鉄道員から見る今の鉄道業界と仕事内容
質問箱を通じて、就活中の方から現業で働いている人から見た鉄道業を教えてほしいということで書いてみることにしました。途中までは無料で読めますが、最後まで読むには有料になりますのでご注意ください。その分ちゃんと内容は濃くしています。また、自分が関東の鉄道会社で働いているので関西の鉄道会社について疎い部分がありますがご了承ください。関東の鉄道会社については就活のときにも分析したりしましたが…自分が就活したときと情勢は変わってしまっていますが。
記事内で複数の鉄道会社を比較する際の記載の優先順位?ですが、JR7社のあとに私鉄を名前順で並べるようになるべくしております。一番大きいかな?という単純な理由ですが…。
なお、ここに記載の画像や資料は自分で撮影・作成したものですので転載はお控えください。
前置きが長くなりましたが、ここから本題になります。
最近の鉄道業界について
皆さん既知と思いますが軽く触れます。
まず、最近の鉄道業についてですがコロナの影響でほとんどが赤字経営になっています。コロナウイルスによる緊急事態宣言や外出自粛によるもので
・定期券収入の減少
・定期外収入の減少
・訪日旅行者の減少
でしょうか。
定期券収入は、文字通り定期券の購入件数が減ったことです。特に1回目の緊急事態宣言の時には定期券の払い戻しが多くあり、一部駅では払い戻すお金がなくなるほどでした。駅は基本的に毎日お金を回収していますので、その日に切符の売り上げがなければ駅にお金はありません。(もちろんつり銭や払い戻しを考慮し多少はあります。)そのため、今回のコロナや台風などで収入が無く払い戻しが多い場合は払い戻すお金がなくなることもあります。
定期外収入は、旅行などで日常的に鉄道を利用していただく方が減ったため減少となりました。
訪日旅行者も全然見なくなりました。2019年まではすごく外国人のお客様が多かった印象でした。ラグビーW杯などもありましたね。コロナ前は本当に訪日旅行者がたくさんいらっしゃいました。
上記の理由から、鉄道会社の収入はかなり厳しいものになっています。
採用状況と採用試験について
22年卒の学生さんには残念なお知らせになりますが、現在の鉄道会社の採用状況も非常に厳しい状況になりました。
JR7社の採用状況をまとめてみました。(本当は私鉄もまとめたかったのですが、全社入れるのは非常に時間かかりますのでやめました。)
2021年度(北海道は2020年度)の採用予定数と2022年の採用予定数を比較する図を作りました。JR四国とJR貨物を除いて採用人数が減っています。特にJR九州は採用見送りとなっています。
JRのみならず私鉄も採用見送りの会社もあります。働いている身としては、慢性的な人手不足だと感じていますが、新規に人を雇える資金などが今はないという感じでしょうか。
最近だと近鉄が600人希望退職を募っていましたね。さらに経営悪化すると各社でどんどん人員整理されそうな気もします。
そのような状況なので採用予定数は現業・非現業ともに非常に少ないです。22年卒にとってはかなり狭き門になっています…。
採用試験について
鉄道の採用試験は筆記試験もありますが、適性検査が非常に重要になります。今までは駅業務を経験し、乗務員として働くという流れがありました。ワンマン運転の可能性もあり現在は必ずしもそういうわけではありませんが、乗務員までいくと思っていたほうがいいです。
ただ小田急電鉄のように最初から乗務員には行かず駅のプロになるという駅務採用も行っている箇所もあります。採用された形態の変更は難しいので入社の際よく考えて志望してください。採用試験で最も有名なのは内田クレペリン検査ですね。とりあえず腕と指が死にます。「内田クレペリン」で検索していただくといくつかサイトが出ます。また、色覚検査もあります。鉄道では信号機の色によって運転をする部分がありますので色覚検査で引っかかってしまうと厳しいものと思われます。図形の問題が出る試験もあります。「NR検査」というものになります。その他は一般教養や面接試験といったところでしょうか。
いま鉄道会社はこうだ(業界分析用)Part.1
ここから有料となります。この先の記載はこのような感じでいろいろ記載してあります。
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