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「人と組織」への関心

先日、飲み会で帰りが遅くなり、家族が寝静まったころに帰宅することがあった。そんなときは自宅の中には静けさだけが広がっている。
もうすぐ2才になるM・シュナウザーだけが「遅かったね」と言わんばかりの顔で玄関で迎えてくれる。
その日は、酔いを冷ますために静かなリビングで水を飲みながら若い頃を思い出していた。


人と組織

20年以上にわたるWeb開発エンジニアとしてのキャリアの中で、エンジニア組織のマネージメントを担当してきた経験から、「人と組織」の問題に関わることが多かったように思う。
そんなこともあってか、いつのまにか「人と組織」に興味を持ち始めた。
マネージメントをしていれば、多かれ少なかれ人や組織の問題には直面すると思うが、ボクはなぜかそういった機会が多かったように思う。
それは、自分が気づいていないだけで、もともと「人と組織」に興味があったからなのかも知れないし、たまたま当時は、自分の中でクローズアップするくらい重要な課題と捉えていたのかも知れない。
いずれにせよ「人と組織」に目を向ける機会に出会えたことはラッキーだったと思う。

若気の至り

そんなボクは、若かりし頃、技術スキルがすべてだと信じて疑わない、浅はかな人間だった。
技術力さえあれば、どんな問題も解決できると思っていたのだ。決してそんなことはないのに。
チームを引っ張り、組織を改善するためには、技術力がいくら高くても不十分だということに後々気づいていくことになるが、それに気づくまでには、本当に多くの失敗を経験したからだと思う。
いま考えると、至極当然のことだし、すぐに気づけなかった自分を恥ずかしく思っている。

人材開発と組織開発との出会い

それからしばらくして、2012年に会社の体制が大きく変わる出来事があった。その変化がボクの人生に新たな方向を示すきっかけになったのだと思う。
それまでの人事のトップが変わり、人材開発や組織開発に力を入れ始めたのだ。その時まで「人材開発」「組織開発」という言葉に馴染みがなかったボクは、この動きをきっかけに、その大切さにはじめて気付かされた。

いま思うと、それ以降、ボクは変わり始めたのかも知れない。
自分が管轄する開発部でも、さまざまな新しい試みにチャレンジするようになり、「人と組織」に向き合うことの重要性を日々実感していた。
そして、それは自身の成長にもつながっていったと思う。

新たな道

そこから数年経った後に、立教大学大学院のリーダーシップ開発コースを知った。
経営学理論や次世代のリーダーシップを推進できる人材を育成するという明確な目標に触れ、それがこの大学院を志望する大きな理由になったんだと思う。そして、そんな人物になりたいという強い願望が、確実にボクの心に芽生えていたんだろう。

これからのIT業界やエンジニアに必要なことはなにか?ということを聞かれたり、あるいは自分で考えたりするとき、いつも感じることがある。
それは、エンジニアにとって技術スキルは大切だけど、それだけでは片手落ちなんじゃないか、ということを。
人間関係やコミュニケーション能力、組織の理解など、ソフトスキルの重要性は非常に高くなっていき、エンジニアに求められる資質は日々進化している。
つまり、人と組織の重要性を理解し、真摯に向き合うことが、エンジニアにとっては本当の成長への道で、技術スキルを身につけることと同じくらい大事なことなんだと。

いつか、こんな想いを持った人たちとおもしろいプロダクト作りに携われたら、これほどうれしいことはないだろうな。

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