見出し画像

配合飼料成分の推定値の算出方法

配合飼料の表示票

配合飼料表示票例

こんな用紙を見たことがある方は多いと思います(これは私が勝手に適当に作りました笑)。
これは配合飼料を購入した時に必ずある表示票です。牛であれ豚であれ鶏であれすべて同じです。
この表示票の数値を使って飼料設計をすることは出来ません。

そこで配合飼料の配合割合は分からなくとも、計算値を教えてもらえるのであれば問題ないのですが、計算値をもらえない方が多くいるようです。
そのような場合はどのようにして飼料設計を行うかというと、この表示票を使って推定値を算出し飼料設計をします。
この推定値は必ずしも正確ではないが、ないよりある方が良いといった感じです。ある程度の数値にはなると思います。

もっと正確性を高めたいのであれば配合飼料を飼料分析に農家自身が出せばよいかもしれません。
私は配合飼料を分析に出したことがありますし、依頼があればCVASに飼料分析を出すことも可能です。

表示票を使った配合飼料成分の簡単な推定値算出方法

まず、表示票に記載してあるTDNや粗たんぱく質などの数値は乾物(%)ではなく原物(%)です。
この数値の中で特に大切なのはTDNと粗たんぱく質です。
このふたつの数値に注目して推定値を算出していきます。

日本標準飼料成分表2009

必要なものは中央畜産会が出している日本標準飼料成分表2009です。
配合飼料の表示票は日本標準飼料成分表の数値を使い算出しています。

日本標準飼料成分表2009 中身

配合飼料の表示票に記載してある原料を日本標準飼料成分表から探して数値を抜き出します。

配合飼料表示票例

上記成分の配合飼料であれば穀類58%、植物性油かす類28%、そうこう類12%、その他2%です。
原料区分の表示順は原則的に配合割合が多い順です。食品なども同様ですよね。
このルールに沿って下記の表の配合割合に数値を打ち込み、青色の部分のTDNとCPが表示票の75%と18%に近くなるようにします。

配合飼料成分推定値計算表

上記のように割合が決まったら次は飼料設計ソフト(AMTSやNDS、NASEM)のMixesなどに上記の割合で飼料原料を入力し、混合した飼料成分を配合飼料の推定値として用い飼料設計を行う。

分かりずらいですが、このような手法で配合飼料の推定値を出し飼料設計を行います。
この説明では分からない!という方は連絡いただければわかる範囲でお伝えします。

配合飼料と言ってもそれぞれ栄養成分は千差万別です。
自分の使っている餌の栄養成分を知ることは経営上にも飼養管理上にも非常に大切な項目です。
飼料高騰の中非常に厳し状況は続いていますが、このような情報が少しでも農家さんに役立てばと思います。

もっといい方法をご存じの方は是非教えて下さい。

いいなと思ったら応援しよう!