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画像生成AIと音声生成AIで、企業のプロダクトムービーを、早く、安く作る

こんにちは、tetsuya_AIクリエイターです。

最近、生成AIアドバイザーと名乗って、中小企業さんの生成AI活用をサポートするお仕事始めてます。


社内で使うChatGPTのプロンプトや
生成AIツール選びのアドバイスしたり、
RAG開発の要件定義のサポートなど、
外部のAI推進室みたいな感じです。

商工会議所のセミナーで
生成AIの使い方を紹介する機会を頂けたりもしますが、
生成AI活用のメリットや使い方がまだまだ知られてないので、
柔軟に動ける、生成AIに詳しい人は重宝がられるのだと感じてます。

そんな中、とある会社さんから、「急ぎでプロダクトムービー作って欲しい」と相談受け、生成AI駆使して納品した事例を紹介させて頂きます。

今の生成AIだと、全てを任せられる仕事は少ないですが、
一部に使うだけでも、かなりメリットあります。

生成AIの使い方分からない方がまだまだ多い中で、
画像生成AI、音声AIの活用事例として参考になれば嬉しいです。

◆生成AIを活用するメリット
画像をwebから探す手間が省けるので、制作時短になりますし、
文脈にあった画像をカスタマイズして作れるので、ムービー全体の印象が上がります。また、ポジ購入の必要ないので、コスト削減になります。

更に、ナレーションもAIで作ることで、大幅に時短になりますし、クライアントの変更指示にも柔軟に対応できます。若干(ほんの少し)のイントネーション違和感に目を瞑れるなら、ナレーション制作はゼロ円で可能になり、これもコスト削減に繋がります。

動画編集では、動画にフィットした写真やイラストの調達や、ナレーションの作成は、地味だけど、手間のかかる業務です。
画像も音声も、生成AIが実用可能レベルに上がったのでかのうになりましたが、企業の動画作成業務に組み込むことで、短期間・低コスト作成というメリットが出てきます。

1.作成した動画の概要


・概要:
 中小企業のITサービスのプロダクトムービー制作

・特徴:
 約2分の動画
 納期は2週間 
 期待感持てる良い感じに仕上げて欲しい
 相場より「廉価」で編集。
 依頼主は多忙なので、指示書はざっくり。
 素材はこちらで調達

・短納期と低コストに対応する方針:
①エフェクトやアニメーションはテンプレートを利用する
 事前に見てもらったテンプレートがイメージに合致していたのでフル活用
②手間のかかる画像素材調達は、生成AIを使う(今回はMidjourney)
③ナレーションもAIを活用して、ナレーターさんとの調整業務を省略

※作成した動画をここで公開することはできません、ご了承ください💦

2.プロダクトムービーの写真やイラスト素材を生成AIで作る


ITサービスのプロダクトムービーに盛り込む写真やイラストはこんな種類が一般的だと思います。
①当該サービスの画面キャプチャ
②利用シーンのイメージカット

①画面キャプチャはITサービスから撮るしかないですが、
②の利用シーンのイメージカットは結構手間のかかる仕事です。

動画全体の印象付けに繋がる大切な要素の一つです。
急ぎ案件で、素材支給が無い場合、webの写真素材サイトや社内のストックを探すことになります。

ここで、画像生成AIを使えると、とても便利です。

素材サイトで検索する際のキーワードをPromptするだけで、近い素材を作成してくれますので、圧倒的に時間短縮することが出来ます。

使いたいものと微妙に違う場合は、Promptの修正や、Inpaint機能(指定した範囲だけ修正)することで、イメージに近い画像を出すことができます。

また、無料素材限定の縛りがある場合に諦めるようなこともありません。
クライアントからの修正要望にも、柔軟に対応でき、動画全体のイメージアップに繋がります。

もちろん、有料ツールはサブスク費用がかかったり、ある程度のPrompt知識は必要になりますが、
動画編集など仕事で画像素材探しが必要な方にとっては、画像生成AIを使えることは、今後ご自身の付加価値になっていくと思っています。


3.画像生成AIの使い方

今回の私のケースに沿って、使い方をご紹介していきますね。

・利用ツール:Midjourney
・生成したイメージカット:「中小企業の若い経営者」と「ミーティングしている若いビジネスマン」




制作するITサービスの利用者のペルソナに沿って、webの素材サイトを使うなら検索でインプットするだろうキーワードを書き出します。

・日本人の中小企業の社長、ビジネスカジュアル
・クルマに乗っている
・笑顔
・写真

画像生成AIのPromptはキーワードの羅列でもOKです。
今回使うMidjourneyは英語限定なので、英訳サイトで翻訳します。

作ったプロンプトはこちらです↓↓

photo, a Japanese man in casual business attire, small company president, driving a car , smile, --v 6.1

※最後の"--v 6.1"はMidjourneyバージョン指定するパラメータです。無しでも、それなりの絵を出してくれますが、最新のv6.1にするとよりキレイな絵を出してくれます。

Promptして、20秒程度で生成された絵がこちらです。

photo, a Japanese man in casual business attire, small company president, driving a car , smile, --v 6.1

結構良い感じですが、もう少し明るくしたいので、明るい写真(bright photo)を追加して、再生成してみます。


bright photo, a Japanese man in casual business attire, small company president, driving a car , smile, --v 6.1

良い感じになりましたね。このキャラの爽やかなイメージが、動画の印象にも繋がります。

次は、編集ソフトでレタッチです。
動画の中では、円形にトリミングして、アイコンっぽく使いましたが、その作業はPhotoshopを使いました。

キャラは上記と違いますが、こんな感じに作ってます。
※明るさやコントラストも補正済み


どこかにいらっしゃりそうですが、具体的な誰かではありません。
生成AIが作った、「中小企業の社長さん」の一般的なイメージです。


また、パン屋さんのシェフの社長さんにしたい場合は、Promptを微調整すると、簡単に作ることが出来ます。
bright photo, a Japanese man in chef uniform , small company president, in a bakery shop , smile, --v 6.1

