今年コーネリアスきっかけで出会った音楽10選2024
あっという間に年の瀬になってしまいました。
というわけで、どこに需要があるかわかりませんが、昨年に引き続き今年もコーネリアス(小山田圭吾さん)のおかげで新しい音楽にたくさん出会えたので、その中から特にお気に入りの10作品を紹介させていただきます。この中に好きなものがある方はぜひ話しかけてください！
祝FLAG RADIO復帰！
2024年の一大ニュースといえば、小山田さんのFLAG RADIO復帰！
ライターの大久保祐子さんにお会いした際、「小山田さんが延々と好きな音楽をかけるラジオがあって、それがすごく面白かったから復活してほしい」と伺っていたので、Xで告知を見た時は飛び跳ねる勢いで喜びました。
それだけにとどまらず、高木完さんが担当するTOKYO M.A.A.D SPINの毎月第3土曜日にDJをやってくれたり、お正月に「CLEAR CUT 200/2023」と題したプレイリストを配信してくれたり、30周年ライブのパンフレットで1000曲選曲したプレイリストを公開してくれたり...と驚くほどの供給過多。正直今年は小山田さんが流す音楽と、小山田さん好きの方が教えてくださった音楽しかほぼ聴いていなかったかもしれません。小山田さん、お忙しい中、たくさん音楽をおすすめしてくださって本当にありがとうございました。
Joseph Shabason『Welcome to Hell』
新しくハマったアーティストの中で、今年一番聴いていたのはJoseph Shabasonかもしれません。
コーネリアスの「火花」のリミックスも行っていたShabasonさんですが(呼び方これで合ってるんでしょうか)、小山田さんも度々好きな音楽としてインタビューで紹介しており、夢中夢ツアーや30周年ライブのSEとしてもよく流していました。
正直夢中夢ツアーで聴いたときはそこまで気にならなかったのですが、遅刻ギリギリで駆け込んだ30周年ライブの会場内で聴いた「Welcome to Hell」が、汗ダラダラなコンディションもあって天国の音楽のように聞こえてきて、やけに印象に残りました。そこから気になってアルバム『Welcome to Hell』を聴いてみると、どの曲もめちゃめちゃいい！アンビエント、ニューエイジ的な音楽性ながらも、そこに乗るサックスの温かい音色にジャズの要素も感じるところが新鮮でした。穏やかですが、フックのあるフレーズや展開もあり、そのバランス感覚が絶妙です。このアルバムをきっかけにアンビエント・ジャズにハマりました。
oso leone「Best in You」
先述の「CLEAR CUT 200/2023」に入っていた曲。モダンでスタイリッシュなR＆B調の曲なのですが、不安定なコード進行や転調がなんともいえない切なさを掻き立てます。
聴くともの悲しい気持ちになるものの、グルーヴィなベースとドラム、繊細なピアノとボーカルが心地良くてついつい聴いてしまうのが不思議。同じアルバム『Gallery Love』に入っている「Virtual U」も、メランコリックで淡々としたリズムの中にあるグルーヴ感がクセになる曲です。
このアルバムが良かったのでoso leoneを調べてみたのですが、びっくりするほど日本語の情報が出てきません。正しい読み方すらもわからなかったので、有識者の方がいたら教えてください。
Water From You Eyes「Barley」
こちらも「CLEAR CUT 200/2023」に入っていた曲。再生した瞬間、断続的に鳴り響くピアノの不協和音にギョッとします。その後は歪んだギターをバックに女性のボーカルが入るアバンギャルドなロックチューンとなっており、フックの多さにテンションが上がってしまいました。
退廃的な雰囲気がソニック・ユースのような90年代UKオルタナを感じるところもあり、その辺が好きな方には刺さるんじゃないかなと勝手に思っています。
Ambitious Lovers「Copy Me」
今年8月にリリースされたコーネリアスの新曲「BAD ADVICE」のゲストボーカルを務めたアート・リンゼイさんが所属していたバンドの曲。「BAD ADVICE」の制作過程でだんだんとファンク調の曲になっていき、「Ambitious Loversっぽいな」と思ったところからアート・リンゼイさんをボーカルに招いた、とスカートのラジオで小山田さんが話していたのをきっかけに聴いてみました。
全体的にはファンクっぽいニューウェーブサウンドなのですが、人の声が後ろでリズムのように鳴っていたり、「ホゥー」というかけ声のようなコーラス(？)が入っていたりと、細かい違和感が散りばめられていて一気に引き込まれました。妙な中毒性があります。
NEU!「ISI」
