世界自閉症啓発デー/発達障害啓発週間に、ヘラルボニーとコロナによる「連帯と寛容」or「分断と不寛容」について(エシカル100考、91/100)
4月2日は世界自閉症啓発デー。そして2日~8日は発達障害啓発週間です。
テーマカラーは青。
「癒やし」や「希望」を表すブルーが、自閉症のシンボルカラーとなっているそうで、青い服などを多めに着たい1週間。
例年、千田明寛さんが副住職を務められている川越の瑶光山 最明寺さんがブルーライトアップと関連イベントを行っており、青く照らされた本堂を拝見しに行くのが楽しみだったのですが、今年は控えないと、、。(写真は昨年の)
残念だけど、秋のピンクリボンのライトアップは見に行けると信じて自宅ですごします。
自閉症啓発デーということでみなさんにお読みいただきたいのが、『サーキュラーHR』で取材したヘラルボニーの松田崇弥さん、文登さんの記事です。
「この国のいちばんの障害は、『障害者』という言葉だ。」というエッジのきいたキャンペーンも印象的だったヘラルボニー。兄弟(双子で、というより3人兄弟で)創業されて、着々と歩みを進めるうえでの仕事観、チーム作り観をお読みください。
世界自閉症啓発デーにあわせた限定ネクタイも発売中なんですね!・・・惹かれる。。
コロナウィルスは、本来は私たち人類に「連帯と寛容」をもたらすものなはずだと思います。
だって、ウィルスの前では人類皆平等なんですから。連帯せざるを得ない。
そして健康面、ひいては経済面で弱い人たちがウィルスに打撃をうけやすく、そこから周囲に感染が広がりかねないとすれば、弱い人をケアしあおうという寛容さも広がっていい。
ウィルスとの戦いは打ち勝つ(根絶)なんてできず、引き分け(共存)狙いなんですから、引き分け戦術としては弱いところと強いところ(医療分野)にリソースをまわして、あとは守りに徹するものだと思います。連帯と寛容をもちながら。
しかるに、今各地で「分断と不寛容」の広がりも見られます。それらは社会の苦痛です。
わからなくはない。いやむしろ、当然なのかもしれない。
コロナウィルスに接したとき、悟りを開いた人でもない限りは皆、恐れを抱きます。誰だって怖い。
「Fear leads to anger. Anger leads to hate. Hate leads to suffering.」というのは、スターウォーズep1のヨーダの言葉です。真を突いています。
恐れが憎しみにつながり、「分断と不寛容」という社会の苦痛を生んでいる姿を、私たちは日々見ているのでしょう。
にんげんだもの、恐れることも、憎むこともある。そこまで含めて、人というものは愛すべきものだと思います。
しかし、流されてはいけない。流されないことは、「連帯と寛容」をベースに考え、暮らし、生きることは、そんなに難しいことではない。
ヘラルボニーの松田さんお二人の記事は、そんなことも感じさせてくれると思います。
恐れ、憎しみ、苦痛にたいして、抗う力を人に与えてくれるのは、やはり芸術です。ヘラルボニーもだからこそアートとファッションをやっているのかも。
僕の大好きなポーランドのノーベル文学賞詩人、ヴィスワヴァ・シンボルスカが憎しみについておちょくり、戒めた詩の一節を引きます。憎しみにも寛容の視線をもつことが、人の営みなのかと思えます。
「それは自分を生みだす原因を
自分で生む
眠るとしても、けっして永遠の眠りではない
不眠のせいで衰弱するどころか、いっそう強くなる
宗教やら何やらで
人はスタートの姿勢をとり
祖国とか何とかで
人は「よーい、どん!」で駆けだしていく
はじめは正義だって悪くないのだが
それからひとりで勝手に突っ走るようになる
憎しみ 憎しみ
その顔は愛の恍惚に
歪んでいる」
『終わりと始まり』ヴィスワヴァ・シンボルスカ(未知谷)収録「憎しみ」より引用