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ロルカナを楽しむために"ロルカナ"する

ロルカナは面白さが分かりにくいゲームだと思っているので、面白さを伝えようと思って書いてるのがこの記事の内容です。

知らない人の記事を読んでも説得力がないと思うので自己紹介すると、自分はカードゲームに限らずゲームのシステムと面白さの関係を分析するのが好きなのでロルカナを始めました。強くなりたいというよりはゲームシステムを理解したいというモチベーションでいろいろ考えています。
赤紫デッキを使ってますが、一応、交流会ではまだ負けてはない状態ではあります。たまたまなので、「強い人が書いてるから信用できる」みたいには思わないでください。(めちゃくちゃ弱い人ではないくらいで。)

ロルカナは表向きのルールからは一見分からない裏ルール的なものがあり、かなり変なゲームだと思ってます。
それを知らない状態でプレイしたら、面白く感じなくても仕方ないような絶妙に不親切なゲームだと思ってます。(この変な裏ルールにのっとって遊ぶことを"ロルカナ"する、と呼んでいくことになります。)
でも理解したら面白いゲームを見逃しちゃうのはもったいないので、面白さを理解するために裏ルールを説明するのがこの記事の意図です。

この記事の内容は自分が勝手に考えているだけなので、考え方が合わないと思ったら無視してもらってかまいません。
ちょっと考え方を知るだけで面白く感じる人が増えれば嬉しいです。


ロルカナのコンテンツポリシーを調べてないので、画像なしでいきます。
文字だけで説明しますがご了承ください。

ロルカナ裏ルール

ロルカナ裏ルール

ロルカナの詳細なルールは説明しませんが、理解に必要なポイントだけ復習します。
キャラクターにクエストさせてロアという点数を稼ぎ、先にロアを20点とると勝利になるゲームです。
キャラクターはクエスト以外にも相手のキャラクターに攻撃(チャレンジ)でき、その場合はお互いにダメージを受けます。
クエストやチャレンジはキャラを出した次のターンからすることができます。
クエストやチャレンジすると、相手からチャレンジされる状態になります。逆に言えば行動しなければチャレンジされません。

さっそくロルカナを成立させている裏ルールを書きます。

  1. 有利な側がずっと有利(よって先行が有利)

  2. 不利な側は不利をひっくり返す勝負をしなければいけない

解釈によっては当たり前に聞こえるかもしれませんが、プレイング方針まで聞くと、言いたいことが分かってくると思います。
その前に、ロルカナを楽しむために、どういうゲームかをもうちょっと標語的に言い換えます:

 ロルカナとは有利なときと不利なときで動き方を明確に変える必要があるゲーム

この認識でロルカナを遊んでもらえると、面白さが分かりやすいと思います。逆に、知らないと一切面白さが分からない可能性もあると思います。
有利な方がずっと有利というのは一見ゲームとして破綻してるように見えるでしょう。この変な構造でも楽しいゲームにするために必要なのが、プレイ方針です。

裏ルールや上記標語を前提としてプレイすることを"ロルカナ"すると呼ぶことにします。つまり、有利盤面はずっと有利で、よって先手が有利で、不利盤面はそれをひっくり返す戦いをする必要がある、という前提で遊ぶということです。
"ロルカナ"しない戦い方の話も書こうかと思ったのですが、長くなりそうなので省略します。が、"ロルカナ"しない戦い方は正直難しいと思ってます。

記事を書く前にけっこう動画見て調べたのですが、最新環境でもこの構造は変わらないです。(キャラクターの動きのルール上こうなるようにできているから、まあ当たり前。)
例えば動画で見た大型大会の試合では、アグロ対コントロールでコントロールが先行の場合、アグロが3,4点しかロアを稼げなくて先行のコントロールが勝ったりすることもあるくらい、この構造は強いです。

補足:「有利なとき」は「テンポをとってるとき」とかに言い換えたほうがいいですが、今回は「有利なとき」で説明していきます。

ロルカナ裏プレイング方針

ロルカナは有利なときと不利なときで動きが変わります。

  • 有利なときは、キャラクターでロアを稼いでいく

  • 不利なときは、キャラクターで相手のキャラクターを倒す

キャラクターの能力や盤面によって、この方針通りではダメなこともありますが、基本的にはこれが鉄則です。この方針でプレイすることも、"ロルカナ"する、と呼ぶことにします。
例外的な部分は省略して、重要な細かい例外は後で補足します。

