政治家の子供が政治家を目指す、ということ。兄の新たな挑戦。
兄の塩崎彰久が自民党衆院愛媛一区の公募に挑戦することを決意した。
二週間ほど前、父が次期衆議院選には立候補しないことを表明した。このニュースを受け、ありがたいことに、私にも多くの同級生や友人たちから「いよいよ出番やな」「出るんか?」との連絡をもらった。
近しい人達にはこれまでも、「自分はこれまでたくさん寄り道をしながら育ってき身だし、”これまで築き上げてきたもの”と”これからのプライベート”を全て捨ててまで、4年に一回無職になるリスクが訪れるような仕事を選ぶのは割に合わないから出ないよ」、というようなことを伝えてきた。
実は、これは照れ隠しの表向きの言い訳で、本当の理由は他にある。
それは、政治家の家に生まれ育ったからこそ知っている「現実」があるからだ。これは知っている、というよりも、むしろ幼い頃から少しずつ少しずつ自分の中に刻み込まれてきたものに近い。
私にとっての政治家
子供の頃の私にとっての父は、「平日はずっと東京にいる人」、「週末は地元にいるのに全然家に帰ってこない人」、「夜遅く帰ってきたと思ったら、朝4時とか5時に起きて仕事部屋にこもっている人」「生で会うよりもTVで観る数の方が多い人」でした。
一緒に旅行に行った記憶も殆どない・・・。
さらに、周囲は自分を見ているのか、自分の親を見ているのか分からなくなる。たまにしか会わない親父は、政治家としては評価されているのかもしれないが、父親としては失格だ、と本気で思っていた。(そして寄り道の思春期へ・・・(笑))
父が国会で何やっているのか、地元で誰とどんな話しをしているのか、など、子供の自分には知る由もなかった。
二十歳を過ぎて初めて選挙の手伝いをさせてもらった。その時にはじめて、父が何のために家にも帰ってこずに頑張っていたのか、を知ることとなる。支援者の皆さんとお話しをする中で、父に対する感謝、期待に直接触れ、父への見方は変わる。
(当然今は昔よりももっと父のことを理解しているし、不出馬表明をしてから沢山の人に惜しまれる姿は、正直、カッコイイと思っている。是非、子供の頃の自分に教えてやりたいものだ。)
が、しかし。
やはり、「政治家」というものは生半可な覚悟でチャレンジをするような職業では絶対にない、ということが私には深く刻み込まれている。犠牲になる周りの人たちがいる、ということを家族として良く知っているからである。
三つの条件
父の背中を見て育ってきたからこそ感じる、政治家としての必ず持ち合わせていなければいけないと思う条件が三つある。
一つ目は、信念と覚悟。
この国をどうしたいのか、一人一人の生活をどうしたいのか。
目指すあり姿を実現する為の強烈な情熱を持ち、どんな抵抗にも負けない強いこだわりを持ち、自分の損得を省みずに国と愛する人達の未来のためにブレずにまっすぐ正面から戦っていいける人。
誰よりも強い信念と覚悟をもった人でないと、絶対にやりきれない仕事だと考えている。
二つ目は、実力。
国会議員は日本の将来を背負って立つ人たち、日本の未来を切り開いていく人たち。既得権益を切り崩していくだけの突破力、官僚の抵抗に打ち勝っていく力、グローバルに渡りあう力、これらを持っている人でないといけない。
そして、私たちの代表を選ぶ以上、その中でも最も能力がある人についてもらわないといけないと思っている。
三つ目は、人間味。
様々な人の思いを理解し、仲間にしていくことが出来る人。仕事だけはなく、子育てや家事や遊びにも全力を注げる人。誰よりも早く困っている人に気付き、寄り添って助けられる人。育ててくれた故郷を愛する心。根アカで周りをパッと明るく出来る人。
自分が政治家の道を目指すべきではない、と思ってきた本当の理由は、上記3点を考えてきたからだ。
これまで兄に直接伝えたことはなかったが、誰かが出るのであれば、兄がふさわしい、とずっと思っていた。
(上記、3点目だけで生きてきた自分としては、そこは互角と言いたいところ(笑))
今回、兄が公募に挑戦をする、ということを決めた。
その覚悟は、私とともに政治家の家に育ち、一緒に父の背中を見て育ってきた兄だからこそ、当然、それがどれだけ大変な道を歩み始めようとしているのか、他の誰よりも良く理解している。
そして、兄がこれまでに築き上げてきたキャリアも全てリセットすることになる。
これらを承知した上で決めた、重い重い、覚悟だと信じている。
先ずは公募に勝ち抜いて選ばれないと何も始まらないので、兄の思い(に共感を頂ける方は、是非、応援をしてあげてもらいたい。
政治家の子供が政治家を目指すことについて、様々な意見がある。これから、色々な批判の声も頂戴すると思う。
だからこそ、どうか、「親が政治家だからこいつは駄目だ」と決め付けず、皆さんには是非とも兄を直接知って頂き、他の候補の方々と横並びでゼロから評価をしていただきたい。
挑戦をするチャンスを与えて頂きたい。
私たちの代表にふさわしい人間かどうかは皆さんに評価を頂くことだが、少なくとも、今回の兄の決断は、相当の覚悟の上に立ったもののはずだ、ということ改めてお伝えしたい。
だからこそ、私も全力で兄の挑戦を応援したいと思う。
そして、当然ながら兄も欠けている部分がたくさんあるので、是非、みんなで育てていってやりましょう!!
(道後小学校の運動会で兄と、僕らを育ててくれた、大好きな祖父母。そして親父はいない(笑))
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