大晦日RIZIN観戦記 ─エース堀口の大復活とカーフキック問題とK-1の3バカトリオ─
明けましておめでとうございます。2021年が始まりました。コロナウィルスの影響で経済への打撃が更に本格化するであろう2021年は2020年がもう一度あるって感じでしょうが、この期間を前向きに捉えて生きていきます。
さて、大晦日が終わりました。今回の大晦日RIZINをスカパーPPVで観戦しましたが、その中で気になった試合を振り返っていこうと思います。
①RIZINバンタム級タイトルマッチ 堀口恭司vs朝倉海
まずはやはりこの試合から。
今回の大晦日はこの試合が担保になって大会として成立したわけであります。このメインがあったからシバターvsHIROYAや五味隆則vs皇治も成立したわけで。
大会前日に予想記事を書きましたが、まんまと堀口が私の陳腐なヨカタの想像を遥かに越えた攻略をしてきて、予想に反し堀口の圧勝で幕を閉じました⇩⇩⇩
これがエースだよね。RIZINは堀口に生かされてる。
勝敗を分けたポイントは少し前にも話題になりました。「カーフキック」でした⇩
堀口は試合後のインタビューで「今回は2つプランを立て、1つはカーフキック。もう一つは懐に入って組み付き、そこからテイクダウンも狙っていたが、実際試合中向かいあって懐に入るのは危険だと思い、カーフキックに焦点をずらした。」と語っていた。
カーフキックとは脹脛のサイドを狙い撃つ下段蹴りの事だが、以前カーフキックが話題になった際、天心か長男亮だっただろうか?誰かは定かではないが、カーフキックとは相手の前足が内側に向いていて、下段蹴りへのカットティングの技術が無ければ非常に有効だが、逆にカッティングの技術が相手にあれば自身の足を痛める可能性の高いキックでもある。諸刃の剣と語っていた。
朝倉海は前回同様カウンター狙いの待ちのオーソドックスのスタイルだが、左足が内股に向いていて、非常に有効だと判断した作戦がドンピシャに当たった。試合後の朝倉海も語っていたが、『堀口がローキックを打ってきても前後のスピードが速い自分なら避けられると思っていたし、カーフキックを貰いやすいのが自身の弱点とは完全に盲点だった』と語っていた。
前十字靭帯断裂と言う選手生命を脅かす大怪我を乗り越えて大復活を遂げた堀口恭司。奇しくもこの膝の大怪我は、堀口恭司が日本に居た頃のMMAの師匠であった山本KID徳郁も負い、この怪我がきっかけで第一線から退いていった。他にはKID同様HEROSのリングで活躍した2007年‐70㎏最強と言われたJZカルバンもそうだったな。この怪我を負って復活を遂げた選手は私の記憶ではUFC元バンタム級王者のドミニク・クルーズくらいだろうか。
今回の試合を観るに、堀口恭司に勝てる選手は国内外にもUFC以外にはいないのでは?と思ってしまうほどの強さだし、ベラトールの現バンタム級王者フアン・アーチュレッタとの試合を希望していたが、この試合が終わったら、もうUFCに戻ってほしい。堀口がUFCに戻れば恐らくフライ級での試合になると思うが、現UFCフライ級王者デイブソン・フィゲイレードにも勝ってしまうのではないか?と今の堀口には幻想と期待を抱いてしまう程、今の堀口は強い。RIZINはエースを失うことになるし更に苦境に立たされることになるが、それでも行ってほしい。
かつて堀口がUFCを離れRIZIN参戦した際、私は大反対だった。『何故そんな都落ちみたいなことするんだ!お前はDJを倒して日本人史上初の快挙を達成するのが先だろ!』と。しかもRIZINの本質は”テレビ格闘技”である為、堀口のような玄人好みのファイターでは万人受けしずらいし、この舞台でスターになるのは難しいだろう。と思っていたが、蓋を開けてみれば堀口がRIZINに参戦した頃からRIZINは軌道に乗り始めたのは紛れもない事実だ。
MMAの絶対的エース堀口恭司とその対立軸としてキックボクシング無敗の天才・那須川天心が軸になってRIZINはここまで成長した。天心と同様に日本のファンは堀口も海の向こうにある世界最高峰のメジャー舞台へ送り出すタイミングが来たのかもしれない。
