新型コロナウィルス感染症 軽症状者・無症状者の「宿泊療養施設」の退所基準や職務復帰に関する資料一覧
2020年12月15日7時更新
<掲載する背景>
2020年12月。私はコロナ罹患から業務復帰しました。
それに伴い、職務復帰で勤務先会社や取引先・関連に対する説明などが必要となり、色々と調べている内に、「コロナにかからないための予防」「陽性者数の推移」などは多く報道されているものの、「罹患後の既陽性者(以下既陽性者)の社会復帰」に関してはほぼ何も周知されていないということがわかりました。もちろん、現在の陽性者数の累計は日本の全人口の0.1%に過ぎないため、仕方のない事かもしれません。ただ、現在の新型コロナウィルス肺炎の感染力からすると、無症状を含めると正直いつでも・どこでも・だれでも感染する可能性はあり、この罹患後のことがよくわからないために、世間一般は「退所したと聞いたが大丈夫なのか?」「ウィルス保菌者なのではないのか?」「退所させることでクラスターの要因になるのではないのか?」「気持ちが悪い」という感情を持ってしまい、既陽性者に対して心無い言葉を意識的・無意識的に投げかけるにいたっています(実際ありました)。また、既陽性者においても「私は仕事に復帰して良いのか?」「なぜ退所させられたのか?」などもわからず、いつまでも陽性になったことを自ら咎め、苛み、心を病むケースも見受けられます。
本NOTEにおいては、
・既陽性者インターネットや他で得られるエビデンス
・国各自治体から出されている通達
・各資料
などをまとめ、既陽性者が勤め先や学校他に提出する根拠資料の一つとしてもらい、私達既陽性者が「なぜ退所したあと大手を振って歩けるのか」を理解していただくための資料集とできればと思っています。
<私のこと>
東京都内在住・勤務の47歳のサラリーマン・男性です。芸能関連の仕事をしており、通常なら現場も多いのですが現在は管理職をしているので現場に出ることも少なくなりました。
1)私自身の状況推移
2020年11月13日(金)‥通常の起床時間の5時50分ごろ、何となく予感があり、検温。37.5℃。数分後再度検温すると36.5℃。ただ、何となくのだるさが感じられるため、外部での業務をキャンセルし、全て自宅にて業務を行うことに。
11月14日(土)・15日(日)は終日自宅にて静養しつつ、検温しても発熱はありませんでした。ただ、非常に疲れやすくなり、普段ない腰痛が発生し、かつ近くのものが見えづらくなる老眼を更にひどくした形でピントが合わなくなるという視力低下が起こりました。また、これ以降夜中に何度も腰痛と悪夢で起きるということが続きます。
11月16日(月)は、平熱のため、午前中は出社して会議室にてオンライン会議を行いますが、だるさではなく腰痛がひどく昼すぎ13時ぐらいには帰宅。ずっと自宅作業を行いました。
11月17日(火)は、平熱でありましたが、自宅にて作業しました。
11月18日(水)は、平熱のため、一旦出社しオンライン打ち合わせを行いましたが、どうにも腰痛がひどく、また週末に80を超えた父親のところに行く必要があったため、父親からの助言もあり念の為PCR検査を受けました。
なお、これまで7月抗体検査、8月・9月・10月でPCR検査を業務上行ってきており、ずっと陰性でした。また11月下旬にも検査予定でしたがそれを早めてもらった形です。
昼過ぎの13時ぐらいに検査(鼻綿棒パターン)。16時半ぐらいにその医療機関より連絡がありまして、「陽性反応が出ましたので、保健所に報告します」との連絡がありました。そして、20時半頃に江東区保健所の方から連絡があり、問診の上、軽症状のコロナウィルス感染が確認され、17日を発症日ということで認定、20日(金)より宿泊療養施設入所となりました。
なお、この13日~18日は同居している妻とは寝室が一緒でしたし、自宅内には18歳の息子がおりました(幸い?にも思春期ですので別部屋で締め切りが多かったです)。19日・20日は自宅内隔離でした。
11月20日(金)15時30分に自宅マンション前に東京都の車両が来て、宿泊療養施設に移送されました。その後は、他の宿泊療養者の方々とほぼ同じの日々を過ごし、11月27日(金)10時25分に退所となりました。
2)私の症状
・腰痛
これが一番ひどかったのですが、厳密には腰ではなくその上の広背筋の肋骨下部がとてもコリや痛みがありました。
これにより仰向けに寝られない、寝ても目が覚めてしまうということがありました。そしてこれは最後まで頭を悩ませました。
・視力低下
関係がわからなかったのですが、11月13日以降に近いものの見え方が極端に悪くなりました。年齢的にも老眼は気にしていましたが、より顕著にピントが合わない感じで、全体が暗くなってしまい、スマホの表示が読み取れないくらいです。これは隔離中から段々と回復をしましたが、まだ現段階では以前のようには戻っていません。
・嗅覚異常
一部の匂いがわからなくなりました。隔離初日ぐらいから、「臭いもの」が全くわからなくなり、隔離中は自身のトイレの匂いはまったくわかりませんでした。現段階でも全く治っていません。また、柑橘系に対する嗅覚も非常に弱くなっている印象があります。他にもあるかもしれませんが、全体的なものではなく一部の嗅覚異常となっています。
・咳
軽い咳があります。隔離中に人と話すことがオンライン打ち合わせ以外にないからかもしれないとは思いましたが、やはり軽く咳が続きました。これも1ヶ月経ついまでも治りません。
・だるさ
今まで経験したことのない怠惰感がありました。これまでも鬱の経験もありますし、だるさを感じることもありましたが、なにか違う別物の感じが11月13日ぐらいからありました。
・悪夢、不安感
だるさからくるものとは思いますが、13日ぐらいから悪夢が多くなり、また不安感が非常に強くなりました。退所まで寝ていて目が覚めない日はなく、ひどい時は1時間に1回は必ず起きるという形でした。悪夢もほぼ覚えていませんが、ひどくぼやけている内容で、悪い夢というより夢見が悪いという感じでの雰囲気的なものでした。