具体例で考えます:
ターン1 先行がキャラを出す
ターン2 後攻がキャラを出す
ターン3 先行がキャラでクエスト、さらにキャラを出す
ターン4 ここで、後攻もクエストして同じことを繰り返すと、順番的に先行が必ず20ロアを先に集めてしまう。よって、キャラを倒すしかない。
キャラを倒した後(だいたい相打ち)、自分もキャラを出す。

20点まで時間があるので、キャラを倒すしかないと書いた部分は後回しでもいい可能性もありますが、どこかでロアより攻撃を優先する必要があります。(ただし、後で書きますが、攻撃の代わりにクエストするのは後攻は無理。)

さて、上記の流れを繰り返すと、先行だけロアを稼ぎつつ盤面が優位な状態が続きます。後攻は盤面をリセットしているだけです。これが先行が有利な理由であり有利な側が有利になり続ける理由です。

ただし、何かのきっかけで盤面の優位がひっくり返ると、立場が逆転します。これを狙うのが後攻のやるべきことです。

上の書き方だと絶対に先行が勝つように見えますが、実際は1コストから理想的に動けないときもありますし、インクを貯めてキャラを出すのを繰り返すだけでは5ターン目くらいに止まります。
キャラを出さなかったり、パワーカードを使ったりすることで、有利不利が入れ替わったり、少なくとも有利不利が曖昧な状態にはけっこう簡単になります。有利不利が曖昧な場合のプレイは下で紹介する記事を参考にしてください。

ただし、有利不利が明確な状態のときに上で書いたプレイ方針を守ることはほぼ鉄則です。(特に不利なとき。)

ここで海外の記事も紹介しておきます。有利不利のときのプレイとして同じガイドがあり、他の場合のプレイ方針も書かれている素晴らしい記事なので参考にしてください。英語ですが。
今回書いたのはこの記事のガイドライン4番と5番に相当します。

有利な側が有利になり続けるロルカナのルールで、何故これで遊びが成立するのか考えてた結果この裏プレイング方針があることに気が付きました。
ここで、相打ちにしかならないのに、後攻がチャレンジする必要があるところが不思議かもしれません。次にこれを説明します。

ロルカナではクエストよりチャレンジが強い

上の例だと、キャラが同等の強さの場合相打ちにしかできないので、チャレンジをしない方がいいように見えます。
キャラが少ない場合にはおおむねそうなのですが、2体3体と並んだときに、攻撃側は自分が損をしない戦闘を選べるので、相手を全滅させてこちらは数体残るということができます。
これができるため(というよりこの状況に持ち込めたら)、チャレンジが強い動きになります。

仮に、後攻がチャレンジせずクエストでロアを稼いだ場合、むしろ先行側が有利なチャレンジでキャラクターを倒せてしまうので、後攻は圧倒的な不利になってしまいます。なので、チャレンジの方が強いという法則は有利盤面でも使います。

もうちょっと一般的に言えば、お互いにキャラクターが並んでいる状態で、クエストするという行動はかなり良くない行動になります。クエストよりチャレンジが強いです。

今までの説明では、なぜ有利な側はロアを稼ぎ続けたほうがいいのか、後攻はなぜ相打ちしてでもチャレンジした方がいいのかについてギャップが残ってますが、丁寧に書くと長くなるので、練習問題として残しておきます。
(正直ここまでくると例外も多いから、明確に悪い動きじゃなければそれほど気にしなくていい。)

補足:構築済みデッキで遊ぶ場合

構築済みデッキ同士で遊ぶ場合は、本気で組んだデッキほどパワーがないので、状況がちょっと変わります。

上で書いたプレイ方針では、有利な場合はチャレンジされてキャラクターが減っていっても優位を維持できることを前提としてますし、不利の場合は、盤面をひっくり返す方法があったり、盤面ひっくり返した後さらに逆転するためのプランもあることが前提です。