②よう分からん炎上しているカーフキック問題
後はカーフキックの件で只今SNSで通称“朝倉キッズ”と呼ばれる朝倉兄弟のYoutubeがきっかけで格闘技を見ることになったのであろうニワカ格闘技ファン達が『カーフキックはセコイ!』『禁止にすべき!』とよう分からん妄言を放って物議を醸してるらしいが、前回の大晦日マネル・ケイプに朝倉海がKO負けした際も『シューズ履くなんてズルい!』と言っていたファン達だろうか?そのファン達は例えば堀口がアームバーで勝ってたら『関節技なんて危ない!禁止にすべき!』と言って、ハイキックで勝ってたら『頭部に蹴り放つなんて危ない!禁止!』とでも言うのだろうか?(爆笑)これでは学校のやることに論点のずれた事をイチイチ言ってくるモンスターペアレントやテレビ番組や芸能人に対しちょっとしたことで怒り出す悪質なクレーマーと本質は一緒じゃないか(笑
長年格闘技を見ている有識な格闘技ファンは『格闘技って奥が深くて面白いよね!(ニコッ)』と言って適当にスルーしときましょう。相手にするのが1番時間の無駄だから。
さて、問題のK-1の3バカトリオに関しては、後で追記します。私のK-1愛を文章にぶち込みますのでお楽しみに(マジで腹立った)
⇩⇩⇩追記⇩⇩⇩
③シバターvsHIROYA~元K-1ファイターがほぼ素人にカウンターを当てられる失態~
話題になった人気Youtuberシバターの相手はなんと元K-1ファイターのHIROYAだった。
少し彼の経歴を振り返ってみようか。旧K-1を愛しK-1甲子園の頃から彼の事はずっと見てきたし、HIROYAと同学年である私としては、彼には思い入れがある。
HIROYAと言えば今からもう15年前になるか、旧K-1において「魔裟斗の後継者」として売り出され、旧K-1と地上波中継をしていたTBSはHIROYAを次期K-1MAXのスター選手候補として売り出す為、「K-1甲子園」と言う舞台を作るキッカケになった選手でもある。
現在、体制が変わった新生K-1でもK-1甲子園は開催されているが、その元祖はHIROYAだったのだ。しかし、主催者の思惑とは裏腹に周囲が望むような結果を出せず、K-1甲子園では2008年に“勝たせてもらった”ような内容でチャンピオンにはなるも、K-1 MAXの舞台でも周囲が期待していたほどの結果は残せずにいた。
旧K-1が崩壊後もGLORY、Krush、新生K-1など様々な団体を渡り、トップ戦線にはギリギリいるが野杁やゲーオ、木村といったトップ所には勝てない、勝ったり負けたりの選手として定着してしまっていた。
3年前に弟・大雅の新生K-1との契約上のゴタゴタをきっかけに新生K-1を離れることになったHIROYAだが、その後はゆっくりとキック界の第一線からは退き、時折RIZINの無茶ぶりの階級差関係なしの代打出場の試合して負けたりして試合は稀にするものの、過去の人間となろうとしていた。
彼のファイターとしての経歴をざっくり話すとこんな感じだ。
彼を長年見てきたからこそ彼はあまりにも優しくてお人好しで真面目な性格なのかなと何となく感じてはいたし、今回のシバターとの試合もRIZINの無茶ぶりにも悪い意味で彼のお人好しが出て受けてしまったのだろう。お願いされたら真面目で断れない典型的な損するタイプの人間だ。
別に試合を受けた事は良い。実際にシバターみたいな実力や実績関係なく話題性のある人は絶対に必要だと私は常々訴えてきたし、これからもこういうアクションは地上波放送の視聴率、ファン層の拡大に繋げる為にも必ず必要な事だ。RIZINは”テレビ格闘技”である以上こういうマッチメイクは必要なのだ。
ルールは1Rキックルール、2RMMAルールの変則の3分3RのMIXルールだ。一応シバターについても少し触れると、彼は完全な素人ではない。かつてはジ・アウトサイダーやパンクラス、DEEPでも試合経験のあるMMAファイターとして少し実績のある選手であり、あからさまな素人ではない。ジ・アウトサイダー時代の試合が筆者は好きで全て目にした。勝つ試合は関節技で勝利することが多かった印象だ。
