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叡電(叡山電鉄)&嵐電(京福電鉄)の旅

    2024年、年の瀬12月の最終日曜日、京都の北部を走る叡電(叡山電鉄)、そして西方に線路を伸ばす嵐電(京福電鉄)の2つの鉄道に乗車してきました。
 叡山電鉄、通称“叡山電車”  略称“叡電”は、出町柳を起点として八瀬比叡山口に至る叡山本線と宝ヶ池から鞍馬に至る鞍馬線の2路線を運営しています。一方、京福電鉄は、かつては京都市内と福井県内で鉄道事業を行っていましたが、現在は、四条大宮を起点とする嵐山本線と途中の帷子ノ辻から分岐する北野線の2路線、通称“嵐電”と、比叡山に登るケーブルカーそしてロープウェイを運営しています。
 今回は、この2つの鉄道に乗車するために以下の経路で乗ったり降りたり歩いたり…、結構慌ただしい一日となりました😅

・京都~東福寺 【JR奈良線】
・東福寺~出町柳 【京阪本線・鴨東線】
・出町柳~鞍馬 【叡電叡山本線・鞍馬線】
・山門~多宝塔 【鞍馬山鋼索鉄道】
・鞍馬~出町柳 【叡電鞍馬線・叡山本線】
・出町柳~祇園四条 【京阪鴨東線・本線】
・祇園四条~京都河原町 〈徒歩〉
・京都河原町~大宮 【阪急京都線】
・四条大宮~嵐山 【嵐電嵐山本線】
・嵐山~帷子ノ辻 【嵐電嵐山本線】
・帷子ノ辻~北野白梅町 【嵐電北野線】
・北野白梅町~円町 〈徒歩〉
・円町~京都 【JR嵯峨野線】


京都から出町柳へ

 ということで、出発は京都駅から。

 10:15発のJR奈良線の電車に乗車します。車内は立ち客でいっぱいですが乗るのは一駅。次の東福寺で下車し、ホーム端の京阪連絡用改札を通って京阪電車のホームに入ります。この駅、とても便利。なので、お客さんもいっぱいで、外国人を含め多くの人が列車の到着を待っています。

 10:26、やってきた電車で東福寺発。10:33三条着。ここで特急に乗り換えて、10:39出町柳に到着です。地下にある京阪出町柳駅から地上に上がると、目の前が叡電の出町柳駅となります。ここで冒頭から少しの感慨…。

前回はあえなく撤退

 というのも、実は今回の旅は、当初11月の下旬を予定していて、ここ出町柳までは1か月と少し前に来ているのです。当時は紅葉真っ盛りの季節! 叡電沿線の紅葉の美しさに期待を膨らませながらここまで来たのですが、駅まで来てびっくり。まさかこれほどまではと思う以上の人波が叡電出町柳駅にあふれていて、改札前に長蛇の列ができているのです。ハンドマイクを持った駅員さんが人員の整理をしていて、電車に乗るのに「ただいま〇本待ちです」などと繰り返しているのを見て、あえなく退散。“京都の観光おそるべし” の思いを新たにしたのでした。

 というわけで、今日はリベンジの回。暮れも押し迫った出町柳駅は空いていて、何のストレスもなく改札を通過、ホームに待っていた2両編成の電車に乗り込みます。車内もガラガラですが、あえて席にはつかず進行方向がよく見える最前の場所に立ってスタンバイ。少し待つうちに座席も埋まってきて、10:45、鞍馬行き電車は出町柳を出発しました。

叡電 順調に北上

 電車は京都洛北の市街地を北上していきます。自動音声の車内アナウンスからは、駅名とともに詩仙堂や曼殊院、修学院離宮といった最寄りの観光地が紹介されていきます。ずいぶん昔に訪れたことのある懐かしい響き…。
 途中宝ヶ池までは叡山本線、そこから鞍馬線に入り鞍馬に至ります。

 車窓は徐々に郊外の景色となり、住宅の間に畑や学生向け(と思われる)アパートなどが目立つようになります。駅名に大学名を冠しているものもいくつか…。

 駅間は短く、電車はこまめに停車。ワンマンカーなので運転士さんが一人でドアの開け閉めや乗降客の確認、安全確認等々を手際よく進めていきます。当方、運転士さんの真後ろに立っているので、その様子をつぶさに見ることができて感心しきり。そういえば電車の運転操作をこのように間近でゆっくりと見るのは初めてで、興味津々!

紅葉のトンネル(今は落葉)

 二軒茶屋から線路は単線となります。そして、次の市原~二ノ瀬間にあるのが、叡電屈指の風光スポット “紅葉のトンネル” です。今は木々はすべて葉っぱを落としていますが、紅葉の鮮やかな色彩を頭にイメージしながらポイントを通過。

1か月前には夜間ライトアップもされていたとのことで、観光客が殺到するのも納得…。

 その後電車は勾配を登り、貴船口に停車。ここで多くの乗客が下車していきます。続いて11:16、電車は終点・鞍馬に到着。約30分間の叡電の旅、しっかり満喫しました。

鞍馬山ケーブル 


 鞍馬駅前には名物の天狗の像。写真を1枚とって鞍馬寺方面に向かいますが、正月前のこの時期、辺りは閑散としていて人影もまばらです。

    石段を登って仁王門へ。そこから少し行ったところに、 “日本で唯一お寺が経営する鉄道” そして “日本一短い鉄道路線” と言われる鞍馬山ケーブル(正式名称は鞍馬山鋼索鉄道)の乗り場(山門駅)があります。200円の切符(とは言わず御寄進票)を買ってパイプ椅子の並ぶ待合に進みますが、こちらも人は少なくのんびりと出発待ち。

 そして、やってきたケーブルカー「牛若号」に乗車します。「牛若号」は急斜面を登って、ものの2分ほどで多宝塔駅に到着。貴重な体験ができて満足でした。

  多宝塔駅からは山道(と言っても整備されている)をしばし歩いて本殿金堂まで。天気も良くて景色もよくて、人出も多くなくて、今日を旅行日としたことを心の中で喜ぶ!

