![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46107684/rectangle_large_type_2_2d53ccd454d08f3e100d2be707329176.jpg?width=1200)
備忘録11-④「相部屋の協力あればこそ」
今回は1762文字と少し多めの内容です。
私が3か月入院した病室は入退院の出入りが激しく、病棟は常に満床状態。入院患者が一人増えると、代わりにある程度回復した患者が押し出されるように退院してしていく。部屋間のお引越しもしょっちゅうでした。
目まぐるしく患者さんの入れ替わりが行われ、最終的に相部屋の患者さんは、自力で歩けないおばあちゃん、私と同世代のママ友さん、20代前半くらいのリコちゃん(仮名)、そして私の4人で退院までのひと月半を過ごす事になりました。相部屋仲間とも多少なり交流があったので、部屋の雰囲気も良好でした。
ですが、退院を明日に控えたママ友さんが夜中にてんかん大発作を起こしてしまったのです。
最初はしゃっくりかと思いました。でも何かが違う違和感。5分経過しても異音が途切れる気配がありません。ママ友さんの声も聞こえず、しゃっくりのような音だけが続くんです。
真夜中にいきなりカーテンを開けるのは失礼なのではないか?どう声をかけたら良いのだろうと迷い、焦り、時間だけが過ぎていきました。当時の私はまだ「てんかん発作」という知識も経験も無かったので、ただのしゃっくりだったら恥をかかせる事になるかもしれないと、オロオロするしかなかったのです。
その時、リコちゃんがベッドから起きる気配がしました。やっぱりリコちゃんもおかしいと気付いていたんだと思い、私もつられて飛び起きました。
二人で目を合わせ、ママ友さんに声をかけても返事が無いのを確認し、「大丈夫?」とカーテンを開けると・・・
ママ友さんは予兆に気付き、ベッドから起きようとしたところで発作が始まってしまったのでしょう。ベッドに腰をかけ座ったまま硬直。虚ろな目で口から泡を吹いていたのです。
慌てて私はナースコールを押し、ママ友さんに声をかけ続け、リコちゃんはナースステーションに看護師さんを呼びに行き、夜勤の看護師さん総出で、暴れるママ友さんを抑え大騒ぎになったのです。
後に私もママ友さんと同じてんかん大発作を経験しましたが、意識を失い幻覚や幻聴を聞き、嘔吐。意味不明な事を叫んだり大暴れしちゃうので、患者が怪我をしないよう拘束具をつけられるのです。普段の業務も大変なのに、暴れる患者のお世話まで・・・思い返す度、看護師さんたちには本当に頭が下がる思いです。そしてごめんなさい。
ママ友さんが落ち着き眠りにつくと、暫くして夜勤の先生が来てくれ、看護師さん達にてんかんの経緯を聞いているようでした。ですので私は、わかる範囲で先生に説明しました。明け方4時くらいに一度病室から外にでた気配がした事。そして10分程して戻ってきた事。(それまでは意識がはっきりしていた)。その後30分程して発作が始まった事など。
私は20代の頃、交通誘導警備の仕事をしていた時期があり、119番通報した際の情報提供の方法をおぼろげながら覚えていて、患者の意識の有無が重要である事を知っていたからです。
その後、ママ友さんは退院予定が半月延期になってしまいましたが元気に回復し、私とリコちゃんに「命の恩人よ」って声をかけてくれて、でも少し不安そうに退院していきました。その後すぐ髪を剃り、オプチューンを付ける準備が始まる事を彼女から聞いていたからです。私もオプチューンを着けるか否かで迷った時期があるので、辛い気持ちが痛いほどわかりました。ですから私も「お大事にね。またどこかで会えるといいね。」と声をかけ、見送るのが精一杯だったのです。
相部屋仲間は運命共同体です。一人だと不安でも、仲間が一人でも同調してくれれば助け合う勇気がもらえます。対処もしやすくなります。特にてんかん大発作になり意識を失えば命にかかわる一大事です。何か異変が起きたら相部屋の誰かが代わりにナースコールを押してあげて下さい。もしくはナースステーションへ異変を知らせて経緯を報告してあげて下さい。患者仲間同士助け合って下さい。重ねてご協力を宜しくお願いします。
(続く)
夫の監修後の採点)かなり変な言い回しが多かったので修正をしたとの事。70点だそうです。自覚していましたが1700文字超えると、伝えたいことが分散してしまい収拾つかなくなってしまうようです。やはり1000~1200文字くらいが今の私には丁度良いのかもしれません。