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初潜り
もぉ少し、華やかな画像をとも思いましたが、私が常日頃からフィールドワークをしている三保真崎は、稀少生物の宝庫なので、もちろん季節来遊魚や無効分散種も取り扱いますが、基本路線は他のダイビングポイントでは、あまり出てこない生物が中心となります(ちなみに、スベスベオトヒメエビとシュンカンハゼです)。
ご挨拶が後回しになってしまいました。
明けまして、おめでとうございます。
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例年ですと12月になれば、1〜2cm程度の幼魚がゴチャっと溢れかえっているのですが、この冬は一向にその姿を見せてくれませんでした。産卵が始まった時期が遅かったこともその一因だと考えますが、最も危惧しているのは、これまでと産卵場所が変わったことで、浮遊期のサイクルに影響が出たのではないか?という事です。つまり、受精卵が流れて行って、浮遊期仔魚が戻ってきて、ダウンストリームで着底するこの構図が破綻したのではないかと考察しています。単に開始の遅れで数がまとまっていないだけならば、今月の中旬には例年のような状態になるのでしょうが、昨日の時点では、10個体ほどしかカウントできなかったので心配をしています。
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何と言っても新春第一弾のお年玉生物は、このコガラシエビです!
見た瞬間にあまりの驚きにバグってしまい、思考が停止したほどでした。この大きさで流れてくることは考えられないので、人目に触れず、外敵を避けてここまで大きくなったのだと思います。
折角なので、すでに無効分散種と呼んで良いのか躊躇しますが、まだ和名の無いUrocaridella antonbruniiを紹介します。ちなみに背景に数匹存在が確認できる鋏脚の長いエビも和名どころか学名もありません。
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そんな訳で、普通に和名や学名が定まっていない生物がウヨウヨいるって凄くないですか。
出前授業で小学校に行くと必ず、この手の生物を引き合いに出して、研究して学会で発表をすれば、この生物に名前をつけることができるんですよ〜って話をすると盛り上がります。しかしながら、頭の良い子は「なんで先生が研究して名前をつけないんですかぁ〜」って切り返されます。まぁ、難しい質問ですが、私にはそこに対する熱意がないのです。以前は、新属・新種を見つけることに心血を注いだこともありましたが、自分がその専門家でない限りは、その行為は承認欲求でしかないことに気がついたからです。
もちろん、新属・新種の発見は面白いのでやめませんが、専門家の方や研究者の方への情報共有として、今後も行ってゆくつもりです。
あと何年かの間に自分が自分の専門領域でどの程度の実績を残すことができるのか、研究者として研究機関に居られる時間も限られてきました。今年からカウントダウンのつもりで、真面目に自分のやりたい研究を貫きたいと思います。