだ。結果、資金がショートする。人が良いのかバカなのか、知り合いなどに次回お金を払うからなどと言われて商品だけ渡してしまうケースも。もちろん回収不能だ。
友人はとても大家族で、未成年の子供から赤ちゃん、祖父母や父母も入れて総勢13人くらいの大所帯。長女である友人は行商で食い繋ぐつもりらしい。ロックダウンが解除され、父親の仕事も再開できれば大丈夫であろう。行商だけでこの人数の食事代は稼げないと思うのだが。
行商が始まったら毎日の報告を楽しみにする事にしよう。友人の努力により大家族が食いつないで行ける事を祈るばかり。