ITわからない情シスだった自分がセキュリティを始めるまでの話

はじめまして。てつと申します。
製造業の情シスで2024年の4月からセキュリティをやっています。

今回は自己紹介がてら、ITわからない情シスだった自分がセキュリティを始めるまでの話をします。

ITわからない情シス時代

今の会社には2017年の4月に新卒で入りました。自分の意志で情シス部門を選んだのですが、特に情報系の素養があったわけではありません。大学時代は物理をやっており、研究のために少しだけプログラミングした程度です。「じゃぁどうして情シス部門を選んだのか」と言われそうですが、正直に言うと大学の研究室時代から仲の良かった先輩が情シスにいて、また一緒に働きたかった、それだけの理由です。

入社して最初の4年間はERP関係の仕事をしていました。先輩たちから大切にしてもらい楽しく過ごしてはいたのですが、もう少し勉強しておけばよかったと後悔しています。よくある話かもしれませんが、技術的なところはベンダーや社内のインフラチームに丸投げ、勉強と言える勉強はしておらず、先輩の働き方を真似するだけの日々でした。

当時の私を一言で表現するなら、「社内の事情は多少知っているけど、外で通用するスキルはコミュ力()以外ほとんど何もないアラサー」といったところです。本当に何のスキルもなかったわけではありませんが、外に出て「私はこれができます」と言えるようなスキルはなかったです。

以下が、情シスとして4年間働いた時点の私のスペックです。

  • LinuxにSSHしてPythonで簡単なプログラムを書くことができる(学生時代の貯金)

  • テーブル定義書を見ながらSQLで簡単なSELECT文を書くことができる

  • IPアドレスの `/24` を説明できない(というかネットワーク何もわからない)

  • AWS SAA合格(でもネットワーク何もわからない)

  • 「基本情報」や「応用情報」と呼ばれる資格が存在することを知っている

研究開発部門での修業

ITわからない情シスとして過ごしていた私に転機が訪れました。研究開発部門への異動です。弊社では部門間の人材交流がそこそこあり、その一環という位置付けでした。

研究開発部門と言っても、情シスから異動した私がガチで研究開発をしていたわけではありません。以下のような「ほとんどソフトウェアエンジニアじゃねぇか!」と言われそうな仕事をやっていました。

  • 製造工程のデータを収集するシステムの構築

  • データサイエンスを使った品質予測システムの構築

  • 非エンジニアがデータサイエンスを活用するためのWebアプリ開発

これらを自分たちの手で実装したことで多くのスキルを習得できましたし、社内のインフラにも詳しくなりました。

余談ですがRustというプログラミング言語のカンファレンスで発表させていただいたのも良い思い出です。

また、当時のメンターに勧められて以下の試験に合格し、体系的な知識も習得できました。

  • データベーススペシャリスト

  • ネットワークスペシャリスト

  • 情報処理安全確保支援士

ちなみに私が研究開発部門に所属していたのは3年間です。短い期間で様々なスキル・知識を習得できた(そして勉強する習慣が身に付いた)のは仕事の采配や組織文化が素晴らしかったからだと思っており、当時の上長やメンターには大変感謝しています。文字通り「人生が変わった」3年間でした。ここについても書きたいことはたくさんあるのですが、またの機会にします。

セキュリティの波動に目覚める

情シスから研究開発部門に異動した数か月後、ある書籍に出会っていました。「暗号と認証のしくみと理論がこれ1冊でしっかりわかる教科書(通称:暗認本)」です。

X(当時はまだTwitter)で見かけてなんとなく買ったところドハマりしてしまい、「暗号や認証だけでなく、セキュリティ全般について勉強してみたい」と思うようになりました。

当時の私がセキュリティを勉強するモチベーションは、

  • 身の回りで使われている技術の裏側がわかる

  • こんな悪いことができちゃんだ!というワクワク感

だったように思います。おかげでネットワークスペシャリストや情報処理安全確保支援士の試験にはそれなりの点数で合格することができました。

また、前述の書籍などに影響されて書いた記事がZennでトレンド1位になったりもしました。タイトルがアレですが。

趣味から仕事へ

研究開発部門にいながら趣味でセキュリティを勉強し始めた頃、弊社のセキュリティチームに何やら凄そうな人が転職してきたことを知ります。研究員として暗号技術を取り扱った過去を持つ人でした。

気になりすぎたので私からアプローチして何度か会話させてもらっているうちに、「研究開発部門から情シスに戻るときはセキュリティのチームに入りたいし、できればこの人と一緒に働きたい」と思うようになりました。どうしてそう思ったのか正直あまり覚えていないのですが、子供の頃から所謂「将来の夢」がない人生を過ごしてきた私にとって、就きたい職業ができた初めての出来事だったように思います。

そして2024年の4月、研究開発部門での修業を終えた私は、無事に情シスのセキュリティチームに異動となりました。前述の人とも一緒に働けています。

異動先を自分で選べるわけではなかったのですが、いろいろ工夫した結果、汲み取ってもらえたように思います。「いろいろってなんやねん」は、また別の機会に。

これから

仕事とは別に、セキュリティをやっている皆さんとの交流も楽しんでいきたいです。

どこかでお会いした際には、よろしくお願いします!

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