
LGBTQとは何?セクシュアリティとは何?【当事者による私的解説】
今回は、私がトランスジェンダー当事者として、20数年間の経験と試行錯誤からたどり着いた解釈についてお話ししています。
個人の解釈であり、ジェンダークリニックの医師や他の当事者の方によって解釈が異なる可能性があることをご理解ください。
また、私はLGBTQの自助グループや活動団体には薄く所属していますが、実際の活動には参加していないことを最初にお断りしておきます。
なお、この内容について不明な点がある場合は、本文をAIに内容をコピペして詳しく質問することをお勧めします。その理由は、AIを生んだアメリカではLGBTQについての理解が日本より進んでおり、アメリカの専門家による情報の方が正確だと考えているからです。
セクシュアリティとは何か
セクシュアリティとは、自分の性のアイデンティティを指します。
これから話すセクシュアリティについての解説は、全て英語から来ている概念を日本語に訳して、私が得た知識や経験を付け足してわかりやすくお話ししたものです。
セクシュアリティを理解するためには、3つの要素を分けて考える必要があります。
それは「生まれの性別(生物学的性別)」「性自認」「性指向」です。
これらは別々の概念であり、特にトランスジェンダーについて語る際は区別することが重要になります。
生まれの性別(生物学的性別)について
生まれの性別は染色体によって決定されます。XXなら女性、XYなら男性となります。
これは染色体検査で確認することができますが、検査費用は高かったです(私の場合は4万円台)。
現代の医学では、この染色体を変更することは不可能です。ホルモン治療をしても染色体は変わりません。
医療機関では、この生物学的性別を正直に伝える必要があります。それは適切な医療を受けるために重要なことだからです。
なお、染色体異常・性分化疾患の方もいらっしゃいますが、当事者とリアルに話したことはないので省略させていただきます。
性自認について
性自認とは、本人が自覚している性別のことです。これは意識的・意図的に選択するものではありません。
よく「いつ男だと思ったの?」と聞かれますが、そうではなく「なんとなく男性なのかな」という感覚なのです。
また、性自認には程度の差があります。
例えば、私の場合は90%以上男性という感覚です。
生まれの性別と性自認が一致している人のことを「純男(すみお)」「純女(じゅんめ)」と呼びます。
一致していない場合、FTM(Female to Male:生物学的性別が女性で性自認が男性)やMTF(Male to Female:生物学的性別が男性で性自認が女性)となります。
また、性自認がはっきりしない場合はFTX/MTX(Xジェンダー)と呼ばれます。
性指向について
性指向は、どの性別の人に向かうかを示すものです。
ここで重要なのは、恋愛対象と性的対象が別の場合もあるということです。
性指向には、ヘテロセクシュアル(異性愛)、バイセクシュアル(両性愛)、ゲイ/レズビアン(同性愛)があります。
性指向は複雑です。
例えば、生まれが男性で性自認も男性、性指向が女性という場合は純男でヘテロとなります。一方、生まれが女性で性自認が男性(FTM)、性指向が男性という場合はFTMでゲイとなります。また、純女が好きなFTMの場合はバイセクシュアルという扱いになります。
LGBTQとは
LGBTQとは、多数派(生まれの性別と性自認が一致し異性愛である人々)以外の人々を指す総称です。
Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダー、Qはクエスチョニング(性自認や性指向が不明確な人)を表します。ただし、私自身はQの当事者の方に会ったことがなく、オンラインでも交流したことがありません。
多様なセクシュアリティを受け入れあう
セクシュアリティの話題は非常にセンシティブな個人情報です。そのため、ぶしつけな質問は避けたほうがよいです。
私自身、何百回もぶしつけな質問をされた経験があります。そのような経験から、この説明を通じて理解を深めていただきたいと考えています。
差別や排除ではなく、「違うんだね、ふーん」という理解の仕方をしていただければと思います。
特に公の場では否定的な感想は控えていただきたいです。「気持ち悪い」といった言葉は、自分の容姿を否定されるのと同じくらいの傷つき方をします。
差別や偏見をなくしていこうというのは世界的な潮流です。アメリカやヨーロッパなど、世界中にLGBTQの人々がいます。
時代は進んでいくので、もう後戻りはしないでしょう。中には受け入れられない方もいらっしゃると思います。それは理解できますが、私のような人もいるということを認識していただければと思います。
わたし自身について
私自身については、生まれの性別はXX(染色体検査で確認済み)で、性自認は限りなく男性寄り(FTM トランスジェンダー)です。書類上の性別欄については、状況に応じて「男」「女」「その他」にチェックを入れています。
私は50歳近くになり、これだけの年月を生きてきた経験から、このようなお話をさせていただいています。20代であればこのような説得力はなかったかもしれません。
この説明は、私が何者なのかを理解していただくための前提として必要なものでした。完全な理解は求めません。「そういう人もいるんだ」という認識を持っていただければ幸いです。
私自身も多くの傷つきや誤解、偏見、差別、いじめを経験してきました。しかし、それを言ったところで何も変わらないので、そういうこともあったという程度に受け止めています。確かに今でも心に残っている部分はありますが、それも過去の一部として捉えています。
この話を聞いてくださっているということは、たとえ0.1ミリでも関係があると思います。身近にそういう人がいるかもしれません。
理解が深まらない場合は、この説明を読み返していただいたり、AIに質問したりしてみてください。
最も理解が深まるのは、当事者の話を面と向かって直接聞くことです。
完全な理解は難しくても、「そうなんだ」という認識を持っていただければ、それで十分です。
まとめ
今回は、「LGBTQとは何か?」について、自分の経験を交えてお話ししました。
・性別は「生物学的性別」「性自認」「性的指向」の3つの要素で構成される
・LGBTQは、それぞれの性自認や性的指向によって分類される
・多様な性のあり方を尊重し、お互いを認め合うことが大切
「自分には関係ない」と思うかもしれませんが、LGBTQの人たちはどこにでもいます。身近にいるかもしれません。
少なくともこの記事を書いた私がいます。
だからこそ、少しでも理解を深めていただけたら嬉しいです。
お読みくださり、ありがとうございました。