旅③カリフォルニア州 シェ・パニーズ編 #006
ポートランドを後に、さらに南下しカリフォルニア州を訪れました、カリフォルニアと言えばサンフランシスコですがあんまし興味ないのでスルーし、隣のバークレーにあるとあるレストランを目指しました。
目的地がほとんど無い旅の中でも、数少ない旅の目的の一つであった「シェ・パニーズ」だ。
結論から言えば、その後TETO-TEOを構想する上でも最も重要な存在となりました。
シェ・パニーズはアメリカで最も予約の取れないレストランと言われており、オーナーはアリスウォーターズという女性シェフです。
かつて(20年〜40年前とか?)アメリカ料理というとハンバーガーやフライドポテト、コーラなどジャンクでハイカロリーなイメージしかなかったかもしれません、事実アメリカの食文化は当時破滅に向かっており成人病や肥満、栄養失調、各種難病の増加など・・・悪い傾向へどんどん加速していった時代があったようです。(日本の食文化では考えられないような時代だったんだろうなと想像しつつ、)
アリスのポリシーは、「ローカル、シーズナル、オーガニック」、そして「地産地消、その日採れた新鮮な食材を使い素材を存分に活かした調理法や味付けをする」というもの、
メニューは予め決められたものはなく、その日に採れた食材からメニューを考案するスタイル。現代ではスタンダードになりつつあるも、それを40年も前からたった一人で始め、それまでの大量生産大量消費のアメリカの食文化を覆す革命を起こし、「Lifetime何ちゃら〜」という過去50年でもっとも米国料理に影響を与えたと称えられた実績も。
日本でも10〜15年前くらいにスローフードやという文化が流行ったりオーガニックという言葉が普及し始めたけど、その生みの親的な存在です。
またアリスはレストラン経営のみならず、食育にも力を入れており、「みんなで作ってみんなで食事をしましょうという」取り組みをアメリカ全土の学校で開催していたり、そのプログラムとして、小学校や中学校での畑作りや栽培、収穫、そして調理して食べる、更には食と地域と環境のかかわりなど通常の農業体験より中長期的な生産から食卓までを学べる一貫したプログラムを開催しております。教室ではなくedible schoolyardという「食べられる校庭」では、開放的な野外での授業、野遊びの授業などもあるそうです。生徒が育て、収穫した季節の野菜を使いピザを焼きみんなでテーブルを囲み食事を楽しむそうです。真の食育ですね。
予約が取れないレストランと聞いていたのでおそらく食事はできないだろうと、せめてコーヒーくらいなら出来るかなと思い切って予約してないけど入れますか?って聞いてみたらやはり予約で数ヶ月埋まっているから〜的な感じでしたので、まぁそうだよねと引き返そうとしたその時、奇跡的にタイムリーにキャンセルが出たから一人なら入って良いよと言ってくれて食事もできたことはラッキーだった。
更には興味津々にいろいろ見てたからか、よかったらと厨房も見せてくれたりと思いがけない体験ができた。(あとあとそれを話したいろんな人からも、それはかなりの奇跡的な体験だと言われつくづく強運な自分だなと。)
感想としては、料理が美味しいはもちろんだけど、何というか、、「豊かな気持ちになれる」そんなレストランだった。
おそらくこの店の常連客はみんなその本質に気付いているし、なかなか理屈では表せないような部分。だからこそ紐解きたいと思いつつ。
今では世界中からシェ・パニーズに修行に来たり見学者が後をたたないらしいが、それはおそらく一般的な料理を学ぶということではなく、
どちらかと言うとアリスの精神や、その願いで世界を変えられたこと、ここに来るみんな持続可能な社会へのヒントを見つけに来ているのだろうなと思った。
続く・・・