外向きのシートは?

 鞍馬寺本殿でお参りした後は来た道を引き返し、鞍馬駅12:34発の電車に乗り込みます。2両編成の電車の前の車両に家族連れが3名、後ろの車両には当方が1名、乗客計4名を乗せて電車は定刻に出発です。1両貸し切りか…と思ったのですが、次の貴船口から各車両10名程ずつが乗車して車内はそれなりに賑やかに。

 ところで、各車両の中央付近には外向きに座るスペースが数席あって、物珍しさも手伝ってか、乗り込んできた乗客の人たちは競ってこの席に着席されるようです(行きの車内も同様だった)。当方、乗った際、車内は貸し切り状態だったので一瞬迷ったのですが、あえてこの席はやめました。なぜなら逆サイドが全く見えないから…。実際、電車が進むうち、何度も後ろを振り返っている男性の姿もあったり…。

 やがて左手に比叡山の山並みが見えてきて、宝ヶ池に到着。宝ヶ池からは叡山本線が八瀬比叡山口へ伸びているのですが、今回はこの区間は乗車しません。電車はそのまま走って、定刻13:05、出町柳に到着しました。
 叡電往復の旅、これにて無事終了。

京都の繁華街

 出町柳からは京阪電車13:14発、特急淀屋橋行きに乗車し、13:19祇園四条で下車。ここで阪急電車に乗り換えるため地上に上がります。
 上がってびっくり。京都の繁華街はすごい人出で、四条大橋を渡るにも人とぶつからないように注意が必要…。改めて “京都の観光おそるべし”。 のんびり鞍馬から来た体には少し油断があったのですが、気を引き締めて阪急京都河原町駅に向かいます。

 阪急京都河原町からは13:35発、準急大阪梅田行きに乗車し、13:38大宮で下車。ここでまた地下から地上に上がり、交差点向かいの嵐電四条大宮駅に向かいます。この辺りの人出はそれほど極端ではなく一安心…。

嵐電に乗車

 いよいよ嵐電に乗車です。
 大きなビルの1階部分が嵐電の四条大宮駅となっていて、中央に引き込まれた線路には嵐山本線嵐山行きの電車が出発を待っています。しばらくすると、向こうからもう1両がやって来て構内で連結。2両編成となって13:53、電車は出発しました。運賃は全区間250円均一ということで、ICカードは下車時にのみタッチするようになっています。

 車内はロングシート仕様で、それほど混んでいるわけではないのですが、当方、着席はせず、今回は最後尾に立って過ぎゆく線路を眺めることとします。

難読駅名&路面走行

 四条大宮の次の駅は「西院」。これ、難読駅名で「さい」と読みます。近くに阪急電車の「西院」駅があって、こちらは「さいいん」です。云われはわかりませんが、面白い!

 次の西大路三条を過ぎたところで、電車は路面を走ります。かつての京都市電(当方あまり記憶はありませんが)のようで、とても趣のある区間です。しばし自動車と並走。

 その後も電車は路面を走ったり専用軌道になったりを繰り返しながら、京都の町を西へ西へと進んでいきます。

 帷子ノ辻(かたびらのつじ)も難読駅名ですが、ここからは嵐電北野線が分岐しており、こちらは帰途に乗車予定。

 

 こうして当方、電車の後方から過ぎゆく街並みを眺めているうちに14:17、あっという間に終点・嵐山に到着しました。

嵐山 即座に撤退

 ここで “京都の観光おそるべし” 本日のパート2。予想していたとはいえ、駅周辺の人ごみは尋常ではない! 日本人に混じって外国人が、いや外国人に混じって日本人がと言った方が適当かも…、とにかくものすごい人の数でまともに歩けない。皆さん思い思いにものを食べたり座ったりしている様子…。当方の居場所はここにはない、と即座に判断して引き返すことにしました。

 人ごみの中をホームで並び、14:33嵐山発の電車で嵐山から退散です。

 肩をすぼめてロングシートの端に座って、14:40帷子ノ辻で下車。ここで隣のホームに待つ嵐電北野線北野白梅町行きの電車に乗り換えます。当方と同じように乗り換える人が少なからずあって、1両編成の電車はほぼ満員に。当方、今回は再び最前の場所に立ち、進行方向を眺めることとします。

嵐電北野線

 14:46帷子ノ辻発。線路は単線で、途中の駅で対向列車とすれ違いながら電車は進んでいきます。駅間がとても短く、1分と経たないうちに次の駅が来る感じ。後で時刻表を調べると、そのとおり、1分刻みの数字が並んでいました…。

 今回も運転士さんの間近で運転操作その他を見学させてもらいましたが、やはりきびきびしていてカッコ良い! チンチンと鐘を鳴らしながら市街地の中を駆け抜けていく感じです。

 仁和寺、妙心寺、龍安寺と、京都のビッグネームを冠した駅に停まりながら、電車は14:58、終点・北野白梅町に到着。10分余りの嵐電北野線の旅でした。

最後まで“京都の観光おそるべし”

 本日の目的を達して帰途に。
 北野白梅町駅からJR円町駅まで、1km余りをぶらぶらと徒歩。旅の余韻を味わうのにちょうど良い具合いだったのですが、15:24円町に到着したJR嵯峨野線の京都行き電車は、最近これほどの満員電車には乗った記憶がないほどの恐ろしい混みようで、これ本日の “京都の観光おそるべし” パート3間違いなし!


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