ところが構築済みデッキはそこまでパワーがないため、このプラン通りでは勝負にならない状況が発生しやすいと思います。(たぶん、一度優位に立ったらずっと優位になったり、ドローしたカードの運で全く有効に動けない、とかになる。)

すると、"ロルカナ"することができなくなります。その場合どうするかというと、プレイ方針に従わず無理にでもロアを稼ぐか一切動かないようにして、細かい能力やパワーの差を使って絶妙にどこかで差をつける必要が出ることになると思います。
これは構築済みデッキじゃなくても発生するのですが、けっこう高度な部分で発生するものであって、だいたいの場合は"ロルカナ"する部分で試合が決まります。
構築済みだからこそ何故か無理に高度なことをやらされるはめになります。

この高度な部分が楽しめるほどカードがうまければ別に問題ないかもしれませんし、勝ち負けを気にしなければ全然楽しめるとは思いますが、ゲームとしては急に一方的に片方が有利になる感じを受けてよく分からない体験になる気がしてます。

ロルカナというゲームの面白さを理解するには、戦えるデッキを用意する、かつ、"ロルカナ"するプレイを見たり教えてもらったりする必要があるのかなと思ってます。

ロルカナで勝つために

やるべきこと

・プレイ方針を固める
"ロルカナ"する話を書きましたが、正直これは前提で、相手に合わせてプレイを変えて、それで勝てるようにデッキも考えるというのが勝つためには重要です。具体的な流れでプレイ方針が組めてるなら"ロルカナ"する話は忘れてもいいくらいです。
それくらい、ゲームプランが重要です。特に、ルビーのBe PreparedやスティールのA Whole New World、アンバーのラプンツェル、shift先がいる場合のスティッチアラジンは使われる前から常にケアが必要なカードなので、これらを前提として相手の色毎にプランを決めておくことが大事です。

以下の記事は対戦相手の色ごとに最低限注意すべきことをまとめたものです。2弾以降の内容も多いものの、考え方の参考になると思います。

・後攻で勝てるようにする
海外の大型大会ではBO3(2本先取で勝利)で戦っていることが多いです。大型大会の上位の試合でも圧倒的に先行が有利なのですが、勝つには結局後攻でも勝てる必要があり、つまり、不利になったときに勝てるプランが必要となります。
今まで試合を見たり、遊んで自分でデッキを組んでみた感じだと、普通にしてれば有利盤面を維持するデッキには自動的になります。(ゲームのルール上そうなので。)ただ、不利盤面をひっくり返すプランが必要で、そのプランにデッキを寄せるほど、有利盤面をうまく活用できなくなるバランスになってる気がします。

とは言え、ルール上有利な先行で、有利盤面を維持して勝ち切るのもプレイング的には難しいので、有利盤面と不利盤面、先行と後攻でどうプレイするかをかなりシミュレーションすることが重要だと思います。
正直、先攻はインクを埋めるカードを考えると手札枚数がめちゃくちゃシビアで、どうプレイするかめちゃくちゃ難しいと思ってます。自分や他の人のプレイを見てても、先行で自滅してる感があるときはかなりあります。理論上の動きは考えてますが、実践でどう動くのがいいのか正直全然答えが出てないです。

やってはいけないこと

やってはいけないのにやってしまってるプレイをわりとよく見るので書いておきます。試合になると視野が狭まって間違えることはあり、自分もやってしまうことはあります。ただ、気が付いてなかったり忘れたりすると思うのでまとめておきます。

・有利盤面で雑にキャラを出す。
この記事で何度も言ったように、有利な側はずっと有利なゲームなので、無理に盤面を動かす必要がないことがわりとあります。
例えばロアで有利に立っていて、自分がキャラ1体、相手はキャラなしの場合に、無理にキャラを出す必要はないです。むしろ盤面がこのままならクエストを続けるだけで勝てるので。キャラを出してしまうと、相手の全体除去をくらったり情報を与えたりで損します。
もちろん、わざと全体除去を使わせたり、速度で勝つために全体除去の前にキャラを立てまくる、とかはあります。とにかく、意図がない限り、雑にキャラを出す必要はないです。

