「笑顔」の持つ力

　セブでチャリティーに携わっている。フィリピンは皆が知っているように絶対的貧困が蔓延している。相対的貧困者という日本とは根本的に違う。

　日本で貧困だ、家は貧乏だと嘆いている人たちは一度フィリピンの絶対的貧困を体験、肌で感じるべきだと思う。日本は義務教育制度が充実しているし、各種チャンスがあり支援もある。

　フィリピンで公立大学を卒業しても、まともな職に就けるのは、ほんの一握り。公立大学卒・高卒、中卒はほとんど最低賃金の日雇いやアルバイトだ。もちろん保障なんてない。

　フィリピンと比べて日本で絶対的に足りないもの

　「笑顔」

　フィリピンは貧困家庭でも笑顔が絶えない。フィリピンで笑顔が無い人たちは「薬をやっている者」「犯罪者」「虐待を受けて素行が悪い人」が多いと感じる。（普段、会うことは余りない。アンダーグランドな人達）

　「貧乏だから笑顔が無い」という事はあり得ない

　荒んだ生活を送っていると笑顔がなくなる。荒んだ生活とは貧困（貧乏）ではなく、心が荒んでいるという事。

　「金銭的に不自由でも、心まで荒む理由にはならないよ」

　「貧困でなくても愛されていない、虐待を受けるとか、、、心が荒む理由がある人は多い」

　日本の相対的貧困層もフィリピンから見ればずっと恵まれている。中流家庭も多いのに、なぜか心が荒んでいる者が多い。その為、「卑屈」「妬み」「嫉妬」「僻み」「比較」に心が（社会が）支配され、「諦め」にも似たような力に負け、努力を放棄して「笑顔」が無い。

　増え続けるクレーマーも笑顔が無い（心が荒んでいる）と思う。

　フィリピンのレジ待ちなんて、ふざけんなって思うくらい時間がかかる。日本のクレーマーがフィリピンのレジに並ぶことは出来ないだろう。

　フィリピンの貧困者たちは、とても前向きだ。この試練（貧困）は神がくれたものと堂々と笑顔を振りまく。「出来る、出来ない」は別だが、働くという事に対しての欲は強い。チャンスを与えれば、よく働く者は多い（単純労働しかできないですが・・・）

　「笑顔は人を受け入れる」

　「笑顔は人を安心させる」

　「笑顔は心に余裕を作ってくれる」

　「笑顔は前向きな気持ちにさせる」

　「笑顔は周囲に力を与える」

　「笑顔は力になる」

　「笑顔は人を魅了する」

　「笑顔は・・・・・・・」どんな言葉でも繋げてみて。

　笑顔は力だ。絶対的貧困の中で笑顔が無かったら、想像するだけで怖い。真夜中のダウンタウンはまさに笑顔の無い「夢も希望も無い」世界。

　ドラック。売春。強盗。殺人。傷害。そこに笑顔はない。「笑顔」が在れば、このような犯罪も劇的に少なると思う。

　「笑顔」の持つ力は日本人の想像を絶するよ。

　私たちの日本。日本人も沢山の笑顔で、心健やかに過ごしていきたいですね。笑顔でいると良い事が舞い込んでくる、そんな気がしませんか？

　今の日本は何か卑屈になっているような気がします。貧乏でも良いのです。色々な家庭環境があるのですから、あとは貴方達の魅力と努力で大きなチャンスはいくらでも出てきます。

　こんな事を書きながら、私は笑顔があまり上手ではない。日々出会う「笑顔の持ち主」たちに心癒され、自分に力を与えてくれる。感謝でしかない。いつの日か、自分の笑顔で人に力をあげるような人になりたいな。