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会員の「参加」を見据えた運動施設を目指そうと改めて実感した!

 医療法42条施設という「医療法人が運営するフィットネス施設」作りのために、理学療法士としての知識や経験、考え方などを活かしながら少しずつ前に進んでいます。

今年6月のオープンに向けて、最近では求人関連やシステムの構築など、具体的なところでの話し合いが進んでいます。
オープンまであと6か月を切ったと思うとかなり緊張感が高まっています。

 そんな中、先日仙台で行われた日本予防理学療法学術大会で発表した「ロコモ予防教室」の活動報告の第2報を、埼玉県理学療法学術大会にて発表してきました。

#病院スタッフの写真を撮ってたら会場の写真を撮るの忘れてた


学会に参加して

 これまで県の学会は評議委員会や運営スタッフとして関わってきましたが、発表したのはそういえば今回が初めてでした。

 会場に着いて、発表予定の病院スタッフと集合写真を撮ってもらうために撮影をお願いした方が、たまたま大学時代の副担任の先生だったり(笑)、ブロック内活動でお世話になった方々、元実習生、そして最初の職場でともに働いていた職場の後輩などと会うことができて、理学療法(PT)業界から少し遠ざかっている自分からすると懐かしさを感じることができました。
#中俣先生すいませんでした (笑)

タイムテーブルがかなりタイトで、自分の興味のある発表や講演を見切れないのが残念でしたが、セラピストとしての視点に立ち返って様々な発表と向き合えたことがとても有意義でした。

そして、自分の発表ですが、要点をまとめると

・前回の発表では教室開催後3か月の様子を報告したけど、
 今回は6か月までの様子をまとめたよ

・筋肉量に関しては身体全体、部位別に分けても6か月経ってもさほど
 変化してなかったけど、大腿四頭筋の筋力(筋出力)は22%増加してたよ

・バランス検査においても、片脚立位保持が初回から倍以上保持できる
 ようになったり、Timed Up and Go testに関しても1秒短縮したよ。

・柔軟性も上半身・下半身ともに改善したよ

・ロコモテストの成績も向上してたから、ロコモの予防に貢献できてるん
 じゃないかなと思ったよ

・ロコモの予防に貢献できるってことは、保険診療外でも健康寿命の延伸に
 貢献できるんじゃないかな?
 そうすれば「一次予防の担い手」としてPTの職域拡大にも
 つながるんじゃないかな?

演題番号O-028です


という内容です。

https://saipta.com/wp-content/uploads/2025/01/saitama-rr_2024-8_rgb_100-sai-3.pdf


今回の発表においても聴講者から質問を頂き、今後42条施設を開設する上で取り入れたほうがいい!というご意見も頂けました。
それを今回報告します。

フィットネス施設において「参加」を見据えた目標設定を行っているか?


 PTを始め、リハビリテーションに関わっている方であれば一般的な考え方なのですが、リハビリを行う目的・目標設定を行う際に「生活するための機能」を見据えて、

・身体の機能や構造的な側面:筋力、可動域、痛みなど
・活動的な側面:歩く能力、立つ能力、など
・参加するという側面:「社会に参加して役割を果たす」という考え。
  家事を行うことで主婦としての役割を果たす、
  地域の趣味活動などに参加して仲良しグループの一員としての
  役割を果たす
  スポーツに参加してチームの一員としての役割を果たす、など

という形で対象者を捉えます。

 自分の勝手なイメージですが、フィットネス施設は「痩せたい」、「鍛えたい」、「姿勢を良くしたい」、「膝の痛みを良くしたい」というような、身体機能や構造的な側面に着目して運動を行うことが多いのかなと思います。

別にその考えが悪いわけではないのですが、大事なのはその先にあるものを見ないといけないというところです。

 例えば、「膝の痛みを良くしたい」という希望の先には「友達と遠くにお出かけしたい」という参加レベルの希望があるとします。

「友達とお出かけしたい」という希望を叶えるためには実は「膝の痛みをなくしたい」という希望だけでは実は叶わない場合もあります。
(実は本人が気づいていない場合が多い)

膝の痛みが昔から続いていて、痛みのせいで歩く量が減ってしまったことで体力(例えば長く歩くための持久力)が落ちていることもあるからです。

そうなると、運動を行う目標としては
・膝の痛みを改善する
だけではなくて、

・長く歩くための持久力をつける
とか、

・膝の痛みが出ないような、しかも長時間の歩行能力を獲得する
・階段に上るとかでこぼこ道を歩くとか坂道を上り下りするとかもあるかもしれないから、応用歩行動作能力も獲得する

そして、
・友達とのお出かけを実現させる

というふうに捉えないといけません。
#「活動」と「参加」がごちゃごちゃになりやすい
#もっともっと細かく設定できたほうが友達とのお出かけを実現させやすい
#身体が変わっても生活が変わらなければ意味がない
#もちろん運動プログラムにも大きく影響してくる

「参加」を見据えたフィットネス施設になるためには?


 では対象者の「参加」レベルの希望を実際に聴取するためにはどのようにすればよいでしょうか?

例えば、入会時のアンケートにおいて「参加」レベルの項目を追加して回答してもらうのも良いのではないかと考えています。

あと大事なのは、対象者とのコミュニケーション。
「参加」レベルを聴取するというのは、その方の生活をさらけ出してもらうことになるため、初対面の方に対していきなりオープンにしてくれるわけではないかもしれません。

その際、日々のコミュニケーションを通じて距離感を縮め、
「実は暖かくなったら友達と山に登るっていう約束をしたから、何としても膝を痛みを良くしたいのよね…」
みたいな本音を聴取できればバッチリです。
(目標達成するためのタイムリミットや活動手段、場所などが一度に聞ければ目標設定を具体的に立てやすい!)

このような一連の流れを実現できる運動施設が
「医学的な専門家が運営するフィットネス施設」
として重要であることに改めて気づかされました。
今回発表して本当に良かったです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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桜井 徹也(理学療法士・健康運動指導士)
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