「BAD ADVICE」の両A面シングルとしてリリースされていた「MIND TRAIN」の恐らく元ネタ的な曲。こちらはFLAG RADIOで「モータリックMix」と称して小山田さんが流していたのですが、キックを八分で刻むエイトビートのことを「モータリック」と呼ぶことを初めて知りました。
NEU!は本当に名前だけ聞いたことがある程度だったのですが、この曲を聴いてこんなメロディックな曲があったのか！とびっくりしました。まさに列車のように前に進むような疾走感と華やかさが同居しており、爽快な気持ちになる曲です。
Pet Shimmers「Mortal Sport Argonaut」
こちらも「FLAG RADIO」で流されていた曲。Exlovesあたりのインディ感がありつつも、もう少し輝きをくすませた、カラッとさせた音像のように感じます(悪口じゃないです、表現が下手くそですみません)。
一筋縄ではいかないコード進行と、けだるげな男女ボーカル。ほどよいアンニュイさと疾走感がうまく合わさっていて、シンプルに私のドツボでした。「こういうのが好きなんだよなー！」とテンションが上がった曲です。
Eagle Eyed Tiger『Smile for the Camera』
こちらもFLAG RADIOから。ラジオでは一曲目の「Stasis」が流れていたのですが、一聴して独特な浮遊感に心を掴まれました。
気になったのでアルバムを聴いてみたのですが、どの曲も素敵！ニューヨークのインディポップアーティストとして知られている方のようですが、リバーブのかかったギターとビビッドなシンセに、機械的なドラムの組み合わせが新感覚で、いわゆる「インディポップ」とはまた違った音楽性のようにも感じます。耳につくキャッチーなフレーズも楽しいです。
LNDFK「Takeshi」
この前のFLAG RADIOで流されていた曲。ラジオで小山田さんがこの曲を解説していたのですが、タイトルの「Takeshi」はビートたけしさんのようです。女性ボーカルのスタイリッシュなドラムンベースで、どのあたりがビートたけしなのか私にはわかりませんでしたが、とにかくかっこいいです。
小山田さん曰く、同じアルバムに「Hanabi」という曲があったり、コーネリアスともたびたび共作しているASA-CHANG&巡礼とコラボしていたりと、日本文化に興味があるのではとのこと。言われてみれば確かにクールで低体温な雰囲気に東京の景色を感じます。
Steve Hiett『Girl In The Grass』
実はこのアルバムに出会ったのは小山田さんきっかけではなく、音楽メディア・musitさんで取材した雪国というバンドの方が作っていたプレイリストからでした。インタビューをするにあたってプレイリストを聴いていたときに、このアルバムの曲がすごくいいなと思っていたら、小山田さんが作ったプレイリスト(200 of Dream Inspires)にも入っていて、謎の運命を感じたのを覚えています。
他にもアルバムを出していないか見てみるとサブスクにはこれしかなく、さらにネットで調べると本業は写真家だということが判明しました。アー写もなんとなくイケメンですし、天は二物も三物も与えるんですね...。
Cloudberry Jam『CLOUDBERRY JAM』
こちらも間接的な出会い方ではあるのですが...。小山田さんきっかけで渋谷系に興味持ち、『渋谷系協奏曲』という本を読んでいた時にCloudberry Jamを知りました。
カジヒデキさんが本の中のインタビューで「90年代の日本でスウェディッシュポップが流行っていた」と話しており、衝撃を受けた私はそこに挙がっていたCloudberry Jam、The Cardigansをすぐに聴きました。特にこの『CLOUDBERRY JAM』というアルバムが抜群によくてさらに衝撃。J-POP感もあるキラキラと爽やかな曲調に、素朴な演奏がたまらなくツボで、「なんで今まで知らなかったんだろう」と愕然としました。全曲好きです。
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小山田さん自身がラジオレギュラー2本、30周年ライブ、アルバムとシングルリリース、そしてVELLUDOの活動とめちゃくちゃに供給をくださった一年ですごくありがたかったし、活動がアクティブになるにつれてラジオの選曲も元気な雰囲気になっていくのが嬉しかったです。
また、冒頭にも書きましたが、今年は、コーネリアスからはもちろん、コーネリアス好きの方から教えてもらった音楽も多く、改めてコーネリアスが繋いでくれた縁に感謝した一年でした。
来年も新しい音楽に出会えるのが楽しみ！みなさんのおすすめもぜひ教えてください。