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沖縄県那覇市 首里城公園

沖縄の歴史を知るにはまず琉球王国を知らなくては、ということで首里城に行ってきました。琉球王国の概略はこんな感じ。

1429年に尚巴志(しょうはし)が北山・南山・中山という3つの勢力をはじめて統一したことで琉球王国がはじまります(第一尚氏王統)。その後、1469年に金丸が陰謀により政権を奪い、尚円王を名乗ったことで第二尚氏王統時代がはじまりました。
第二尚氏王統時代の1609年、薩摩藩が樺山久高を総大将に首里城に攻め入り、琉球国王は首里城を出て降伏します。薩摩藩の侵攻の目的は琉球王国が中国との貿易で得ていた利益を奪うことでした。貿易を円滑におこない継続して利益を得るには、当時すでに中国との関係を深めていた琉球王国を引き続き独立させておくほうが都合がよかったため、表向きは独立させながら、実権は薩摩藩が握りました。これにより琉球王国は存続し、薩摩藩に支配されながらも独自の文化を継続することができました。
そして明治維新後の1879年、明治政府が琉球処分により沖縄県を設置したことで琉球王国は消滅しました。

という歴史のある琉球王国の首里城ですが、2019年10月31日の火災によって焼失し、現在復元作業が行われています。正殿は3階まであるのですが、建物の外側に取り付けられた階段を上がることで、2階、3階の外観工事の様子を間近で見ることができます。完成してしまえば当然外観は地面から眺めることしかできなくなるので、工事途中のものとは言え、今しか見れないものを見ることができました。また、首里城といえば赤色が印象的です。この赤色は琉球王国時代の古文書に「久志間切で弁柄を調達するように」と記述されています。これまでは久志間切(間切:琉球の旧行政区画)のどこに弁柄(赤色を出す顔料)の原料があるのか分かりませんでしたが、近年の研究で名護市久志の川に生息するバクテリアが由来ということが分かりました。今回の復元ではこの弁柄を用いるため、焼失以前の首里城(平成時代に復元されたもの)の赤色と若干異なった赤色になるということです。
完成は2026年予定。どんな赤色をした首里城になるのか楽しみです!


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