④格闘家がヨカタに舐められたら終わり。
いくらMMAでも実績のあり、体格差のあるシバターとは言え、1Rは自身の土俵であるキックルールで圧勝しなければいけない話だ。だってHIROYAはK-1でも活躍した立ち技の元トップファイターなのだから。しかも引退してから10年以上たったレジェンドのおじさんという訳でもなく、まだ20代の選手だ。
しかし、蓋を開けてみれば、1R自身の土俵でカウンターのパンチを喰らい、ダウンするという大失態を晒した⇩
筆者も長年格闘技を観てきたし、キックボクシングや空手など立ち技格闘技を経験してるからこそわかる。シバターはパンチの打ち方、ボクシングテクニックに関してはド素人である。そのド素人のパンチをしかもカウンターを喰らってダウンしたのだ。分かりますか?皆さんこの意味が??相当本質が分からない馬鹿ではない限り分かるでしょう。
これは体格差だとかMMA経験のあるシバターだからとか、そういう次元ではないのですよ(笑)自身の土俵で全く素人級のボクシングテクニックのパンチを喰らったのですよ?(この意味が分からない方はもっとちゃんと格闘技を見直して下さい)
そりゃMMAルールであれば、MMA経験のあるシバターが体格差もあるわけだし、HIROYAはMMAはド素人なわけで、2Rにあんなあっさり腕十字取られるのは分かりますよ。『まぁそうなるよね』って話だ。当然。
ただし、重要なのでもう一度言います。パンチや技術に関してはほぼ素人です。そのパンチを元立ち技トップクラスで試合していたHIROYAは自身の土俵でその素人パンチのカウンター喰らってダウンしたのです。
これがどれだけ恥ずかしいかって事なのだ。私がHIROYAだったらもう格闘家なんて名乗れないし、外も歩けない。勿論試合後のあのマイクなんてありえないし、シバターとの2ショットのドヤ顔写真なんて論外だ。
(なお、筆者がシバターのパンチのテクニックはほぼ素人だと言う主張が信じられないならボクシングやキック、MMAの経験がそこそこある人に聞いてみなさい。私と同じ事言うからw)
翌日、MMAのレジェンドである川尻達也も筆者と似たような主張をしていたところ案の定、アホなファンからこんな意見が⇩
⇧ほれ、言わんこっちゃない。
『HIROYAがMMAをそこそこかじったYoutuberシバター相手に大会直前に試合すること決めて漢気を感じました!』と言う言葉は、HIROYAへの侮辱だからな?そもそも、かつてトップクラスで試合していたファイターが昔MMAで試合していた35歳のおっさん相手に1R自身の土俵で試合するのに、漢気も糞も無い。本来なら1Rの自分の土俵のラウンドで勝って当たり前なのだ。
分かる人は分かるし、分からない人は分からないのだろう。そこは、まぁ仕方ないか。
シバターは素晴らしい。よくやった。拍手を送りたい。またRIZINに出てください。貴方は必要。HIROYA、さようなら。
※平本連、皇治ほか気になった試合に関してはまた近々UPします。それでは。
⇩⇩⇩再追記(1月7日)⇩⇩⇩
⑤MMAの洗礼を浴びた新生K-1の申し子~MMAをナメるな!お前はステファン・レコか!?~
早いもので、大晦日からちょうど一週間ですね。
さて、先日の大晦日RIZINで裏メインと称された「平本蓮vs萩原京平」について記していく。このカードは平本連のMMAデビュー戦というだけでなく、試合前の記者会見の両者の煽り合いから、平本連の「K-1の文脈を受け継いだ」プロモーション、ファンとアンチを含め戦前盛り上がったが、蓋を開けてみれば、MMAの準備(組みやグラップリング、パウンドへの対処)をまともにせず、MMAを舐めて掛かったキックボクサーがMMAファイターにテイクダウンされた後、何も出来ずボコボコにされた。という『何年前のMMAだよ』と思わざる得ない内容で幕を閉じた。⇩⇩⇩
こういう試合は過去にたくさんあったのだ。例えば今から17年前、日本で開催され、旧K-1と共に格闘技ブームを巻き起こし、当時MMAの世界最大の団体であった「PRIDE」に当時K-1のトップファイターであった通称”欧州最強の伊達男”ステファン・レコが参戦した。
