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子育て家族。住まい方の旬は? 【山﨑美津江さんの “家の整理は心の整理”】

「音を出さないものに表札をつける。ラベリングってそういうものよ」と山﨑さん。これも百聞は一見に如かずかもしれません。

「片づく自信」はどこから?

 おとなだけの住まいでは、片づけや掃除も思い通り進みますが、子育て中はそうはいきません。「片づけなさい!」がBGMのようになり、片づけた途端に散らかることにイライラ。片づけそのものに意味があるのか、疑いたくなることも、あるかもしれません。

 人が生活するということは、ものが絶えず動くということ。次にしなければならないことが迫っていると、私でも片づけがめんどうに感じます。そんなときの味方は「片づく自信のもと=置き場所が決まっている」ということです。

 急いでいるときに「これはどうする?」、「どこにしまうの?」と頭を使うというのは、「もの」を相手に戦っているのといっしょ。どこに置くかさえ決まっていれば、あとはゲーム感覚で収めていけばいいので、気分も爽快。さらに副交感神経が活発に働いてリラックスできます。

わが家の「今」を見極める

 食材と同じように、住まい方にも旬があります。家族人数や年齢はもちろん、子どもがよく遊ぶおもちゃや読む本も家ごとにみんなちがいます。今、何に興味を持って遊んでいるかをよく見る。それが「旬をとらえる」ことなんだと思います。家族の動きを俯瞰できると、ものをストレスなく出し入れできる適当な置き場所が、だんだん決まってくるはずです。

 片づけることを「しまう」といい、「仕舞う」と書きます。「舞う」ということばは「回る」を意味します。「収納」というのは、とりあえず収めてそのときをやり過ごすのではなく、次の使い道を予測して、「循環させる」こと。収納上手は循環上手です。

 生活は続き、くり返されて彩りが豊かになります。わが家の旬を大切に、楽しく、心が元気になる日をつくっていきましょう。

予測する力を育てる

〈何に使える?〉

「どうしたらもっと使いやすくなるか」と考えるクセをつけること。この頑丈な段ボールで棚の高さが調整できるかも!と思案中。

〈しまいやすく、とり出しやすく〉

子どもの食器は、小学生の孫が出し入れしやすい高さのひき出しに。屈んで食器をとる姿を見て、場所の移動を考え中。

〈家族の動線を見る〉

必要なものが、すっきり収まったリビング。家族の動きをイメージして、使いやすく家具や家電を配置。

〈Todoリストで頭を整理〉

毎日するべきことを、裏紙でつくったメモサイズの表にリストアップ。チェックを入れるたびに達成感を味わえます。

〈自分の喜びを知る〉

家具の置き方をひとつ替えてみるだけで、「こうしたらどうかな?」とアイディアが次々湧き上がってきます。

〈ラクにできる方法を探す〉

文具屋を歩き回って見つけた、書類整理用のファイル。挟み込むだけなのに、逆さにしても落ちてこないすぐれもの。

山﨑美津江さんは、こんなひと
相模友の会会員、長女出産後から約40年間、友の会で整理、収納、そうじの技術を磨き、20年ほど前から自宅のオープンハウスをはじめる。講演をしたり、TVや雑誌でも人気。2LDKのマンションで、夫と2人暮らし。家計簿歴も40年余り。

出典:『かぞくのじかん』(休刊中)2021 秋 Vol.57

山﨑美津江さん 著書のご紹介


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