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消化管などの吸収のしくみに関する仮説

消化管は水分、栄養分を吸収する。
これは消化管上皮細胞内部を通してではなくて、消化管細胞間隙を網の目のようにして通過させて門脈系へと取り込むのだろう。
細胞内部というのは成分組成が非常に一定でなければならない。そこへ外部からの物質が細胞膜を通して入り込むとはとても考えられない。
細胞膜は一種のコンデンサであり膜の内外に電位差を形成して物質の出入りを膜蛋白質(イオンチャネル、トランスポーターなど)の性質を利用して厳密に調節しながら生存活動している。
消化管内成分には有用な物も有害な物も過剰な物もデタラメに含まれている可能性がある。だから消化管上皮細胞が直接それらを取り込んだら生存できない。従って細胞間を通過させて吸収して、肝臓に一旦処理してもらい、それから大循環に回す工夫が進化している。これは無脊椎動物からそうである。
消化管は蠕動運動することにより細胞間隙という網目を拡げたり縮めたりしながら内容物を肛門側へと送り込む。
消化管と似ているのが尿細管だろう。
これは腎臓の糸球体という血管の球状に纏められた構造体から染み出してくる原尿から必要なだけ水分、電解質、糖、アミノ酸などの養分を再吸収する仕組みだ。
尿細管もその上皮細胞が原尿内の物質を内部取り込みするのではなく、細胞間隙を通過させて血管側へと取り込むのだろう。尿細管の水の再吸収量は非常に多く1日に100ℓ以上に及ぶ。細胞内通過ではそんなことしたら細胞内成分を恒常に保てない。
また、尿細管に関して思うのは、植物では根の作用と似ていること。
植物の根も水、養分をおそらく細胞間隙吸収をしているのだろう。
植物の根の吸収システムに関しても研究すべきことは山程ある。
ついでだが、肺の肺胞上皮もガス交換を細胞間隙にて行っているはずだ。でなければ肺胞上皮細胞内成分が異常をきたしてしまう。
細胞間隙というのは単なる隙間ではなくて、細胞表面にある多機能蛋白質が相互作用できる場でもある。隣り合う細胞どうしはこの表面蛋白質が情報のやりとりをしながら協力活動しているのではないか。

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