当時のステファン・レコは全盛期真っ只中。K-1ではピーター・アーツ、レミー・ボンヤスキー、アレクセイ・イグナショフといったトップファイター達に勝利した実績があり、スーパーヘビー級の立ち技の猛者が集うK-1の中でもスピードに特化したスタイルでK-1次世代の王者候補であった。
2003年~2005年の旧K-1において、レコはレミー、イグナショフ、武蔵等といった”K-1第二世代”の中でもNo1の実力者であり、毎年12月に開催されていたその年のGP王者を決める総決算「K-1ワールドGP」で優勝していてもおかしくはない実力がありながらその地位を捨て、PRIDEに参戦しMMAに挑戦した。同じ頃、”K-1の同胞”ミルコ・クロコップがPRIDEのリングで目まぐるしい活躍する姿に影響を受け、K-1時代に比べ高額のファイトマネーを提示された事がK-1離脱のキッカケになったのだ。
しかし蓋を開けてみれば、3試合連続秒殺負けと言う大失態をして、格闘家としてのキャリアに傷を付けてしまった⇩
・PRIDE29 中村和裕vsステファン・レコ
PRIDEが売り出していきたい日本人選手の噛ませ犬として扱われてしまい、単純に”MMAに向いてなかった”レコだが、MMAファイターとして自身のスタイルをアジャスト出来ないままキックボクサーがMMAに挑戦するとどうなるか?を証明するようなこういう試合がPRIDEやUFC初期の頃(90年代~00年代中盤)は多くあった。総合格闘技がMMAではなく、まだ「バーリトゥード」と呼ばれていた異種格闘技的な色が強かった頃の時代だ。その中で、逆にキックボクサーや空手家と言った立ち技の猛者がレスラーやグラップラーの組みや寝技に対応し、MMAルールに自身の打撃技術をアジャストさせて成功するファイターも現れた。その先駆けがレコ同様K-1出身のミルコ・クロコップだったわけだ。女子ファイターだとロンダ・ラウジーをKOし、UFC王者となったホーリー・ホルムか。
⑥平本蓮がMMAで大成するには?~お前はレコではなくミルコになるんだ。
平本蓮に話を戻そう。平本蓮は新生K-1を2019年に離脱。その年からMMA参戦を表明していた。1年間の準備期間があり、MMAに対応する為フィジカル強化をしていることが彼がSNSにUPしている写真で分かり徐々に体が大きくなっていた。そして、1番重要なのが立ち技出身MMAで成功する為絶対に避けられない項目がある。
(1)組みとタックルへの対応、レスリング技術
(2)グラウンド状態での打撃やグラップリングの攻守共の基礎の習得。
(3)MMAの打撃における距離の設定の仕方
これらが必須となる。MMAのストライカーはこの3ヵ条が出来てこそMMAルールで自身の打撃技術をアジャストさせ、”MMAのストライカー”へと昇華することに繋がるのだ。
しかし、平本連はこの上記に当てはまる練習(組みの攻防、タックルへの対処、グランド状態での攻守の技術)をなんと大晦日試合の1~2か月前から始めたのだと試合後知り、思わずズッコケた(そりゃ、ああなるわ)
それまでは何やってたんだよと言う話だが、平本連は最近の立ち技主体の攻防が多いUFCの試合でも見て『ほとんど打撃の攻防ばっかだし、少しグラウンド少し出来れば余裕じゃん。俺ちょっと練習すれば行けんじゃねw』とでも勘違いしちゃったのかと思ってしまう程だ。誰か周りに言う奴いなかったのか。あれだけ試合前自信満々であれほどのビッグマウスだから、その裏付けがあるのだろう。『こりゃ相当グラウンドと組みの攻防をやりこんでるのだろう。楽しみだな』と思いきやアレだから壮大にズッコケた訳である。
萩原京平はストライカーであり、MMA国内フェザー級の中でもグラウンドテクニックはザルである。平本が一年間グラップリングと組みの攻防を徹底していれば、立ち技の攻防に試合を持っていき、勝負論のある白熱した試合になるだろうと思いきや、全く素人の動きであり、単にMMA7戦してる選手とMMA素人の差が出ただけの試合だった。そんな平本を観てこんな心境になった⇩
