タコベラが面白い
私が普段から潜っている三保真崎では、タコベラは観察頻度の低い種になります。ベラやスズメダイは他のダイビングエリアでは多種が見られますが、三保真崎では、その適合環境にマッチしていないのか、それほど多くの種に遭遇することはありません。
この時は、たまたま1回の潜水で2個体に遭遇し、2回目の個体は、あまりにも絡んでくるので、小1時間ほど観察をしました。どの程度、フレンドリーかと言うと、表紙の画像はAPSの35mmのレンズで撮影しています。ここまで寄ってくるのがデフォルトで、後ピンになるくらい接近してきたことも多々ありました。これまでも、タカノハダイやオキゴンベ、イラでも労せずして、こちらに関心(好奇心)を抱いて、意志が通じているんじゃないかってくらいサービス精神の旺盛なこともありましたが、今回はそれが三保では馴染みが薄いタコベラでした。
あくまでも考察の範囲ですが、行動を観察していると、成熟して繁殖したいんだけど、相手がいないのでイキっていたのか、あるいは寄生虫が付いていてクリーニングして欲しいかのどちらかなぁ〜って感じでした。
その理由は、キュウセンのメスに絡むんですけど、全く相手にされない(笑)。キュウセンのメスは、もっと大柄な緑色した体躯が好きなので、眼中にないって雰囲気がバリバリ出ています。次に、寄生虫に関する考察ですが、やたらと石や木切れに体を擦り付けるのです。加えて、やたらとキタマクラに寄り添うことが多く、キタマクラもこのタコベラを意識していたように感じました。
タコベラが自分から行くこともありましたが、キタマクラの群れに突っ込んでいって、その群れの大半がこのタコベラに興味を示していたことから、そのように思った次第です。
それに加えて面白いなぁ〜と感じたのは、キュウセンのオスやオオモンハタとのコミュニティです。
かと思えば、再びキュウセンのメスとキタマクラとコラボするし(笑)。
これまでタコベラが加わっていないと見られなかったシーンが繰り返されるので、実は今までもこのような状況はあったのだけど、自分が気かついていなかっただけなのか?と不安になるくらい面白いショータイムでした。
潜る度に、自分がこれまで如何に節穴だったか、思い知らされることが多く、生物の図鑑から始まり、クストーのカリプソ号の冒険によって、海の生物の興味が高まり、いつの間にかニコノスやフジのシングル8を持って潜るようになった小学生時代の自分が如何に偉大であったかを思い返します。
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