卵のガイドができて、ガイドのたまご
前回のnoteで以前、セミナーやイベントでお話ししたガイドにおける「卵」の存在の重要性についてお伝えしました
今回はその続編というか、前回言及できなかったことをお伝えして完結させたいと思います
例えば、何の前置きなしに水中で、いきなりスレートに画像のキャプションを書かれて理解のできる人って何人くらいいるのでしょうか
研究者や専門家、ガイドを生業にしている人や相当生態(変態ともいう)ダイビングに入れ込んじゃっている人を除いては、???が並ぶ記述だと思います
誰彼(彼女)構わずに、こんなことを書いてしまうのは、卵のガイドでも無ければガイドのたまごでもありません
単なる独りよがりです
とは言え私も思い返せば、ここまでの醜態ではありませんが、これに近いようなガイドをしていた時期がありました
相手のニーズやレベルに配慮しない、今のこの場所のベストを伝えるのがイケてるガイドなんだっていう勘違いです
もちろん、ブリーフィングや前振りがあって、相手の興味を事前にこのステージまで引き上げた状態でやるのであれば、それは一角(歯が伸びてツノみたくなっちゃった海獣ではありません)のガイドといえます
例2.これまた唐突に、水中でこの白いフリルを見せて、このキャプションがスレートに書かれたらどうでしょうか
そもそもイッサイフシエラガイがウミウシの仲間であることすら知らない人が多い(のではないか)と思うので、そっちの興味が薄い人にとっては??が並ぶのではないでしょうか
この事例も、事前に「おしながき」の中で説明がされていれば、卵自体の造形や珍しい生物の卵なんだという認識の中で、観察や撮影の価値が上がると思います
このカットは、正直に申し上げると全く卵の存在に気がつかない状態で撮影しています
左奥に螺旋状に産み付けられた白いものが卵塊です
うっそぉ〜とか、んなわけ無いでしょぉ〜って言われるかも知れませんが、残念なことに今の私の目には、その性能は兼ね備わっていないのです
それでも地道に好きなことだけやっていると、たまにこんなラッキーがあります ありがたいことです
後付けのラッキーカットを使って言うのも烏滸がましい話ですが、相手に観察や撮影を促す際に、どの角度からアプローチすると、この幸運を共有できるのかって事を考えて紹介するのとしないのとでは、観察後の満足度のメーターの振れ具合が違ってきます
あまり深くまで書き過ぎると、活躍するガイドさんたちのご迷惑になるかもしれませんのでこの辺で止めておきますね
表紙の画像の卵は、オオミミズハゼの卵です