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本を出しました
かなり長いことnoteをサボっていましたが、これからは定期的に更新しようと心に決めた今日この頃です。
まず、ご報告として今年の5月に初の書籍となる「伝わる映像〜感情を揺さぶる映像表現のしくみ〜」を幻冬社より出版しました。 「本を出すなんてすげ〜」と思う方もいるでしょうが今回は自費出版なので大して凄いことではないです。
ここ数年、僕は映像表現で人の感情を揺さぶるという現象を「論理的」かつ「体系的」に言葉にするということに注力してきました。 映像表現はジャンプカットやイマジナリーラインなど100年かけて培われた映像理論というものは存在すれど、実際の制作となるとセンスや感性という「なんとなくいいね」がものを言う世界です。
もちろん感性というものは大事なので、全ての表現に理屈を求めるのはナンセンスだとも思っています。
しかし「なぜこの映像表現を良いと感じるのか?」「なぜ感動するのか?」という現象に対して言葉で説明することができないのは表現者としてダメなことだとも思っています。
なぜなら言葉で説明することが出来なければ再現が難しいし、教えることも困難だからです
映像関係者の中には「やっぱりセンスだよね」「経験の積み重ねが大事なんだよ」この二つのワードを口にする人がよくいます。
はっきりいってこの言葉を安易に言う人は僕は嫌いです。
センスや経験値を言い訳にできるのは最大限に脳みそを振り絞って考えまくった人だけが言っていい言葉だから。
映像や写真のようにビジュアル表現が得意な人は「論理思考」や「言語化」が苦手な人が多いです。 だから目で見たものの再現はできても、それを論理立てて説明することはできない。
「感情やイメージを映像で表現する」というフワッとした現象を「なんとなく」で済まさず論理的に明文化することができないものか?
ビジネスにおける3Cや4Pのようにモレやダブりのないフレームワークがあれば表現を考えやすくなるのではないか?
そこで映像表現の4原則という独自のフレームワークを考えました。
「この考えをもっと世に広めることができれば、よりたくさんの人が効率よく映像表現を学べるのではないか」
という大それた発想から始まったのが今回の書籍化です。
というわけで2019年の6月に幻冬社に企画を持ち込み書籍化するまで丸一年かかりました。
実のところ、僕は本を読むのも、文章を書くのも嫌いなんです。そんな僕がライターも雇わずに一冊の本を描き上げるのは、想像を超える苦しさでした。
まず自分の中では明確になっていた映像の4原則もいざ文章にすると矛盾が生じてしまいます。この矛盾を解決するために新たな仮説を作ることになります。そしてこの仮説を立証するために様々な本を読みました。
テーマが感情を揺さぶる映像表現ですから映画論、感情論、心理学、脳科学などの本や論文をたくさん読みました。
映像の教科書という意味合いも強かったので、撮影の基本やモンタージュ理論などの基本的な映像理論も改めて学ぶ必要がありました。
そして何より大変なのは、これら膨大な情報を176ページに収めなければならなかったことです。文字ばかりにすると読みにくくなるのでイラストやコンテを入れて見やすさを意識しなければなりません。 どこを削ってどこを強調するのかはギリギリまで悩みましたね。編集さんには予定以上に修正をお願いしたので、だいぶ迷惑かけました。
なんやかんやと苦労しましたが、それなりにまとまった本になりましたので興味のある方は是非読んでもらえたら嬉しいです。
https://www.amazon.co.jp/dp/4344927605/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U5zFFbMMRAVZ7
僕は難しいことを分かりやすく書いたつもりですが、周りからは「難しい本ですね」という声をよく聞きます。
というわけで今後このnoteでは、本に書ききれなかった内容、新たに考えた理論を、より分かりやすく理解してもらえるよう書いていこうと思います。