土壌汚染のブログ はじめました
土壌汚染対策法
平成15年2月、環境保護に関する「土壌汚染対策法」という法律が施行されました。これは化学薬品による土壌の汚染を未然に防ぐ、または汚染された土壌を浄化し、国民の健康を保護することを目的とした法律です。
化学薬品、土の汚れ、土壌汚染・・・普通に日常生活を送る上でこの法律を意識することはありませんが、広大な土地を所有する地主さんや不動産業者、建設会社、解体業者であれば、大いに関わる可能性がある法律です。
日本経済の急速な発展の裏
第二次大戦後、日本は急激な経済発展を遂げました。そこには様々な外的要因や時流の流れも相まって、また日本人の勤勉さや真面目さが功を奏し、世界屈指の経済大国へと成長したのです。もちろん日本人ならば誰もがご存知ですよね。
今、私たちが何不自由なくある程度贅沢な暮らしができているのは、そういった先人たちの血の滲むような努力の賜物といってもいいでしょう。
ただ、どんなものにも表と裏があり、良い面と悪い面があり、まさに表裏一体です。
自然環境の破壊
戦後の急速な経済発展は日本人に豊かな暮らしをもたらしましたが、その裏では様々な環境汚染が進行し、日本の美しい自然環境は汚染されてしまいました。
河川の汚濁は水俣病を引き起こし、大気の汚染はイタイイタイ病を引き起こし、そして数々の極めて毒性の高い化学物質が世に広まり、私たちの日常生活を脅かすまでに至ったのです。
河川水や大気は人間の五感ではっきりとわかるもの。河川で魚がプカプカ浮いていたり、水面に油が浮けばすぐに河川水の異常が判明します。工場の煙突から異常な色の煙が確認されればすぐに大気の異常が判明します。
誰もが五感でわかる汚染であれば行政の動きもすばやい!問題発生後すぐに行政による責任追及や汚染を排出した企業への指導が行われ、やがて水質汚濁防止法や大気汚染防止法のような法律が施行。今から40年以上前の話です。
ところが土壌汚染対策法は歴史が浅い。
深刻な土壌汚染問題
数々の化学薬品を用いる工場は、あまりに多くの薬品を土壌中に放出しました。古来よりゴミは土に埋めるもの、そうすれば土壌が全てを浄化してくれると信じられてきましたし、実際に微生物により分解、浄化されるゴミもあります。
化学薬品は土で分解、浄化されることなどない。土壌中に放出された化学薬品は土壌中の微生物をも死滅させ、そのまま地下水中へと侵入。毛細血管のごとく日本の国土に張り巡らされた地下水脈は化学薬品により汚染され、日本の美しい水資源は見るも無惨に破壊されつつあるのです。
河川や大気と同等、場合によってはそれ以上に深刻な土壌汚染を防ぐ法整備が遅れた理由は、私見ではありますが、汚染機構の解明の難しさにあります。
地面の下は目に見えるものではなく、地層、地下水、空気、微生物などが複雑に入り混じり、そこに侵入した化学物質の動向をさらに複雑怪奇なものにしてしまいます。
一度侵入してしまった化学物質がどこから地面へと侵入したのか、どのように侵入したのか、これからどう浸透し、どこまで拡散されていくのか。
地質学を収めた学者先生でもそれを解明することは極めて困難です。とはいえ、土壌汚染の深刻さは周知の通り、何が何でも食い止めなくてはなりません。
そこで土壌汚染を未然に防ぐ、汚染が疑われる土地を調査する、そして汚染土壌を浄化するために一定のルールが設定されたのです。それが「土壌汚染対策法」です。
美しい国土を取り戻すために
先ほども言ったように、この法律は日常生活を送る上で関わることはなく、主に地主や不動産業者、建設会社、解体業者などが関わる法律です。しかし、土壌汚染による健康被害はやがて日常生活を脅かす可能性もある。
土を労わり日本の美しい国土を取り戻す、そのための第一歩として、私は土壌汚染についてのブログ記事を書くことに決めました。約10年に渡り土壌汚染業務に携わってきた私の技術と知識と経験を余すことなくここに吐き出し、土壌環境保全に努めたいと思います。
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