以前、MMAの練習もしてるという新生K-1のエース武尊や数年前にRIZINでMMAに挑戦した那須川天心も『寝技にはロジックがある。こうきたらこう返さなくちゃいけないという正解が1つ1つの技にある。MMAで成功するには、1~2年かけて組みとグラウンドに特化して練習して基礎を作らないと勝てない』と語っていた。まさにその通りなのだ。そのグラウンドや組みの基礎が出来てこそ、MMAルールのなかで自身が培ってきた打撃も発揮できるようになるわけだ。実際にそういう選手は世界に目を向けると多くいる⇩
現在UFCでは元キックボクサー達がMMAの最前線で著しい活躍をしている。
・現UFCミドル級王者イスラエル・アデサニア(MMA通算戦績:20戦20勝無敗)
・現UFCライトヘビー級王者ヤン・プラホビッチ(MMA通算戦績:31戦23勝8敗)
・現UFC女子ストロー級王者 ジャン・ウェイリー(MMA通算戦績 : 22戦21勝1敗)
キックボクシング出身で現UFC王者が3人の他にもギガ・チカゼ、ドナルド・セローニ、エジソン・バルボーザ、スティープ・トンプソン、ホーリー・ホルム、ヨアナ・イエンジェイチック、ジョルジーニョ・ホーゼンストライクなど現在UFCで活躍している元キックボクサーは多くいる。キック以外の立ち技競技では空手出身には堀口恭司やユライヤ・ホール、グンナー・ネルソンなどもいる。
彼ら”立ち技出身”のファイター達が何故MMAの最高峰で活躍できているかと言うと、先ほど取り上げた3か条を高いレベルで習得させ、キックボクサーからMMAのストライカーとして昇華させて成功したわけだ(言葉だけで言うと簡単だが…)
戦前に平本は『MMAの打撃とキックの打撃は違うとか言うけど違わないから』と言い切っていたが、確かに基礎的な部分は同じだ。パンチの打ち方、キックの打ち方と言った細かい技術は一緒である。がしかし、MMAにはタックルや組みがある以上、キックボクシングのセオリーにはない打撃があることも確かだ。例えば、MMAにはタックルと見せかけての飛び膝蹴りやタックルと見せかけてのパンチだったり、キックボクシングに比べて制限が無い以上、立ち技の攻防においてもMMAの方が打撃の幅は広いのだ。組みやタックルがある以上、必然的にキックボクシングに比べて間合いの距離も遠くなる。キックボクシングで培ってきた技術を、足し算や引き算、時には掛け算をしてこれにどう当てはめていくかがポイントなのだ。
そして、RIZINは平本を大事に育ててほしい。天心やRENAがMMAに挑戦したばかりのマッチメイクのように「MMA戦績:0戦0勝0敗」のような謎のアマチュア外国人や同じくMMAに初挑戦する他ジャンルから転向してきたファイターでも良い。RENAvs山本美憂みたいなマッチメイクか。段階を踏んで一歩ずつ育てていこう。ベネットなんかダメだぞ。今の実力じゃまだ負ける。
⑦それでも平本蓮は良い仕事した。MMAへのREVENGEに期待してる。
視点を変えよう。それでも、平本蓮は表現者としては本当にいい仕事をした。それはそこらのインディ感覚の格闘家共(ただ試合して結果だせば良いと思ってる連中)よりもよっぽど良い仕事した。
この試合を作ったのは萩原京平ではない。君だ。君がこの試合を作ったのだ。
試合の再生回数、試合後のファン達の反応を観れば分かる。
賛否両論のこの状況を作った君は、表現者としては”勝った”のだ。様々な視点でモノを観れない馬鹿には分からないだろう。
格闘技界を観てみろ。『格闘技界を盛り上げます!』だのと浅い言葉言ってるだけで、ただ試合を消化し、誰の記憶にも残らないアマチュア、インディ感覚の”自称”プロ格闘家がどれほどいる事か。
そんな連中より君はよっぽど良い仕事した。胸を張れ。後は結果出せばみんな180度態度変えて来るから。世の中、そんなもんだ。
デビュー戦でこれだけ注目集めて、壮大に散った訳だから、ここから結果出していけば一気に跳ねる。RIZINの中心選手となるだろう。
君が「K-1を背負ってMMAで戦う」と言い続ける限り、私は君を見捨てない。K-1ファイターらしく”リベンジ”していこうじゃないか。
by不滅の鉄人