社会を受け入れつつ、立ち向かう! 【山﨑美津江さんの “家の整理は心の整理”】
コロナ禍の頃、検温が習慣となり、体温計が手放せない毎日を送っていました。思い出すのは、3歳まで孫を預かっていたころの保育園生活。毎朝検温し、いつもと変わったところはないかな?と、その日のようすを記録。日々の体調管理は、子育て中の方たちの方がよくされているのではないかと、感心します。
わが家ではその頃「ピッ」と数秒で体温が分かる、非接触型体温計をインターネットで購入しました。郵送で届き、さっそくとり出してみると電池が入っていない。買い置きのものを入れ、今度こそとスイッチオン、やっぱり液晶画面は暗いまま。夫が「電池の入れ方がちがうんじゃないか?」と試してみましたがつきません。説明書を開いてみるとなんと中国語……。
不良品に当たってしまった、これも勉強のひとつかなとあきらめていましたが、知人に話すと「好奇心旺盛な山﨑さんらしくない」と。そうだったと考え直し、まずは、インターネットサイトの窓口に問い合わせ、次に販売元に電話。片言の日本語で対応してもらい、小さなボタンを押すと、スイッチが入ったのです。このやりとりに約2週間かかりました。
新しいことも恐れずに
私は、家具や衣類はお店に足を運び、実物を目で見て選ぶと決めていますが、日用品や電化製品などはインターネットも便利に利用しています。品物を選ぶときはコメントをよく読みます。
お店を訪問して、自分の手と目で確かめて購入することもだいじだと思う一方で、インターネットを通しての買いものはこれからますます増えることでしょう。今回私は、一瞬、仕方がないことだとあきらめかけましたが、消費者として、相手を責めるだけでなく1人1人が立ち向かう。みんなでよい循環をつくっていくことも大切だと思いました。
以前娘が私に、「ぐちゃぐちゃと置いてある中からも、いいものを選ぶね」と感心したようにつぶやいたことがありました。それはひとえに経験の為せる技!
どうしたら「見る目」が育つか考える
〈頭と手をフル回転〉
〈本を読む時間をつくる〉
〈色んな角度から部屋を眺める〉
〈数秒で検温完了!〉
〈相手の好きなことを知る〉
出典:『かぞくのじかん』(休刊中)2021 夏 Vol.56