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侍ジャパンvsクラブチーム:2つのプロジェクト「チーム作り」の方法

どんなプロジェクトでも、その成功には「チーム」の存在が欠かせません。しかし、どのようにチームを作るかは組織やプロジェクトの特性によって異なります。ここでは、2つの代表的なチーム作りのアプローチについて考えてみましょう。そして、スポーツの例を交えながら、それぞれの特徴を紐解いていきます。



アプローチ①:既存のチームにプロジェクトを割り当てる

この方法は、すでに組織内で活動している既存のチームに新しいプロジェクトをそのまま任せる形です。
例えば、地域の野球チームを思い浮かべてみてください。選手たちはお互いのプレイスタイルやクセを熟知しているため、スムーズな守備連携や攻撃戦略を実行できます。このような「安定したチーム」で試合に臨むと、短期間で準備が整い、良い結果を出せる可能性が高まります。
しかし、一方で同じ選手たちばかりで試合を続けると、相手チームに戦術を見破られやすくなり、新しいアイデアや戦術が生まれにくくなる、というリスクもあります。プロジェクトにおいても同じように、既存のチームは安定性が高い一方で、柔軟性や創造性に欠ける場合があるのです。

メリット

  • 安定性
    メンバー同士が互いのスキルや働き方を理解しているため、コミュニケーションがスムーズです。

  • 迅速な立ち上げ
    新たなチーム編成が不要なため、プロジェクト開始までの準備期間が短くなります。

デメリット

  • 柔軟性の欠如
    必要なスキルや経験が既存メンバーに不足している場合、そのままではプロジェクトの成果が制限されます。

  • マンネリ化
    長期間同じメンバー構成が続くことで、新しい視点やアイデアが生まれにくくなることがあります。


アプローチ②:プロジェクトごとにチームを結成する

この方法では、プロジェクトの要件に合わせて最適なメンバーを集め、新たなチームを編成します。
ここで例として、日本代表のスポーツチームを考えてみましょう。2023年のWBC(World Baseball Classic)で見事に優勝を果たした「侍ジャパン」。その実力は疑う余地がありませんが、驚くことに、数週間前の壮行試合では中日ドラゴンズに2-7で敗れてしまいました。この試合で注目すべき点は、選手たちが一流でありながら、短期間での連携の不足が影響した部分です。実際には、帰国メンバーの時差ぼけや新たな環境への適応に苦しんでいた選手もいたようですが、それでも試合の中では、個々の選手のパフォーマンスが十分に発揮できない場面が多く見受けられました。

この事例から学べるのは、どんなに才能あるメンバーが集まっていても、チーム全体としての力を最大限に発揮するためには、連携や調整が不可欠であり、それを確立するまでは一定の立上げ期間が必要であるということです。
プロジェクトにおいても同様で、新しいチームを編成すると柔軟性や創造性は高まる一方、メンバー間の慣れが必要となり、初期段階での非効率が発生することがあります。

メリット

  • 柔軟性
    必要なスキルや経験を持つ最適な人材を集めることで、チームの能力を最大化できます。

  • 創造性の促進
    異なるバックグラウンドを持つメンバーの組み合わせが、新しいアイデアや解決策を生み出す可能性を高めます。

デメリット

  • 立ち上げ期間の長さ
    新しいメンバーがお互いに慣れるまで、一定の時間が必要です。

  • コミュニケーションの課題
    初対面のメンバー間でスムーズな連携を取るためには、リーダーシップや工夫が求められます。


どちらのアプローチを選ぶべきか?

多くの組織では、既存チームを活用する方法が一般的です。これは、特に複数のプロジェクトを同時に進行する場合や、大規模な組織で安定性が重視される場合に有効です。
一方、短期間で結果を求められるプロジェクトや、技術的な専門性やイノベーションが必要なプロジェクトでは、プロジェクトごとに新たなチームを編成する方法が効果的です。このアプローチは、まさに「代表チームの編成」と言えるでしょう。


まとめ

どちらのアプローチにもメリットとデメリットがありますが、大切なのはプロジェクトの特性や目標に応じて最適な方法を選ぶことです。あなたのプロジェクトでは、どのアプローチが適しているでしょうか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回もお楽しみに!

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