農業用ドローンって何をするの?
僕は、日本酒が大好きだ。特に美味しいお魚の刺身と飲む時は格別だ。
余談はさておき。
農業用ドローンって何ができるのと思っている人がほとんどだと思う。そのくらい一般の人には馴染みのないドローンなのだろう。
僕は、ドローンパイロットとして、UTC農業ドローン協議会が主催する農業従事者向けの農業用ドローン講習でインストラクターしていて、農業用ドローンという認知度のないドローンが日本の農業にとって、とても大事な役割を果たしていくということを身を持って感じたので少しでも多くの人に知って欲しいと思った。
現在の農業用ドローンで可能なことは主に、
〇農薬・肥料散布
〇生育状況の調査
である。
◇なぜ、農業にドローンが必要なのか。
現在、日本における農業従事者は、年々減少しており、近年にあっては、年間10万人もの農業従事者が減少している。農業従事者の平均年齢は67歳と高齢化が進み、農地の担い手への農地集積により農地の大規模化が進んでいる。
よって、大規模農地を少数で運営していかなければならず、農作業の簡素化、つまり自動化を急速に進めていかなければならない状況である。
そこで、農薬散布、生育調査等、一部の農作業にドローンを活用することにより、人手不足をを解消、ひいては日本の農業を守り、さらに発展させていくために農業用ドローンの普及が必要不可欠になっている。
○農薬・肥料散布
日本は、高温多湿の気候であるため、農作物に害虫が寄生したり、土壌による作物の病気、圃場に雑草が繁茂してしまう。
これらの病害中から農作物を守るため、定期的に農作物に農薬を与えてあげなければならない。
手動の場合、重量のある機械を持って田んぼに入り、歩きながら農薬を撒いていく。1つの田んぼを撒くのにかかる時間を約1時間、農業用ドローンを活用すると、作業時間は、数分で終わる。慣れてしまえば3分もかからない。つまり、ドローンを活用すると作業時間の大幅な短縮、防除の効果も手動で行うよりやや向上することが実証されている。
農薬散布以外にも肥料散布、播種、受粉、農作物運搬などに活用が出来る。
○生育状況の調査
ドローンにより農地を撮影した画像の分析を行うことにより、生育状況や病害虫の発生等を可視化することが可能となる。
これらで得られた情報を田植え機、トラクタ、ドローン等の農業機械にデータを読み込ませることで適切に肥料等が撒布でき、農地の状況をデータとして残すことができる。
◇農業用ドローンの普及
日本で農業用ドローンが普及し始めた平成28年から比べると、普及率は数倍以上になってきているが、地域によって普及率に差がある状況である。
普及されていない地区では、農業用ドローンの存在を全く知らないという人もいて、地域によって情報格差があってまだまだ普及が進んでいない。
普及しない要因は、情報格差に加え、費用面や技術面など挙げ始めればきりがない。だが、実際に農業用ドローンを活用している農業従事者は、格段に収穫量や作業効率が上昇しているし、農業用ドローンに対する満足度は極めて高い。
僕はインストラクターとして、いろんな農業者に出会ってきたが、農業用ドローンが万人に使われるようになるのはまだまだ先になるのじゃないかと感じている。
国、地方公共団体や各ドローン会社が協力して、費用や技術、そして農業用ドローンの有効性について普及活動をもっと行うべきであると思う。
僕もいきなりは難しいが少しずつやってみようと思う。
美味しい日本酒をいつまでも飲みたいから。