見出し画像

風向きが変わった。武尊vs那須川天心の実現性について。

格闘技ファンの皆様、いかがお過ごしでしょうか?

世界中でパンデミックを引き起こし、格闘技界にも大打撃を与えているコロナウィルス。

海外ではUFC、Bellator、ONE championship。日本国内ではRIZIN、新生K-1、RISEと言ったメジャー団体はこぞって中止を余儀なくされてる。

以前、投稿した↓の記事でも「コロナウィルスが格闘技界に大きな影響を与えるかもしれない」と記したが、この時はまだ対岸の火事と言うか、まさかここまでの影響を与えるとは思いもしなかった。

2020年 日本格闘技界勝負の年が始まる。─後編─|不滅の鉄人 #note https://note.com/tetsujin_k/n/n2279e9840316

さて、今回記事を書くのは、国内の格闘技ファン達の間で話題が絶えない「あの一戦」についてだ。

前回の記事では、この一戦が実現する為には、「リスクを考えた上では、やはりお互いが手詰まりになりピンチに陥った時の打開策として、最後の切り札としてやるべきでは?」と持論を記した。

皮肉にも、コロナウィルスの影響でその状況が早く来てしまったのでは?この試合の実現性が私は高まったのでは?と感じる。

間違いなく風向きが変わった。(※しかし、格闘技興行が再開出来ればの話だし、今回はあくまで今年中に再開出来ればの話だ。)

何故実現性が高まった、風向きが変わったと感じたのかを記していこう。

─目次─

No.1 : 新生K-1はこれまでの通りの運営が出来る?
No.2 : 過去に夢の対抗戦が実現したのは、どちらかが潰れかけた時?
No.3 : それでも実現しないのなら.......

──────────────────────

No.1 : 新生K-1はこれまでの通りの運営が出来る?

先月22日。さいたまスーパーアリーナで毎年恒例となった新生K-1のビッグイベント「K’festa」が開催された。

この状況の中、強行突破で開催されたが、案の定世間では問題視され、炎上した事は記憶に新しいだろう。

新生K-1に限らず国内の格闘技興行が自転車操業である以上は、あのタイミングでは開催せざるえない状況だったのだろうが、新生K-1の本当の修羅場はこれからだろう。

仮にコロナウィルスが沈静化して、今年中にイベントが開催出来るようになったとしよう。

しかし、先月の興行を経て世間の新生K-1に対する風当たりは大きく、あれだけ世間からバッシングを喰らった以上はスポンサーもこれからは集まりにくくなるかもしれない。

新生K-1の収益は大きく分けて、①チケット販売と②スポンサー収入であると考えられる。

3月の強行突破で開催された興行の影響がどれだけあるかで、もしかしたら、新生K-1は今まで通りのようなやり方ではやっていけなくなるかもしれない。その可能性が高くあるのだ。

何が言いたいかと言うと、新生K-1が今まで通りのやり方が出来なくなればなる程、他団体と交流した方がメリットがある状況になっていく、場合によっては生き残るために交流を避けられなくなるという事だ。

No.2 : 過去に夢の対抗戦が実現したのは、どちらかが潰れかけた時?

過去に、これと似た事例があった。

1つは、プロレス対抗戦「新日本プロレスvsUWF」の武藤啓司vs高田延彦だ。

この一戦はUWFが経営難に追い込まれ、団体の崩壊をなんとか防ぐべく、高田延彦が「負け試合」を前提に苦渋の決断で新日本プロレスとの対抗戦を行った試合だ。

2つ目は、2009年の大晦日「Dynamite!!2009」で行われたDREAM vs 戦極 の対抗戦だ。

この対抗戦は、当時DREAMと並ぶMMAメジャー団体であった戦極が発足から僅か3年目で経営難に陥っていた。(まぁDREAMもだから両方だな)
当初は12月30日に有明コロシアムで石井慧のプロデビュー戦「石井慧vs吉田秀彦」をメインに年末興行を行う予定であったが、経営難が災いして興行を無事に開催できるかの瀬戸際にたたされていた。そこへ、翌日にさいたまスーパーアリーナで「魔裟斗引退試合」をメインとする旧K-1&DREAMが主催する「Dynamite!!」側から合同開催の誘いがあったのだ。

「Dynamite!!」は地上波全国ネットのTBSで毎年大晦日にゴールデンタイムで放送され、しかもその年は当時の格闘技界の顔であった魔裟斗の引退試合も行われるわけで話題性は十分。DREAMも戦極も互いに経営の建て直しと起死回生を計り「DREAM vs 戦極 7対7対抗戦」が実現した。

このように、皮肉にも両方がピンチに追い込まれたからこそ「もう、やらざる得ないか.......」と言う状況からファン待望の夢のビッグマッチが実現する事がある。

過去に2002年夏に旧国立競技場で9万人を集めた日本史上最大の格闘技イベント「Dynamite!! 2002」もあったがあれは話が違う。あれは当時旧K-1の社長であり、PRIDEに経営的なアドバイスやアントニオ猪木とも親交があり、当時の格闘技界の中心でパワーバランスを取っていた石井和義氏がいたからこそ出来たビッグイベントだったわけだ。

現在新生K-1と親交のある他団体の格闘技プロモーターがいないとなれば、コロナウィルスの問題を除いたとしても、この規模の興行をやるのは非常に難しいと言わざるえない。

なので、今の現状を考えると、武尊vs那須川天心が実現する一番の可能性は複雑だが、
新生K-1が今までのように経営が難しくなり、この一戦をやることへのリスクを踏まえた上でも、ビッグマッチをやった方がメリットがある。と言うところまで追い込まれた時が一番実現の可能性が高くなっていくのかもしれない。

No.3 : それでも実現しないのなら.......

非常に複雑だが、新生K-1の経営が順調であればある程、夢の対決は遠退くし、新生K-1の経営が難しくなればなる程、夢の対決の実現性は高まるだろう。

しかし、それでも実現しないのなら、これも皮肉で複雑な話になるが、やはり、武尊が新生K-1を離脱でもしない限りは実現するのは難しいと言わざるえない。

だが、コロナウィルスの影響で格闘技界は大きく変わる。いや、変わらざる得ない状況になると思う。良くも悪くも。

世界を未曾有の危機に陥れた、このコロナウィルスがこれからどうなっていくか?

それにより、格闘技界がどうなっていくか?

それは誰にも分からない。

ただ、ピンチは視点を変えてみれば、チャンスであると言うことなんてザラにある。

昨日新生K-1の中村プロデューサーがInstagramのライヴで「夏のイベントは新生K-1の福岡、大阪大会です!以上!」とまたも「他団体との交流はない。いい加減諦めろ」と言わんばかりの塩対応であったが、状況次第では、新生K-1がRIZINと手を繋いだ方がメリットのある局面になったとしても、何も不思議ではない。

これから格闘技界が大きく変わるその先に、みんなが観たい「あの一戦」があることに期待したい。

色々言ってきたが、何だかんだ私だって観たいんだ。

そして、武尊のこの涙がいつか報われてほしい。

by 不滅の鉄人

いいなと思ったら応援しよう!