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夢幻星#3

「真珠、また1人でYouTube見てるの〜?」
そう言ってきたのは大学の友達、大山 美咲。

美咲は大学で1番初めに仲良くなった友達だ。
いかにも陽キャって感じの子でいつもテンションが高い。
きっと高校でもクラスの中心的な存在だったのは想像がつく。
まだ大学に入ったばかりの頃、1人でYouTubeを見ている私に興味を持ち、話しかけて来てくれたのが仲良くなったきっかけだ。

美咲繋がりでずいぶんと交友関係も広がった。

「うん。最近この人の動画ばっかり見てるんだ」
私はスマホに挿されたイヤホンを耳から外しながらスマホの画面を美咲に向けた。

そこには広島の宮島で撮影されたと思われる動画が流れていた。

「へぇ、これって宮島?すごい綺麗な映像」

美咲のその言葉に私まで嬉しくなった。

「だよね〜すごく綺麗な映像だよね」

「よくこんな動画見つけるね〜さすが真珠」

「当たり前じゃん。伊達に動画見てるわけじゃないからね」

得意げに答えてみた。

私は昔から動画を見るのが好き。暇な時はこうして動画を見て時間を潰していた。色々な動画を見ているうちに動画について随分と詳しくなり、動画制作者のそれぞれの特徴やこだわりなどが見えてくるようになった。

いつしか私も動画を作ってみたいという気持ちが強くなり、将来は動画制作に関わる仕事に就こうと思っているくらいだ。

「この動画はどんな人が作ってるの?」

美咲はそう言いながらスマホの画面を操作し、投稿者の名前を確認した。

「MuGi?」

どうやらこの動画はMuGiと言われる人物が作っているようだ。

「この人って有名なの?」

「いや、初めて聞いた名前。こんな人が広島にいたんだ」

MuGiという名前は動画に詳しい私でも初めて聞いた名前だった。最近動画作りを始めた人なのだろうか?

他の動画を見ているうちにだんだんとこのMuGiという人物が気になってきた。
どれも私好みの素敵な動画ばかりだ。

一体どんな人なんだろう?同じ広島にいるんならもしかしたら会えるかもしれないな。

なんてことをぼんやり考えていた。

そんな私の頭の中を見透かしたように、ニヤニヤしながら美咲がこちらを見ている。

「そんなにその人が気になるならコメントしちゃえばいいじゃん!同じ広島に住んでるっぽいし、もしかしたら会えるかもよ!ほら、真珠可愛いんだしさ!もしかしたらあっちから寄ってくるかもよ」

いたずら顔で美咲がこちらを見ている。

「馬鹿言わんといてよ!そんなのあるわけないじゃん!でもコメントはしておこうかな?」

そういうとスマホの画面を操作し動画にコメントを残した。

[とても素敵な動画ですね!感動しました]

スマホの画面を閉じ鞄へとしまった。

#4へ続く

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