女性の社長も簡単です。
bright photo, a Japanese woman  in casual business attire, small company president, in a room of office  , smile, --v 6.1


②Midjourneyで「ミーティングしているビジネスマン」を生成してみる

まずは、動画の中で使いたい要素を書き出してみます。
・日本人の中小企業の社長、ビジネスカジュアル
・日本人の女性、ビジネスカジュアル
・会議室、明るい部屋
・PC
・真剣にビジネスプランを議論している

英単語に翻訳して、プロンプトを作ります。
先ほどのPromptをベースにして、微修正すると早いです。

bright photo, Japanese executive business men in casual business attire, Japanese woman in casual business attire, have a meeting on a desk, in an office room, note type PC, talking business plan severely --v 6.1 --ar 16:9
※"--ar 16:9"は、画角を指定するパラメータ

そして、Midjourneyに入力して、生成された絵がこちらです。

良い感じで使えそうですね。

ちなみに、一部修正する場合は、Inpaint機能を使います。
範囲を指定すれば、その範囲だけ作り直してくれます。


右下は使えそうです。この絵だと本棚に目が行きますが、動画では範囲限定して使えば良さそうです。

動画に組み込む前に、PhotoshopやCanvaでトーンを合わせたり、レタッチは必要ですが、素材サイトを使わずとも、思い通りの絵を出すことができます。


生成AIは世界中のデータを学習し、Promptに沿った、一般的なイメージを作成してくれます。画像生成AIは、「ミーティングしているビジネスマン」のような一般的なイメージ画像を作ることが、一番得意なので、イメージカット作りには、画像生成AIはとても便利です。
※逆に、「〇〇店のラーメン」や「広島・宮島の大鳥居」など、一点物の個別画像は苦手です。


4.ナレーションをAIで作る

動画のナレーション取り、結構手間のかかる仕事ですよね。

人に頼むなら、ナレーター探し、条件の交渉、そして台本の作成、仕上がりのチェック、必要に応じて修正・・・
動画制作中に、やっぱりナレーションを変えたい、、と要望されると大変です。ナレ撮りを一発で終わらせるためには、絵コンテ、台本をしっかり作り上げてから、発注する必要があります。
ナレーションが大変で動画作りを諦めるという話は、よくある話です。

短納期で動画を作るなら、ナレーションにAIを活用することが、解決策の一つです。
最近の音声AIの進化は目覚ましく、日本語も自然なイントネーションで作成してくれます。

今回、検討したのは、こちらの二つです。

①音読さん
・まれに日本語のイントネーションに違和感ありますが、入力を工夫すると、とても自然になります。
・無料で利用可能!!(無料の場合は、クレジット表記が必須)
・話者のパターンも、ビジネス用、カジュアル等々、一通り揃っています。

②声の職人
・音読さんよりも、より自然なイントネーションで、ほとんど違和感ありません。
・話者の種類も更に豊富
・有料ですが、単月利用5万円から利用できます。人のナレーターさんに依頼する際と比較すると、費用同等と思われますが、何度も修正できる点がとても便利です。


クライアントさんにサンプルを聞いて頂いて、①音読さんに決まりました。微妙な違和感は気にしない、むしろ、低コスト&短納期で作成できて、AIナレーション使っていることをアピール出来ると前向きに捉えて頂きました。


このAI音声も、とても進化しており、十分に実用レベルに達していると感じました。
文章をインプットして、生成ボタンを押すと、10秒程度で再生が始まります。すぐに修正も可能で、MP3やWAVファイルでDL可能です。


たまに、イントネーションや間の取り方に違和感ありますが、ちょっとした工夫で、簡単に修正可能です。

①イントネーションの修正
・漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベットを使い分ける
・例えば、「クライアント」はイントネーションが「ライ」に来ます(恐らく英語読みに近い)。「くらいあんと」と平仮名に変えると平坦なイントネーションになります。

②間の取り方
・言葉と言葉の間を取って欲しい場合は、「、」「。」やスペースを入れるとことで、読みを区切ることができます。

自然な読み方にするコツは、インプットは正しい日本語に拘らないことです。

動画理解の補助としてナレーションをつけて、違和感なく聞いてもらいたいだけなら、AI音声も十分に使えるレベルに達していると思います。


5.【まとめ」企業のプロダクト動画作成に、画像生成AIや音声AIを活用するメリットあ

①画像生成AIを使うメリット
・素材サイトで検索するキーワードで画像を生成でき、素材調達時間を短縮できる
・一般的なイメージカットなら、リアル写真と遜色ない品質レベル
・動画の訴求メッセージに合わせた画像で、動画全体の印象アップ
・クライアントの修正依頼にも迅速に対応できる
・素材サイトで調達する場合と比較すると、求める画像を探す時間の短縮と、ポジ購入の費用を削減出来ています。今回10枚作りましたが、2-3時間は短縮できていると思います。

②音声AIを使うメリット
・ナレーターさんに頼む場合に比べると、準備と調整時間をゼロにすることが出来る。
・クライアントの修正依頼にも迅速に対応できる
・ナレーターさんに依頼する場合と比較すると、費用(5万円~??)と調整時間(5-6時間?)を効率化できましたし、クライアントの修正依頼にも迅速に対応でき、全体としての満足度向上に繋がりました。

生成AIを活用することのクライアントさんのご理解は必須ですが、
上手く使えばメリットが大きいので、機会あれば検討してみては如何でしょうか。








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