3)隔離中~退所後
そして、25日(水)に宿泊療養施設内の看護師さんから問診、26日(木)さらなる問診と施設内事務局からの連絡があり、27日(金)午前中に無事退所をすることができました。
ただ、下記にも記します厚生労働省からの通達を見つけていたため、少なくとも29日(日)午前まで自主隔離ということで都内ホテルにて宿泊を行いまして、29日午後に自宅に帰宅しました。
4)退所後に苦労したこと
~対社会的なこと
・業務復帰
<勤め先の会社> 出社に関しては厚生労働省や自治体に準じる対応。
ただ、実際の出社では、弊社がフリーアドレスのた
め、会議室や個室に行くことが増える。
<プロジェクト先>自主的に現場には行かない。他の既陽性者には現場
への合流は拒否し、理由は「なんとなく」というも
の。ここは根拠がない。
・個人的なこと
A.人と会うのに抵抗がある‥申し訳ないという気分と、相手が嫌がるの
ではという想いから抵抗感が生まれる。
B.仕事を進めがだるくなる‥元々なのかもしれないが、やる気が起きづ
らい。不安感だけでなく存在意義の喪失が
顕著になる。
C.動きたくなくなる‥日課の筋トレ・ストレッチが全くやらなくなり、
面倒に思ってしまう。
<自治体などの退所根拠などのまとめ>
1)WHOから出した基準(2020年6月17日)
https://www.who.int/news-room/commentaries/detail/criteria-for-releasing-covid-19-patients-from-isolation
・発症後10日での退所可能であること
・直後の検査ではPCR検査陽性になる可能性があること
(” New recommendation (published on 27 May 2020 as part of more comprehensive clinical care guidance1)”において)
2)European Centre for Disease Prevention and contorlが出したレポート(2020年10月16日)
https://www.ecdc.europa.eu/sites/default/files/documents/Guidance-for-discharge-and-ending-of-isolation-of-people-with-COVID-19.pdf
・軽症者に関しての10日での感染力低下のエビデンス
(”Scientific evidence on SARS-CoV-2 shedding”において)
・箇条書きによる軽症者・無症状者に対する退所・退院基準
(”Table 1. Guidance on discharge and ending isolation of people with COVID-19” page8)
3)厚生労働省(2020年6月25日)
「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について(一部改正)」
https://www.mhlw.go.jp/content/000644314.pdf
・無症状者に関しては発症日から10日間、有症状がある軽症状者に関しては10日間+軽快後72時間
4)厚生労働省(2020年7月17日)
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者及び無症状病原体保有者の退院の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)について」
https://www.mhlw.go.jp/content/000650157.pdf
5)感染力の他資料
A.公立陶生病院 感染症内科 武藤 義和先生
https://www.tosei.or.jp/app/wp-content/uploads/2020/10/05fab16810f1f45942b22277e288a724.pdf
・61ページ目に発症から10日で感染力がなくなると記載あり
B.三重県 資料3 退院基準、宿泊療養について(2020年6月25日)
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000906142.pdf
・7、8ページ目参照
C.東京都福祉保健局「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養について」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/syukuhaku.html
D.神奈川県「新型コロナウイルス感染症陽性患者に係る新たな宿泊療養施設の設置について」(各宿泊施設説明文章の文末に記載あり)
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/covid19/facilities/20200730_announce.html
E.大阪市「入院療養・宿泊療養・⾃宅療養が解除となった皆さまへ」
https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/cmsfiles/contents/0000490/490878/06_.pdf
※退所資料が検索しても上がってこない。
F.札幌市
https://www.city.sapporo.jp/2019n-cov/documents/shukuhakumochimono.pdf
※退所資料などは上がってこない
6)自治体その他の心のケア周り
A.神奈川県「新型コロナウイルス感染症に対応したこころのケア」
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/nf5/covid-19-top.html