【勝手に日報】比喩表現の選択肢

比喩表現は物を伝える際に非常に便利な道具であるが、かえってそれが分かりにくくしている場合があるのではないかと思い始めている。比喩表現は、相手との共通理解があって初めて成り立つ。例えば、ドラゴンボールを呼んだことがない人にとってドラゴンボールの例えは苦痛でしかない。

私は教えるのが上手いと良く褒められているが、それは比喩表現の選択が上手いからなのだと思う。私は多様なジャンルに興味を持つ性格が功を奏してか、共通理解のあるテーマを選択することが出来るのだ。

例えば、CCNAの勉強をディズニー好きの同期に教えている時には、ネットワークをディズニーランドに見立てて説明した。我ながら傑作だったと思う。全体像が掴めた彼女はそこから加速度的に勉強が進み、あっという間に資格を取得した。

その一方で、比喩表現を使うと混乱してしまうタイプの人がいることも最近知った。私は現職で
新人の方にネットワークのあれこれを教えているが、口頭で説明してもイマイチ手応えを感じられないことがあった。そこで紙に図を書いて説明をすることで、何となく腑に落ちた様子が伺えた。彼らは想像することが苦手なのだ。このタイプの人には比喩表現は逆効果である。むしろ、具体的な説明をしてあげた方が効果的だ。

比喩表現を武器にして物を教えることが私のスタイルであったが、相手によっては、比喩表現を使わずにシンプルな説明が必要なこともあると思うようになった。

そもそも、比喩表現は全体像を理解するのに適しているが、ディテールを求められる説明には向いていない。比喩表現の使いどころを見極めることが大切だと痛感した。

つまり何が言いたいかと言うと、強化系の相手に具現化系の能力を教えるのはナンセンスだし、そもそも念が使えない相手に念で見せても何も理解できないという話だ。

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