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西口へ。これからも一緒にやっていこうな。
今日2020/7/19はキャンサーペアレンツを立ち上げた西口洋平さん(ぐっち)のお別れ会だった。140人の方が集まりみんながぐっちのことを語りながらとても楽しい時間が流れた。
忘れられない日になった。
ぐっちと親かった友人のみなさんが手紙を読んだ。
西口への大切な気持ちとして、自分も手紙を書いたので、また振り返れるようにここにオープンに残しておきたい。
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西口へ。
今日は、西口に今伝えたいこと、西口を支えてくれた人へ伝えたい事を書いてきました。
大切な思い出が昨日のことのように出てくる。
高1のとき私からあなたへ3日に1回は電話していました。
人を楽しませたいという志向が同じで、当時流行っていたダウンタウンの番組を見て、笑いの雰囲気の出し方を電話で繰り返し練習していたことが懐かしい。
すべりまくっても2人の世界なので心理的安全性がとても確保されていましたねw
初めて友人みんなでカラオケに行ったとき、あなたの歌がうますぎて衝撃を受けたことを今も鮮明に覚えています。
私も歌が好きだったので、将来2人で路上で弾き語りをしたいと当時は本気で考えていたこと、恥ずかしくて一度も伝えられませんでした。
でもあなたとカラオケで一緒にハモり、たまに女性からヒューヒュー言われて我々が高揚するあの甘酸っぱい場面も本当に大切な思い出です。
家に遊びにいくと優しく迎えてくれるあなたのお母さん。真摯なお兄さんと穏やかなお姉さん。あといつも酔っぱらっているイメージでキャラの気さくなお父さん。
他人とは思えないような居心地の良いあなたの実家を思い出すと、温かく穏やかな気持ちになります。
ずっと意識していました。
社会人になり大阪で実績を上げて東京に栄転。
夜遅くまで働く姿はとてもまぶしく見えました。そんな姿に刺激され、あなたを追うように私も東京へ行きました。
その数年後の35歳の春。いつものように連絡をすると病院にいるということ。どうしたんだろうと少し心配な気持ちで向かいます。
着くとついこの前会った時から半分くらいに細くなったあなたから、「ステージ4、手術ももう出来ず腹膜に細かいがん細胞が転移していること」を伝えられました。
とにかく平常心を保ち聞いているのが精一杯。その帰り、共通の友人の森田君にメッセンジャーで連絡した瞬間に涙があふれ、35歳アラフォーの自分が飯田橋駅で人目もはばからず泣いていた事が昨日のことのようです。
何があなたの心に届くのかをサンタさんが教えてくれた。
最初のうちは、がんの知識もなく冷静にもなれず、エビデンスのない治療法をいろいろと進めてしまいごめんね。私も勝手に必死なっていました。
何が西口の心に本当に届くのだろう。
東京で一緒に遊んでいる時のあなたは20代の頃と変わらず、心にギラギラしているものを持っていました。その熱い心が会話のどこかの拍子でちょこちょこ出てくることを友人としては感じていました。
そんなことをもやもやと考え続け、半年ほどした2015年の秋頃。
当時働いていた企業でヘルスケアをテーマとするビジネスプランコンテストが開催されると聞き、「これだ!」と思いました。
没頭し生きがいになるような事こそあなたがやりたいことなんじゃないか。直観的にそう思いました。
お昼休憩に「一緒にやらない?」とLINE。
10分しないうちに、「がん患者同士のクローズドなコミュニティ」というアイデアを返信してくれましたね。
ただ、それをどう進化させるかを2人で悶々と考える日が続き、2015年12月25日クリスマスの日の朝。
NHKのネットニュースで子どもをもつがん患者が毎年約5万6000人ずつ増えているというニュースがとひこんできました。
LINEでその事を興奮気味にあなたに送り、すぐに国立がん研究センターに取材のメールをしましたね。
コンテストの通過には至りませんでしたが、そこで一緒に作ったものが2016年4月のCPのリリースにつなげることができました。
CPは、社会に貢献したいというあなたの願い、そしてあなたのことを想う周りの人達みんなの願いがサンタさんに届き、クリスマスプレゼントとして運んできてくれてできたもの、そう思っています。
今の気持ちは、寂しいけど近くにいる感覚は何も変わっていないです。
なんというかあなたが凄く遠いところに行ってしまった感覚は正直ありません。
それは「”つながりは生きる力になる”を証明する」というあなたが残したメッセージがとても強烈で、世に訴えるものだからだと思います。
あなたの一貫性と愚直さから生み出された魂のコトバだし、その気持ちにいつも触れることができるからです。
私は「西口と一緒に過ごす時間を後悔したくない」その思いでずっと一緒にやってきましたが、西口はどうですか?人生に後悔はありますか?
CPも本当にこれからという時期でしたし、最後のあなたの気持ちを考えるととても悔しかったんだろうなと思います。
でも、CPには「あっち支部」があります。全力でCPをあっち支部でも広げていってることがイメージできるので、それを思うと心が少し落ち着きます。
そして奥さんと娘ちゃんのことについても見守っているでしょうし、なによりもあなたが結婚式で奥さんに言っていたように「俺のことを見守っていてね」と、ちょっと昭和で本当は”かまってちゃん”な西口が、背中で二人に語りかけている気がしています。
最後に西口とCPに協力してくださった皆様へ感謝を述べさせて下さい。
直接のお名前をここで全て申し上げる時間がないのが残念ですが、西口が直接言えなかったかもしれない感謝の気持ちをあなたの代わりに伝えますね。
キャンサーペアレンツの立ち上げ時にインタビュにご協力頂きがん領域、がん患者の実態について教えてくださった皆さま
マネタイズへのアドバイスに献身的に乗ってくださった企業の皆様
CPWEBの開発に携わって頂いたエンジニアの皆様
CPWEBのデザインやイラストを作成して頂いた皆様
イベントをする際に無償で惜しみもなく場所を貸して頂いた皆様
CPの想いに協力を頂きご寄付やビジネス的な協業のご支援を頂いた企業や個人の皆様
CPや西口とコレボレーションをしていただいている患者団体の皆様
取材をして頂き、CPのサービスを世に発信頂いているメディアの皆様
西口の事をずっと一緒に応援してきた小中高大の友人の皆様
西口の青春であり、人生そのものと言ってもよいエンジャパン皆様
西口の想いに共感し集まってくださっている運営スタッフの皆様
そして、いつも温かい患者同士の場を作っていただいているCP会員の皆様
この場をお借りしまして、これまで本当にありがとうございます。
そしてこれからもどうか西口の想いと一緒に、CPが継続するサービスになるために力をお貸しください。
一緒にやっていきたいです。
西口へ
なんというか、自分の中ではまだこれからも西口と一緒にCPをやっていく、実際に一緒にやっているという気持ちです。
いろいろ伝えてきたけれど、
一番伝えたいのは、「これからも一緒にやっていこうな」それだけです。
なので、これからもよろしく。
いつも本当にありがとう。
神吉徹二