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蝶のはばたき
平日に久しぶりに休みを取ったので、前から行きたいと思っていた駅前の診療所で、ちょっと気になっていたところを診てもらいに行くことにした。
どうせ待たされるだろうからと、待合で読む本と、いつも言われるお薬手帳を探し出しているうちに、バスの時間が迫っていたので、急いで家を飛び出した。
そういえば髪も伸びてきたな、散髪も予約すればよかったかな、と思いながら、バス停に向けて、小走りで向かっていった。バス停が見えてきたところで、「しまった!定期券を置き忘れてきた」。
やむを得ないので、いったん家に戻った。次のバスが来るまでは、少し時間がある。それならば、美容院の予約もしてしまえと、電話をかける。
「今日なんて無理ですよね?」
「30分後なら大丈夫ですが、来れますか?」
「ちょうど、ピッタリくらいに行けそうです。」
とんとん拍子で、散髪の予約ができた。
診療所へは散髪の後でも十分に間に合う。定期を忘れた怪我の功名だ。
思惑通り、ほぼ時間通り美容院のあるビルへ到着した。
8階にある美容院に行くため、エレベーターに乗ると、同時に乗ったご婦人が8階のボタンを押した。
「小さな美容院なのに、同じ時間で予約しているのかな?」と思いながら、8階に到着。果たして、ご婦人も同じ美容院へ入っていった。
入り口で検温をした後、先ほど予約した者ですと、名前を告げる。
「はい、お待ちしていました。少しお待ちください。」と気持ちのいい対応。
同時に入った婦人も名前を告げていたのだけど、スタッフさんは、??の対応、どうやらご婦人の予約が入っていないようだ。スタッフさんとご婦人が、いろいろ確認していると、
「明日の同じ時間に予約が入っていました、」
「あ~、日を間違えたのね、今からは空いてないかしら?」
「申し訳ありません、予約が入っております。」
「ははっ、明日また来ます、ごめんなさいね、」
僕がたまたま定期を忘れなければ、美容院へ電話をすることもなくて、このご婦人は予約を間違えていたとしても、今日カットできていたんですね。
とても不思議な感じです。