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operation survive

今日も歌った。結局高円寺。浅草遠いんだもん。

仕事終わりで疲れてたものの前回と比べてよく歌えた。自分で言うのもなんだが声に脂がのってた。魂が滑らかに声にのっていく
歌いこむことは大事だな。喉が閉じるとはよくいったものだ。俺ってこんな声してたのか。お前のこともっと知りたい。もっとよくなる。違くなれるぞ。五曲歌い終わったら警察来た。

でも今日の警察は申し訳なさそうにしててなんかよかった。バンドやりませんかって誘えばよかった。住所と電話番号教えた(二回目)

まだ8時なので古着屋寄った。深緑、好きな店。高くて買えないがセンスがすばらしい。
セカスト開いてたので寄った。なんか欲しいものばかり。なぜ突然古着に目覚めた?似合わなくてもいいから買って眺めていたい服ばかりだ。

近くて好きな街というと吉祥寺しか浮かばなかった。そこで歌おう。

中学のころから勝手知ったる街だ。友達と服買い行った。福屋という安すぎるパチモンのB系(死語)の服屋があってゴミ袋みたいなブカブカのダウン買ったっけ。
昔の吉祥寺はまあまあ治安が悪くてカツアゲされた同級生がいた。
Tシャツの上にNBAのユニフォームを着てニューエラを被りぶかぶかのナイロンパンツを履いて片方だけ七分に捲り上げ、ジャイアンツカラーのダンクを履いた兄ちゃんがいっぱいいた。
今そのファッションしたら逆にトッポい感じがする。そうだY2Kだ!俺が古着に興味を持ったの。
pikoとか昔のジーンズメイトで売ってた服とかBAPEとか裏原ブランド今見るとなんかイケてる。なんか欲しくなったのだ。懐古厨の俺がハマるわけだ。

最近昔の高校生みたいな服装をしてる36歳男性

歌う前に井の頭公園で一杯やった。レパートリーを増やすため昔作った曲をやろうと思ったが歌詞が思い出せない。

サンロードの本屋の前で歌った。
今日は声が出る。通り過ぎる人を視界に入れたくなくてライトを見ながら歌った。光が重要だった。なんのために歌ってるんでしょう。

何度も歌う自分の歌詞に意味性を感じなくなる。たまに作ったときの気持ちを乗せて感情一杯に歌うときもあるけどなんかあざといなと感じる。ただ無になりたかった。

2人ほど立ち止まった人がいた。声がもっと大きくなる。程なくして立ち去った。

言葉が自分にとって意味がなくなる。自分の歌なのにメッセージ性は自分にとっては無くなる。ただ音になる。

これが祈りか。お経だって坊さんは意味わかんないのに唱えてるもんな。
なんのために祈ってんの?自分のため?誰かのため?世界のため?


俺は人が苦手だ本当は。こんなこと言っちゃますます孤独になるけど。社会は、自分の純粋な甘っちょろい気持ちを悪意なく踏みにじる。悪意を白々しく隠せる。そして俺自身も誰かを。

自分も汚れるべきだと思ってた。俗っぽく偽悪的になろう。そのほうが他人も社会も付き合いやすい奴とみなしてくれるだろう。でもできなかった。
いつまでも自分の中の傷つきやすく繊細で大事にされたがってる少女性を捨てられなかった。

だから女の子の絵を描いたり青臭い歌を作って歌ってそうやって逃避してるだけだ。

でも今こうやって路上で歌って無視されて邪魔者扱いされて、これのどこが逃避だろうか?

正気じゃいられないから祈ってるのだ。ルーティン化した同じ言葉を何度も反芻してなぜかそれが心を軽くする。

脳の誤作動が精神病にすると何かで読んだ。
なら誤作動のような、意味性のない行動が正常に戻すのか。

自分のためだ。生きていたい。ただそれだけ。だから見返りは求めない。

また警察が来た。自分より一回り下の眼鏡をかけた小さい男。別の場所を探すか。

ハモニカ横丁の飲み屋の前でフレンズみたいな男女がお洒落にいとしのエリーなんて歌ってた。

パルコの裏の下着屋の近くでカネコアヤノみたいな女がカネコアヤノ歌ってた。

俺の歌って誰にも似てないな。
ライブハウス行っても自分と同じような音楽やる人見ないな。

弾き語り5年くらいやってたけど全然企画呼ばれなかったな。
ライブハウスで1万5000払って歌ってお終いの日々だった。
バンド組めてもたぶんそんな感じだろうから自分で企画打ちまくるんだろうけど。

何かに似てないと評価されないのかって憤りは、今も持ち続けてる。

コピスの前で歌ってたらカラオケまねきねこの呼び込みの若造に「向こうのほうが人いますよ」と言われた。
警察以外に止められるとさすがに腹立ったが何も言わず移動した。

でもこれだよな。この終わり方がしっくりくる気がした。

しかし帰りたくなかった。なぜだか今日は。
わざと終電を逃して寒空の中これを書いてる。

だれもいない深夜の街をギターを背負って彷徨ってる。歌いたいような歌いたくないような。
グルパリさんは毎晩こんな夜を過ごしているのか…

作りかけの新曲ここで完成させちゃおうか。家にいるとダラダラスマホいじって寝ちゃうしな。



そろそろ自分の人生そのものに見返りを求めない、そういう覚悟が必要な気がした。
いや覚悟なんてカッコつけたもんじゃない。ただ加齢からくる諦めだ。

純粋に行為そのものに集中したい。
歌うこともそう。人と話す時もそう。
別に俺と友達になってくれなくていいからまずリスペクトを伝えたい。なれたら嬉しいけど。

あとのことはわからん。どう思われるか知らん。

俺は俺でいたかった、けどこうなった。


なんにもならなかったよ。仲間も見つからなかった。片思いばかりだった。
仲いい人もできたけど離れ離れになった。でもまた旅に出るよ。それを繰り返して老いて死ぬ。

でもそれは物語だ。俺は人生を生きてる。

でも一喜一憂したいな。がっかりするのも楽しい気がしてきた。



















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