くしろ哲学カフェ@946BANYA 開催50回!
2022年に北海道釧路へ引っ越してきて、その年の10月から哲学対話の場を「港まちベース 946BANYA」で定期的に開催してきました。2年経って12月で50回目を迎えます。
これまでほぼ重ならないテーマで対話をしてきました。フリーテーマの時は始まってみないとわかりませんが、重なったテーマだったことはほとんどありませんでした。それだけ対話の場に上がってくるテーマが多いと改めて気づきます。
テーマは対話の場の方向性を1つにするもので、難しいものである必要はありません。子供たちがお母さんに「なぜ〇〇なの?」という質問をぶつけるのと同じようなものでも対話になっていきます。大人の対話の場でも簡単な問いが出てくる方がいいと思っています。
これまでやってきて、普段周りに気を遣っていて話したいことが話せてない人ほど、哲学対話の場で普段抑えていることをたくさんお話ししてくれると感じています。
最初のルール説明で「ここの場の話はこの場限り、安心安全の場にしていきましょう」とご説明しているので、その信頼関係が気持ちを開放させてくれていると思います。途中でこんなこと話してもいいの?という自己開示があったりと、信頼があるからこその対話の深まりが起こってきます。
そのおかげで話しながら本人が気づく瞬間にも立ち会えたり、他人の話で自分の考えが変わったりと表情の変化で伝わってくることも少なくないですね。コーチングでコーチがクライアントに質問をして、クライアント自身が自分の言葉で気づくことがありますが、哲学対話でも自然にそのような状況が起こります。
複数人で対話をする時に話をするのは必ず1人というルールを徹底して、他の人はひたすら聴く、自分の頭で考える状態になりますが、その時に自ずと傾聴する姿勢になっていきます。傾聴しながら時にリアクションも出てきたりと、リアルの対話では非言語のリアクションで伝わってくることがオンラインよりも多くあると実感しています。
あるコミュニケーションスキルを学ぶ際に部分的に分けながらワークすることがよくあります。しかし、哲学対話の中には様々なスキルが混在しているので、対話のルールに従って参加しているだけで、スキルを切り分けて練習しなくても自然に身についていくと経験から感じています。部分ワークで練習しても、総合的な実践ではなかなか活かせないという人に向いていると考えています。
その他にもいろいろな効果があると考えていますが、このような対話を続けていくともっと大事なことが身につくと確信しています。
他人の話をしっかりと聴く、否定しないという姿勢が当たり前になると、「他人を尊重する姿勢」が自ずと身についていくのではないかと対話の場を重ねてきて感じています。
釧路へ来てから初めて街なかで対話の場を作って実践してきました。おかげさまで12月28日の回で50回を迎えます。この活動を理解していただくだけでなく、応援していただけることも多く本当にありがたい限りです。
哲学という言葉が難しい印象を与えてしまっていますが、まずは経験していただければありがたいです。
946BANYAという素敵な場所で哲学対話していますので、お会いできるのを楽しみにしております。