演出に振り回す人/される人
今日のニュースでテレビ番組に出演している人が自ら命を絶ったことが報道されていました。まだ詳細は明らかになっていませんが、誹謗中傷が原因であったといわれています。今回のケースに関わらず誹謗中傷は多くネットで見られます。それらを減らすためにはどうすればいいのか考えをまとめたいと思います。
この出来事に対してネットでは主に2つの意見がみられます。
A.ネット中傷はやめるべき・中傷への対応は躊躇なく行うべき
B.そもそも原因がテレビ局の過剰な演出にあるのではないか。
といったものです。ニュースになってから時間もたっていないので、議論やコメントは成熟してるとは言えませんがどちらも納得できる意見です。
僕の所感ではAはすぐさま対応されるべきです。例えば、一度判例が出れば各所の対応が早くなりますし、いざこざが起こったとしてもうやむやではなく公の意見として正誤付けられます。特に誹謗中傷の事件は第3者を感情的に強く動かすため冷静な判断を促せるような基準を設置してあげるべきではないでしょうか。
今回根深いのはBではないでしょうか。下図に中傷の構図と考えられる対応をまとめてみました。
Aは2に値すると思います。中傷が少しでもあった際に、被害者がひどく傷つく前に対応できるという意味です。対してBは1に値すると思います。今回なぜ、一部の人が攻撃することに至ったのか。これはネット中傷問題というより今回の事例特有の原因が特定されなければ同じことが今後も起こるでしょう。
そこで原因としてあげられているのがテレビの演出です。ネットでの意見を見ると副音声などで出演者の人となりを悪役風に見せたりといった演出がみられたそうです。
端的に言って今回のケースで最も顧みられるべきはこのような炎上演出に対する制作者の責任だと思っています。ドキュメンタリーというカテゴリである以上、「こんな性格なんだよこの人」といってしまうとそれは聴衆にリアルに伝わってしまいます。それでヘイトをためてしまった人が攻撃してしまうのは許されることではないですがヘイト生まれることが確信犯である以上、攻撃につながることは製作者は予想できたことです。テレビ業界に対して知見は深くありませんが聴衆だけでなく、製作者側にもリテラシーがあってしかるべきであり、このリテラシーが今後同じ事件が生まれることを阻止すると思います。
最後に、この炎上演出はテレビ業界だけではないと思います。YouTubeでは派手な見出しを作るため、過激な言葉を使うことが多くみられます。製作者と出演者が同一であれば自己責任のように思えますが、ネットの意見は一度暴走を始めるとだれにも止められないためこれをリスクとして製作者は認識する必要があるはずです。
確かに聴衆側のリテラシーにも問題はあります。しかし不特定多数がみられる作品を作る以上、リテラシーが足りていない人が見ることを考慮して自由な創作はなされるべきです。人の感情をあおること、訴えることを軽視してはいけないそう思います。