親切な隣人とコンサルタントの違い。
キャリアコンサルタント資格をとって1年経過した方から
「結構たくさんの方のお話を伺ってきたものの
資格をとったことで、知識は増えたけど、
聴き方が大きく変わったか自分ではわからない。
プロとそうでない人に違いってあるのでしょうか」
と質問を受けました。
あると思います!(パクってごめんなさい・・・)
プロでない、親切な隣人や、聴き上手な人。
そういった方の役割は「共感とアドバイス」だと思います。
友達だから、自分の気持ちを分かってくれた。
それだけで救われることもあると思います。
また、自分や知人の体験、ネット検索で得た知識でのアドバイス。
それが求めている情報なら、助かることでしょう。
(日本のエーゲ海、牛窓の夏空)
では、プロのコンサルタントでないとできないこと、違いは何か。
それはまず、
「安易な共感やアドバイスをぐっ!とこらえる力」
だと思います。
もちろん共感は大切にしているのですが、
例えば不採用になって一緒に悲しんでいたのでは
「専門家から見ても、悲観するような状況なんだ」
とご相談者が余計不安に思ってしまう可能性もあると思います。
また「よく見ていただいたのに、申し訳ありません」などと
コンサルタントに気を遣ってしまい、自分の気持ちに集中できなく
させてしまうかもしれません。
そこから抽出できること。もっと他に広がっている可能性。
そんな、ご本人の悲観とは違うとらえ方があることをお伝えすることも
重要なかかわりだと思います。
また、ご相談者の口から表現されていない、論点、背景や願望まで
適切な質問によって気づきを促したり、言語化したりして
一人では考えきれなかったところまで、脳内を整理することが
共感とセットの重要な役割ではないかなと。
(牛窓のヨットハーバーにて)
また、人生はご本人のもの。ご本人が決めるための支援でなく
「私があなただったらこうするな」「こうしたほうがいいんじゃない?」「こうしてうまくいった人がいるから、その通りにするとよい」
というアドバイスは、ご本人の決める権利を肩代わりしてしまうこと。
それをわきまえ、本人の決める権利を侵害しないのが、プロのカウンセリング。
そんな風に思っています。
事例をたくさん見れば見るほど、「こうしちゃえばうまくいきそうよ」とか
「あなたはこちらのほうが向いていると思うのに~~」と
ヤキモキすることが増えるように思います。
そんな自分の思いや考えをぐっ!と飲み込むことの難しさがあり
それができるのが専門家なのではないか、と思います。
思ったことを言いたい、何か役に立ちたい、というのは
自分のための行為で、エゴですものね。
また、成功事例はご相談者とは違う個性を持った、他の誰かのもの。
当てはめが効果的かどうか、検証も必要ですものね。
話してくれたご相談者の個性も、それがすべてではなく、
もっと奥深いものですし。
共感もアドバイスも、簡単にはできないとわかっていることが
プロのコンサルタントのスタートライン。
3万人の方にお会いしてみて、一番難しさと大切さを感じるのが
このことかな、と最近思っています。
でも、「この情報・見方を聞けば、もっと選択肢が豊かになるかも」
と思うこともありますし、
単純な共感や、ポンと背中を押してくれることを願っている人も
たくさんいらっしゃる。
もう少しフランクにかかわれる場も、もちたいな~と思ったのが
鉄子の部屋を始める理由の一つにもなりました。
また、私だけがそれをしなくても、まったく異業種の方と接すると
自分の仕事が、全然違う解釈で見えてくることも。
居合わせたお客様同士で、違う解釈の地平が見せあえると
みんな豊かになれるかな。
そんなことも目的にスナックしています。
そんなわけで、ご相談がない方も
是非お気軽にお越しくださいませ♡
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8月はオンラインのみです。