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宇奈月温泉おじさん4人の旅

 おじさん4人による “鉄道と温泉と酒の会” 、今回の旅の目的地は宇奈月温泉です。


初めての敦賀駅新幹線乗り場

 12月半ばの日曜日、おじさんたちはサンダーバードに乗って敦賀駅に参集。京都・大阪までの延伸問題をめぐって何かと世間を騒がせている北陸新幹線に乗って黒部を目指します。当方、敦賀駅には何度も訪れていますが、新幹線乗り場に立ち入るのは今回が初めて。加えて、富山県内を観光するのも初めてということで、何かと期待が高まります。

大きくてきれいな敦賀駅新幹線乗り場

 ということで、サンダーバードは敦賀駅に到着。着いたのは新幹線高架下に新設された特急専用ホームで、エスカレーターを登るだけで簡単に新幹線乗り場に行くことができます。開業して9か月となる敦賀駅の新幹線乗り場は外から見ていた通り規模が大きく、とてもきれいです。辺りをきょろきょろしながら4人のおじさんたちは人の流れに乗って13番乗り場へ。目指す新幹線は「はくたか560号」東京行き。4名、無事に席についたところで、9:58定刻に電車は敦賀駅を出発しました。

はくたか560号 東京行き

 今回の幹事はK氏で、さっそくコロコロバッグの中からビールやおつまみを出してくれます。旅の出発を祝して一同乾杯。ただしM氏は腹の調子がよくないとのことで、少し控えめ…。電車は滑らかに加速しながら、北陸路を進んでいきます。
 北陸新幹線の敦賀~東京間を走り通す列車には「はくたか」と「かがやき」があって、速達性が高いのは「かがやき」になります。当方たちが乗車している「はくたか」は、敦賀~長野間は原則各駅停車で、かつてサンダーバードが停車していたのと同じ駅に一つずつ停まっていきます。少し停まりすぎ? の感を抱きながらも、4人のおじさんたち、 “やはり新幹線は早くて快適” との感想で一致。

まずは金太郎温泉

 11:34、黒部宇奈月温泉駅に到着。1時間半ほどの北陸新幹線乗車を堪能しました。下車したのは我々4人以外それほど多くはありません。すでに観光シーズンを過ぎており、駅周辺も人影はまばらな感じです。おまけにあいにくの雨模様。

シーズンオフで少し寂しい黒部宇奈月温泉駅

    K氏とM氏がレンタカーの手続きに行ってくれている間、W氏と当方は駅前の土産物店兼観光案内所のような施設で待機することに。2Fからは黒部地域を形どったジオラマが見られるようになっていますが、それほどのインパクトはなし…。

2階から見下ろす黒部のジオラマ

 M氏が運転するレンタカーが到着し、いよいよ出発です。時間が早いので宇奈月へ直行するのではなく、目指すは魚津市内の温泉施設「金太郎温泉」。以前K氏が家族で訪れて良かったとのことで、今回の旅に組み込むこととなりました。
 カーナビを頼りに黒部市内から魚津市内に向けて走ること約20分。目的地に到着です。予想以上に大きな施設で、館内はお客さんでいっぱい。休日をゆっくり日帰り温泉で楽しもうとする人たちが多そうです(もちろん立派な宿泊施設も有り)。
 おじさんたち、まずは腹ごしらえということで、畳敷きの大広間のような食堂?(休憩場所?)でセルフサービス式の簡単な食事。その後、いよいよ入浴です。浴室内は湯気がもうもうと立ちのぼり、お湯は本格的な温泉! しっかり温まって十分に満足しました(後日確認のため当施設のホームページを見ましたが、とても充実した内容でした)。

にぎわう金太郎温泉 駐車場も満杯

 金太郎温泉を出発して、いよいよ宇奈月に向かいます。来た道を黒部方向に引き返し、黒部川沿いを遡る形で目的地を目指します。といっても時間はまだ早いので、どこか寄り道できるところはないかと話しているうちに、道沿いに “宇奈月ビール” と描かれた看板を発見。迷わず駐車場に車を乗り入れます。当施設(道の駅?)は土産物販売に加え、地ビールを飲みながら簡単な食事ができるようになっているのですが、客は当方4人以外はカップルが一組のみ。少しの寂しさが漂っていました。ただビールはおいしかったので、お土産に “宇奈月ビール” 缶入り3本セットを購入!

宇奈月ビールがおいしい道の駅

味わい深い宇奈月温泉と駅

 出発後は、道は徐々に山間の様相に。左手に黒部川の渓谷が見え隠れする中、断続的に降っている雨にはみぞれが混じってきて、寒々とした風景が続きます。そうして20分ほど走ったところでついに宇奈月温泉街に到着しました。雪化粧をした山々を背景に屋上から湯気が立ちのぼる温泉ホテルの数々を見て、いっきに気分も温かく!

