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天心vs皇治をK-1の文脈から堪能する─皇治よ、RIZINで“K-1”をやってきてくれ─

つい先日、27日のRIZIN.24のメインイベントで行われる那須川天心vs皇治の試合の勝敗と内容を、2人のこれまでの試合映像を元に予想した記事を書いた↓↓↓

これまでの2人の戦績・試合内容・実績・技術の観点から予想して、「那須川天心の圧勝」の予想は揺るがない。

が、しかし、この試合は「勝敗」と言う格闘技の醍醐味である、シンプルに「どっちが強いか?」の観点から見るのはどうも貧しいと言うか、勿体ないのだ。

この試合を観るにあたって、私は「皇治を主役とした視点」からの方が、この試合を何倍も面白く見れる事に気付いた

「稀代の天才・那須川天心が皇治を相手にどんな驚愕の”作品”を創るのか?」の視点よりも、皇治が体現する"K-1の原点”の視点から見た方がこの試合を別の角度から楽しむ事が出来るだろう。

皇治が見せる”K-1の文脈”からの視点だ。

①皇治に受け継がれる”K”の原点。石井館長の他流試合

以前、私はNoteの記事を通して「K-1とは何か?Kの本質とは?」についての記事を記した↓

この記事の中盤辺りに、「K-1とは立ち技ファイター達の異種格闘技・他流試合・イデオロギー戦争である」と記した。

そもそも、K-1とは1993年に正道会館館長・石井和義が創設した立ち技のメジャー団体であるが、K-1が誕生する以前、石井館長は極真空手を離脱し、正道会館を設立。その後、他流派トーナメントで極真空手と他流試合を行う。そこから、K-1の前身「格闘オリンピック」で空手vsキックボクシングなどの立ち技ルールによる異種格闘技を行ってきた。その流れが1993年に創設される「K-1」へと繋がっていく(ざっくり言うと)。

K-1が始まってからも”Kの核”となる部分はK-1ルールによる異種格闘、あるいはバーリトュード(MMA)ルールによる他流試合だった。

初期は空手vsキックボクシング:アンディ・フグvsピーター・アーツ、フランシスコ・フィリオvsアーネスト・ホースト、佐竹雅昭vsマイク・ベルナルド等

中期はK-1vsプロレスまたはK-1vsボクシング:ミルコ・クロコップvs藤田和之、ジェロム・レ・バンナvs安田忠夫、シリル・アビディvsフランソワ・ボタ等

後期はK-1vsMMA:魔裟斗vs川尻達也、バダ・ハリvsアリスター・オーフレイム、長島・自演乙・雄一郎vs青木真也など

この「異種格闘路線」はアントニオ猪木やUWFの”プロレス的文脈”から派生した基盤なのだが、K-1ルールでの異種格闘が”Kの本質であり原点”でもあるのだ。

②Kの原点を最も体現する”新生K-1のK-1ファイター皇治”

新生K-1はかつての旧K-1とは方向性を変え、立ち技の世界最高峰や異種格闘技の要素を消し、あくまで日本国内での競技としての発展を基盤とし、コツコツと成長している。

新生K-1の枠の中では、かつてのKの思想というものは消された。しかし、その新生K-1の中で旧K-1の思想を受け継ぐファイターがいる。

その選手が、新生K-1を離脱し27日RIZINで那須川天心と交わる皇治である。

この2人の試合は「キックボクシングの試合」と言う観点から見れば、正直勝負論はない。90%以上の人が那須川天心の勝利を支持するだろう。

しかし、この試合を「K-1ファイター皇治がRIZINに喧嘩を売りにきた」と言う構図でみれば、勝敗以外の+αの要素で”K-1ファイターがRIZINに一体にどんな爪痕を残すか?”の視点で楽しむ事が出来るだろう。

具体的には、試合前の記者会見、煽りVTR、試合、試合後の言動。

⇧この4つをセットメニューとし、とにかく「RIZINvsK-1」の構図と対立軸を創れば、皇治にしか作れない”Kの文脈を受け継ぐ”作品になるだろう。。RIZINファンと新生K-1ファンのイデオロギー戦争の対立軸が生まれ、この試合の熱は更に高まるだろう。

③皇治よ、RIZINをとにかく煽れ。そしてK-1をしてくるんだ。

皇治の敵は那須川天心だけじゃない。RIZIN全員。特にMMAファイターを煽ることだ。

RIZINはMMAをベースとした興行であり、当然契約選手のほとんどがMMAファイター。それに伴い、ファンのほとんどもMMAを支持するファンである。

とにかく⇧こいつらの感情を動かすことだ。

『天心倒したら、その後堀口でも軽くひねったろか?♪』

『RIZINのMMAファイターって地味な奴ばっかやなぁ(笑)だから、俺がエースになったるわ(笑)』

『RIZINに俺よりチケット売れる奴おらへんやろ?だから、しゃないから俺がRIZINのエースになって引っ張ったるわ。なぁバラちゃん?』

とか言って、とにかく天心だけではない。RIZINのMMA選手もファンも怒らせるんだ。対立軸を創れば作る程、必然的に皇治は更に光り輝く。

今回の那須川天心戦の内容次第で何も出来ずKO負けしたなんてことになったとしても、皇治の”K-1リベンジ”として。RIZINでK-1を見せれる。

かつてバンナやバダ・ハリが『MMAなんてゲイのやること』と煽ったように。

かつて魔裟斗と長島自演乙が『K-1を舐めんなよっ!!』と言ったように。

RIZINでキックボクシングをやるのではない。"K-1"をやるんだ。石井館長が極真と他流試合したように他流試合してくるんだ。ミルコがPRIDEに殴り込んで喧嘩売ったように喧嘩売ってくるんだ。バダ・ハリのようにMMAを小馬鹿にするんだ。

皇治vsRIZIN。それが皇治だけが見せれる”K-1”であるからだ。

by 不滅の鉄人

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