これは、むしろ不利な側に立った方が分かりやすいかもしれません。相手が有利にも関わらずキャラ1体でロアを稼がれ続けて、手札を温存されるとつらいです。相手が1体でロアを稼がれ続ける状況はいずれにせよ防がないといけないので、非効率的であろうとなんであろうとこの盤面を解決する必要があります。有利側が有利なゲームなので仕方ないです。

・不利盤面でクエストする
この記事で書いたプレイ方針から完全に外れたプレイです。
動画を見てるとけっこうあります。こちらがクエストしたキャラをとるには、相手もキャラを犠牲にする必要があるとかなら分かるのですが、クエストしちゃうと一方的に取られるのにもかかわらず、クエストしてるケースすら見かけます。

ロアに差がついて焦る気持ちは分かります。ただ、ゲームの性質上、有利な側に入れ替わる、せめて対等なところに持ち込むことができないと勝てないようになっています。
ちょっとでも追いつくためだけに明確な損する動きはやめましょう。

序盤だとインクを伸ばすまでの時間かせぐとかはあるので、絶対ダメというわけではないですが、少なくとも勝つために必要な動きかを考えましょう。

・ドローする効果を後で使う
プレイの順番が自由なのがロルカナなのですが、相手からの反応を受けて動きが変わる行動はほぼなかったと思います。
なので、絶対にやる行動をしてから残りの行動を考えていろいろやる人が多いのですが、最初からやるつもりなら選択肢が増える行動、特に、ドローを先にした方がいいです。ドロー次第で行動が変わる可能性がかなりあるのに、キャラを出したりインクを埋めたりしてからドロー効果を後で使うケースをけっこう見ます。

蛇足:なんとなく考えてること

色について

自分の考えですけど、色によって出来ることや得意・不得意があるのですが、アグロとかコントロールとかはそれほど拘束がないです。
例えば、ロア値が高い(かつ低コスト)キャラを使うとアグロっぽくなりますが、どの色もわりとアグロ出来るロア値が用意されてます。(1弾だけではカードプール的に足りてないですが。)赤はロア値的には弱いですが、回避が付与されてるのでアグロもできはします。

公式的にも、色や色の組み合わせでアーキタイプが決まるのではなく、いろんな動きができる方向にしようとしています。海外では次の7弾でDual Inkという特定の色の組み合わせでのみ使えるカードが登場するのですが、すでにあるメジャーな動きにはそのままは合わないカードを作って、多様性を生み出そうとしています。
例えば、赤青はアイテムを使ったコントロールが主流で墓地のアイテムをリサイクルするのですが、新規Dual InkカードのBellはリサイクルとは相性が悪くなってます。
緑青のInk Geyser!という新カードは非常に強力な代わりに、インクレスを入れがちな青だと裏目になるように作られています。(実際に開発が意図したバランスになるかは疑問だが。)

海外の環境まで進めば、スティールの顔とも言えるA Whole New Worldでも1枚も入れない構築もざらにありますし、珍しいですがルビーでもBe Preparedを入れない構築すらあります。

ともかく、1弾環境は限界があるにしろ、思った以上に構築に幅があるので、そういう楽しみ方をみんなでしていけたらなぁと思います。
特に、海外より遅れてる分、環境が決まってしまっているように感じますが、そこをひっくり返して世界を驚かせたいですね。

インク加速とドローが弱い

他のカードゲームだとマナ加速なりドローが強い印象ですが、このゲームだとそうでもない感じ。これについて考えてることはあるが、ちょっとまとまりきってない。

序盤はインク事故があるので、インク加速はインク事故を防ぐのには重要だし、ドローもそれに使える。あと、ドローはその場で必要なカードを引くために必要という感じで、単に手札の枚数が多ければ強い状態であるって感じのゲーム性ではない。
まだ書けることあるけど、もうちょっと考えます。


注意:自分は記事が中途半端な状態でも世に出して、その後でもバンバン内容を追加していくので、ご了承ください。
(というより、勢いで記事を書いたけど、考えてたけど書き忘れてるものが絶対あるから、気軽に追記していきたい。)

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