湯けむり漂う宇奈月温泉

 K氏が予約しておいてくれたホテルは温泉街の中心から少し離れたところにあるのですが、女将さんはじめ従業員の方々はとても親切で心地良い! 荷物を置いた後、再び車で街の中心部に繰り出すことにします。

旅情を誘うポスター

 向かったのは駅周辺。ここには富山地方鉄道本線の終点・宇奈月温泉駅と黒部峡谷鉄道の出発点・宇奈月駅が隣り合わせにあって、観光シーズンには多くの人出で賑わうことが容易に想像できます。我々4人組も当初はここからトロッコ列車で黒部峡谷を遡る計画だったのですが、トロッコ列車の運行は11月末で終了とのことであえなく断念。今はオフシーズンとあって、トロッコ列車の車両は駅でひっそりと休養中です。辺りの人影もまばらな状態…。ただ、そのことが却って旅情を掻き立てて、暮れなずんでいく宇奈月駅、宇奈月温泉駅界隈はとても良い雰囲気で、当方、十分に満足したのでした。

温泉街中心部の踏切に電車が接近
富山地鉄本線終点 宇奈月温泉駅 
駅前には温泉噴水 あたりは湯けむりが漂う
電車が待機する車庫もレトロな建物
黒部峡谷鉄道起点 宇奈月駅
シーズン中はきっと多くの人出が
トロッコ列車も車庫で休養中
雪化粧をした山をバックに温泉街裏通り
暖かな明かりがこぼれるモーツァルトのカフェ

 ホテルに戻って温泉、夕食を堪能。4人のおじさんたち、宇奈月温泉に関係あることないこと、いろいろな話をしながら夜は更けていき、やがて就寝…。

富山の実力 岩瀬エリアと市内電車

 翌日は富山市内観光の予定です。いくつかの見学ポイントをK氏があらかじめ考えてくれていたのですが、ホテル出発の際「富山市内でどこかいいところはありますか」と女将さんに尋ねると、女将さん「岩瀬がいいです」と即答。
 ということで、4名車内で「岩瀬へ行こう」と即決。カーナビをセットして出発です。黒部インターから高速道路に入り滑川インターまで。この間、天気が良ければ左手に立山連峰の雄姿が見えるかと期待したのですが、残念ながらどんよりとした曇り空で叶わず。滑川からは富山湾の方向に向かって車を走らせ「岩瀬」を目指します。
 ホテルを出発して1時間30分程で目的地に到着。駐車場を見つけた後、「岩瀬」の通りの散策です。女将さんが言っていたとおり味わい深い家並が続いていて、レトロな雰囲気の店も並んでいます。歴史的には江戸時代の北前船の寄港地として栄えてきたよう。

岩瀬の名所? 日本酒立ち飲みバー

 4人のおじさんたち、興味深く家々を眺めながら、足は一軒の “日本酒立ち飲みバー” へ。暖簾をくぐって店内に入ると、そこには欅の一枚板の大きなテーブルとその横にガラスの冷蔵庫があって、中には多くの酒瓶が並んでいます。この店のルール、“15分間飲み放題コース”と“好きな酒一杯だけコース”があって、それぞれ料金が設定されています。K氏とW氏は飲み放題コース、当方は一杯だけコースを選択。運転手のM氏は見学だけ…。有名なお店らしくて、店内にはお客さんが次々と出入りしています。販売用の瓶も並んでいたのですが、高すぎて購入は断念…。

 岩瀬エリアを後にして車は富山の市街地へ。K氏が調べてくれていた「富山の薬売り・池田屋安兵衛商店」を見学した後、富山駅前でレンタカーを返却。そして、駅前の「とやま鮨」で昼食です。脂ののった富山湾の鰤、その他諸々を堪能しました。

富山の薬売り 店内では実演も

 帰りの電車まで少し時間があったので、4名富山駅で解散し、各自買い物などをすることに。当方、お土産を少し買った後、駅前の広場で富山地鉄の市内電車を見学していたのですが、次々と路面を走って来ては発着していく電車を見て、富山の町の活気を実感! 駅前の通りや建物も都会的で、今回初めて訪れた富山の実力を思い知った気分でした。

スタイリッシュなデザインのポートラム
こちらの電車は少しレトロ感
市内電車の富山駅 次々と電車が発着

心臓バクバクの敦賀駅

 帰途、新幹線で敦賀まで戻った後、当方を除く3名はサンダーバードで京都へ向かうのですが、当方のみ湖西線経由の新快速電車に乗る予定です。ただし問題は、この乗り換え時間が4分しかない! 
 “敦賀乗り換え” については新幹線開業当初より不便ではないかとの指摘があったものの、今回、行きに体験した通りサンダーバードやしらさぎなど特急との連絡は意外と便利でありました。しかし、特急以外との接続についてはやはり課題を実感。たぶんこの電車に乗り継ぐことを想定していないのでしょうが、当方、これを逃せば敦賀駅で45分間待たねばなりません。ということで、4分間一本勝負、やるのみ。

新幹線から新快速へ猛ダッシュ

 新幹線が敦賀に近づいた辺りで当方、席を立って出口前でスタンバイ。ドアが開くや否や猛然とダッシュしてエスカレーターや動く歩道を乗り継いで在来線ホームへ走ります。何せ初めてなので勝手がわからず案内表示を頼りに動くしかないのですが、途中少し間違いそうになりながらも何とか無事に到着。ホームに待つ新快速電車にすべり込んだのでした。重い荷物(宇奈月ビールと富山駅で買った日本酒など)を持って久しぶりに全力(に近い)疾走をした当方、シートに腰を下ろした途端、足はガクガク心臓バクバクで、それは電車が滋賀県に入ってもなお治まらず!


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